教師学研究
Online ISSN : 2424-1598
Print ISSN : 1349-7391
22 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 校区の社会経済的背景に着目しながら
    中村 瑛仁
    2019 年 22 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、学校環境の一つとして教師が勤務する校区の社会経済的背景(SES)に注目し、社会経済的に困難な家庭環境の子どもが多い学校の学校環境とそこで観察される教師役割の特徴を明らかにすることを目的とする。分析では教師20名へのインタビューデータとTALISの二次データを用いて、SESの厳しい学校の学校環境と教師役割の特徴を吟味した結果、学校環境によって要請される教師役割として、「学級の荒れを統制する役割」「学習意欲の喚起とケアの役割」「保護者との関係を構築する役割」が、他方で教師たちが主体的に獲得する役割として「しんどい子を包摂する役割」「荒れに対向する協働的役割」が観察された。校区のSESによって顕在化する教師役割の内実は異なっており、教師たちは要請される教師役割に対応しつつ、他方で自ら積極的に教師役割を獲得することで、厳しい学校環境に適応しながら勤務校での働きがいを見出していた。
  • 小学校教師への1年間の追跡的インタビューの分析から
    前田 菜摘, 浅田 匡
    2019 年 22 巻 1 号 p. 13-23
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/08
    ジャーナル オープンアクセス
    校内研修は,学校研究として共同的な探求機会を提供するが,その参加や学校研究が追求するテーマに対する理解の深まりが個々の教師の変容にもたらす影響についてデータを用いて明らかにした研究はほとんど見られない。そこで本研究では,若手教師2名を対象に1年間の追跡的なインタビューを行い,共同的な探求活動の参加者の1人として校内授業研究に参加することが自身の学びにもたらす影響について明らかにすることを試みた。インタビュー内容をテーマによって分類整理し,その後,それぞれの言及の間の関係性について考察した。結果,両者の学びは異なる特徴を有していたものの,ともに学校の研究テーマへの理解と自身の実践とが関係しあう様相に対する言及が見られた。この結果は,学校研究という探究的な活動に参加することと個々の教師の成長のプロセスが表裏一体であることを実証的に示すものである。
  • 姫野 完治, 長谷川 哲也, 益子 典文
    2019 年 22 巻 1 号 p. 25-35
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,今後の教員養成・採用・研修を担う教師教育者の在り方を検討する上で基盤となる教師教育者の職務内容や教師発達観等を解明することを目的とする。そのため,国立教員養成系大学・学部および大学院において教員養成に携わっている研究者教員と実務家教員を対象として質問紙調査を行い,学校等における勤務の「経験なし研究者教員」と「経験あり研究者教員」,そして「実務家教員」の3群に分けて比較検討した。その結果,相対的に「実務家教員」は教育にかける時間が多いこと,「実務家教員」は授業や他機関との連絡調整において研究者教員と連携していること,「研究者教員」と比べて「実務家教員」の職務内容や教師発達観には,同僚性やコミュニティとの関わりが反映されていること等が明らかになった。
  • 初めての異動に着目して
    町支 大祐
    2019 年 22 巻 1 号 p. 37-45
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/09
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,異動が教員にネガティブな影響を与える可能性が指摘されている。本研究は,その要因の一つになっていると考えられる「異動後の困難」の様相を明らかにすることを目的とする。加えて,本研究では初めての異動に着目する。異動の影響はキャリアの長さ等によって異なり,かつ初めての異動が最も大きな影響を与えると言われているが,そこに着目した先行研究はないからである。教員10名を対象にインタビュー調査を行い,定性的コーディングを行なった結果,【ステークホルダーの特徴の違いへの対応困難】【仕事のやり方の違いへの対応困難】【周囲からの視線に関する難しさ】【信念とのズレに関する難しさ】という4つのカテゴリーが生成された。前者2つは先行研究でも指摘されてきたが,本研究を通じて,【周囲からの視線に関する難しさ】【信念とのズレに関する難しさ】という新たな2点を確認することができた。
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