日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
6 巻 , 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 飯村 正一
    2006 年 6 巻 4 号 p. 1-18
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    磁歪技術を応用し地震によって発生した応力が曲管部に残留しているか否かを、非破壊で診断するための手法を開発した。この方法によれば主応力差の全応力が測定される。曲管には製造時に発生した大きな応力が残留していることから、測定値から残留応力を分離するために、Rodabaugh とGeorge による曲管の応力計算理論式に測定値を回帰することを試みた。その結果、外力によって発生した応力のみを軸方向と円周方向に分けて精度良く取り出すことができた。開発された手法による診断可能な上限応力値は降伏応力の55%程度であり、大きな残留応力の存在のために同じ材質の直管に適用した場合に比べ上限応力値が低いことから、地震によって発生した応力が残留しているか否かの一次判断手法として用いることを提案した。
  • 小豆畑 達哉, 飯場 正紀, 井上 波彦, 緑川 光正
    2006 年 6 巻 4 号 p. 19-37
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    本報告は、2004年新潟県中越地震の被災地域に建設されていた免震建築物の対地震性能について、建築物利用者に対し行ったアンケート調査結果を取りまとめたものである。アンケート項目は、室内の状況、揺れの感じ方、免震建築物に対する利用者の評価等に関するものである。また、室内の状況等について、免震建築物と周辺の建築物で比較できるようにしている。震度6強地域において、免震建築物は、その室内で一部の利用者が地震時に船酔いにあったような不快な感じを受けたり、ごく一部のすわりの悪い積載物が転倒したりしたが、免震構造の性能を十分に発揮し、その性能は一般の利用者からも高く評価されたことが明らかとなった。
  • 白戸 真大, 福井 次郎, 中谷 昌一
    2006 年 6 巻 4 号 p. 38-54
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    場所打ち杭基礎は道路橋基礎の中で最も使用頻度が高い基礎形式の一つであり, 地震時における変形性能を評価するための非線形数値解析モデルの開発が期待されている.そこで, 地盤からの杭体コンクリートへの拘束効果や鉄筋のはらみ出しの影響も含めた材料非線形性を考慮したファイバー要素を用いて, 場所打ち杭の単杭模型, 群杭模型の水平交番載荷実験の数値シミュレーションを行った.その結果, 単杭の場合には良好な数値解析結果が得られた.群杭の場合, 全体的な傾向は捕捉できるものの単杭の場合に比べて計算精度が劣った.特に群杭の場合, 水平挙動に伴い杭に作用する軸力が大きく変動し, 杭が高い軸圧縮力を受けるため, 数値解析結果はコンクリートの圧縮挙動のモデルの影響を受けやすくなることが分かった.
  • 吉田 望, 澤田 純男, 中村 晋
    2006 年 6 巻 4 号 p. 55-73
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    地盤の地震応答解析の精度を減衰に着目して検討した。まず, 運動方程式の時間に関する偏微分の解法である周波数領域の解法と時間領域の解法が同じ条件で解析できるように, 前者では各種の周波数の関数, 後者ではモードごとに設定できる減衰 (モード減衰) を導入した。また, 半無限地盤を有する地盤の固有値と固有ベクトルを求める方法を提案し, 入射波問題に対してもモード減衰を使える定式化を示した。例題地盤に基づいて各種の解析法を比較したところ, 周波数領域の解析と時間領域の解析は弾性, 非線形解析の両方でほぼ一致し, 周波数領域の解析における減衰の周波数依存性を時間領域の解析におけるモード減衰で表現できることが分かった。一方, 全周波数領域で一定の減衰と周波数に比例する減衰を比較したところ, 数Hz より高振動数成分で差が現れると共に, 周波数に比例する減衰は最大変位を小さく評価することが分かった。
  • 新潟県中越地方南部の地震空白域を例として
    長 郁夫, 西開 地一志, 柳沢 幸夫, 長谷川 功, 桑原 保人
    2006 年 6 巻 4 号 p. 74-93
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    近年、著者らの一部は3次元地質構造の簡便なモデル化のために地質構造形成史の知見からモデルを拘束する手法を開発した。本研究では同手法の位置付けを明らかにするとともに、同手法のこれまでの適用例よりも地質学的に複雑な地域 (新潟県中越地方南部地域) のモデル化を試みて手法の有効性を確認する。我々の位置付けでは、同手法は、既存の地質図を3 次元的かつ定量的に再構成するための簡便な手段である。モデルの単純化や地質学的知見の曖昧さを考慮すると、探査データの少ない地域における巨視的なモデル化に有効と期待する。新潟県中越地方南部地域のモデル化については、地質構造形成史で重要と考えられる情報と地質図データ及び比較的少量の探査データを併せて用いることにより大局的な3 次元地質構造をモデル化することができた。このモデルは、地震空白域であり将来の地震発生が危惧される同地域の基礎的な地盤モデルとして役立てられる。
  • 1995 年兵庫県南部地震の観測記録に基づく検討
    鶴来 雅人, 香川 敬生, 岡崎 敦, 羽田 浩二, 入倉 孝次郎
    2006 年 6 巻 4 号 p. 94-112
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    強震動予測の高周波数帯域における精度向上を図るには, この帯域における地震動特性を明らかにする必要がある.そこで本研究では強震動予測のための高域遮断フィルターを提案することを目的に, 1995 年兵庫県南部地震の本震および近畿地方で発生した小地震の高周波数帯域におけるスペクトル低減特性を示す高域遮断フィルターおよび両者の違いを補正するフィルターを求めた.その結果, 1995 年兵庫県南部地震の本震の高域遮断フィルターを規定する周波数 (高域遮断周波数fmax) は6Hz と推定された.さらに, これらのフィルターが地震動予測結果に及ぼす影響について検討した.
  • 長 郁夫, 鶴来 雅人, 香川 敬生, 岩田 知孝
    2006 年 6 巻 4 号 p. 113-132
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    大阪堆積盆地の地震観測サイトを例として, 地震基盤に達する「深部地盤速度構造」が広帯域サイト増幅スペクトルに及ぼす影響を系統的かつ定量的に検討する.まず1次元重複反射理論を用いたパラメータスタディにより, 深部地盤の速度構造がサイト増幅スペクトルの低周波数帯域のピーク形状を決め, 減衰構造が高周波数帯域のトレンドを決めていることを示す.すなわち深部地盤構造は低周波数帯域だけでなく高周波数にも強い影響を与える.次に実データの解析で得られた経験的サイト増幅スペクトルの逆解析により深部地盤構造モデルのパラメータがサイト増幅特性に及ぼす影響を定量的に分析し, 深部地盤構造を巨視的にモデル化することの妥当性を示す.そして深部地盤構造の巨視的表現を均質な3層構造から漸増構造に変更すると経験的サイト増幅スペクトルの低周波数帯域の再現性が向上することを示す.
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