本研究は,協働的関係を視野に入れた教師の対人的効力感を測定するための新たな尺度を開発し,この協働的効力感と従来の効力感について職場の雰囲気,対人的サポート,及びバーンアウトとの関連性について検討した。調査対象者は,中学校と高等学校の現職教師370名であった。まず因子分析を行った結果,教師の協働的効力感は,支えあいの自覚,学校改善への意欲,積極的援助,普段のコミュニケーション,立場の違いの克服,管理職との協働の六因子が抽出された。次に,教師の協働的効力感は,職場の雰囲気と学校内でのサポートから強く影響を受けることがわかった。最後に協働的効力感はバーンアウト低減とも関連していることが明らかになり,学校組織における教師の協働的効力感の重要性が示唆された。
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