2010年度の大学入学者より教育職員免許法が改訂され,教員免許状を取得する際の必修科目として教職実践演習が導入されている.本研究では,教職志望学生が理想の教師像や自己評価等を4年間継続して記録し,学生自身が自らの成長・発達過程を捉えるための教職ポートフォリオ・システム,教職ポートフォリオと学生への面談をもとに大学教員が記録する教職カルテ・システム,そしてポートフォリオとカルテを管理するシステムを開発し,大学1年次の学生102名を対象に試行した.システムの試行後に,使いやすさや効果に関して学生へアンケート調査を行ったところ,被教育体験の振り返りや目指すべき教師像の明確化に寄与した一方で,記録項目の精選等が必要といった課題も明らかになった.
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