日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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19 巻, 4 号
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  • 鈴木 裕, 松岡 弘芳, 丸山 正二, 新川 定, 茂木 瑞弘, 中島 正暢, 森 俊幸, 杉山 政則, 跡見 裕
    1999 年 19 巻 4 号 p. 445-449
    発行日: 1999/05/31
    公開日: 2011/10/28
    ジャーナル フリー
    過去11年間に22例の大腸憩室穿孔症例を経験した。年齢は18~86歳で平均53.8歳, 性別では男性12例, 女性10例であった。これらの症例について右側型, 左側型に分けその臨床的特徴をretrospectiveに分析した。中高年層には左側結腸穿孔が多く, 右側型に比して有意に高かった。穿孔部位ではS状結腸と盲腸がともに8例であった。遊離ガスを認めたのは7例で, そのうち6例は左側結腸であった。術式は一期的腸切除, 穿孔部縫縮, 憩室切除, ドレナージのみ, 左側結腸では一期的腸切除, ハルトマンが主たるものであった。ショック, 敗血症, DICなど重篤な合併症は左側に多く認めた。遊離穿孔の死亡率は50%, 全体では23.8%であった。左側結腸穿孔は遊離穿孔が多く糞便性腹膜炎となりやすいので, 大腸憩室穿孔例を疑った例では, 確定診断がつかなくとも総合的に判断し早期手術に踏み切ることが必要であると思われる。
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