日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
7 巻 , 6 号
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  • 佐藤 智美
    2007 年 7 巻 6 号 p. 1-16
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    複数のQ値モデルと経時特性モデルを用いて地震基盤における中規模地震相当の統計的グリーン関数を計算し、その最大加速度と最大速度の距離減衰特性と既往の距離減衰式 (経験式) との比較を行ない、Q値・経時特性モデルの適用性について検討した。その結果、海溝型地震に対して、佐藤 (2004、2006) の地域性を考慮したQ値モデルと散乱理論に基づく経時特性モデルを用いた統計的グリーン関数は距離減衰式と整合することがわかった。一方、海溝型地震に対して、Boore (1983) の経時特性モデルを用いた場合には震源距離が遠くなるほど過大評価、佐藤・他 (1994) の経時特性モデルを用いた場合には100km以下で半分程度の過小評価となり、両者とも距離減衰式より距離減衰が小さい。
  • 圓 幸史朗, 池ヶ谷 靖, 中村 充, 柳瀬 高仁
    2007 年 7 巻 6 号 p. 17-30
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    地震後のRC建物、構造物の確実な損傷検出を目的とした実用的な構造ヘルスモニタリングシステムを提案する。ここでは個々の低コストセンサで計測したデータをセンサ内で簡単な指標に変換し、転送処理する情報量を最小限に抑えることにより、多数のセンサを配した信頼性の高いシステムを実現した。モニタリング用に開発したスマートAE (acousticemission) センサとスマートVA (vibration analyzing) センサはそれぞれ、コンクリートのひび割れを検知するローカルモニタリングと、構造物全体の振動性状の変化を捉えるグローバルモニタリングに供する。前者はひび割れに伴い発生するAE信号を計測する。後者は加速度時刻歴から、ゼロクロス点数と最大値および振幅絶対値の累積値を求め、それらの変動履歴から異常を検出する。センサと親局間の通信には、比較的低速度ではあるが消費電力の小さい無線規格ZigBee を採用する。現時点で全ての通信を無線化することは難しいが、今後は、センサ同士の情報伝達が可能なマルチホップ対応のシステムを指向する。
  • 佐々木 健人, 小檜山 雅之
    2007 年 7 巻 6 号 p. 31-47
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    住宅購入時の意思決定を支援する耐震等級の説明に関し, 被害発生確率を用いた説明方法が有効であることをアンケート調査により検証した。調査対象は横浜市・川崎市・東京都23 区在住の持ち家志向を持つ30代・40 代の市民とし, 759 人の有効回答を得た。調査項目は地震発生リスク認知と耐震性能の選好性に関する項目等とした。集計結果から, 回答者が地震発生リスクを過大に認知していること, 求める耐震性能にばらつきがあることなどが明らかになった。また, 耐震性能の説明として震度の大きさに対する被害発生確率の提示が有効であること, 耐震等級ごとの地震被害リスクとコストの情報を提供しリスクを過大視するバイアスを除去したのちも高い耐震性能を要望する傾向などが確認された。
  • 小杉 慎司, 境 有紀, 中村 友紀子, 大月 俊典
    2007 年 7 巻 6 号 p. 48-81
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    2004 年10 月23 日に発生した新潟県中越地震では、数多くの観測点で震度6 弱以上、特に川口町川口では計測震度導入以来初めて震度7 を記録し、地震動の性質と建物被害の関係を検討するための貴重な強震記録が得られた。そこで、波形が回収された観測点の周辺を対象として建物被害を中心とした被害調査を行った。調査の結果、川口町震度計、JMA 小千谷、K-NET 小千谷周辺で大破・全壊建物が確認されたが、その他の観測点周辺では大きな被害は見られなかった。そこで、回収された波形を用いて強震動の性質と建物被害との対応性について検討した。その結果、今回の地震で発生した地震動の多くは、0.5 秒以下の極短周期が卓越し、計測震度や地動最大加速度は大きな値となるが、建物の大きな被害を引き起こす性質のものではないことがわかった。一方、川口町震度計で観測された地震動は大きな1-2 秒応答を記録しており、それが大きな被害に繋がったと考えられる。
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