日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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20 巻 , 8 号
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  • 上野 力, 小野 聡, 青笹 季文, 辻本 広紀, 松本 淳, 望月 英隆
    2000 年 20 巻 8 号 p. 1085-1092
    発行日: 2000/11/30
    公開日: 2011/08/04
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    「目的」腹膜炎患者の臨床病態評価における血中および腹水中サイトカイン濃度測定の意義について検討した。「対象と方法」1999年1月から2000年6月までに当科で緊急手術を施行した腹膜炎患者16例 (上部消化管穿孔9例: U群, 下部消化管穿孔4例: L群, 絞扼性イレウス3例: I群) を対象に, 各症例毎の開腹時の腹水, および末梢血 (血清) を採取して, サイトカイン (TNFα, IL-6, IFNγ, IL-10) 濃度を測定し, 術前SIRS合併の有無やSIRS病態の程度との関連を比較検討した。「結果」(1) U群は9例中5例が, L群は4例全例が, I群は3例中2例が来院時SIRSと診断された。(2) L群ではU群に比べ血中IL-10, 腹水中IL-6, IL-10濃度が有意に高かったが, I群では腹水中サイトカイン濃度は全てU群に比べ有意に低値であった。(3) SIRS合併例は非合併例と比較して血中, 腹水中IL-6, IL-10濃度が有意に高く, またSIRS診断基準4項目陽性例は3項目以下陽性例に比べ腹水中IL-10濃度が有意に高かった。(4) 血中, 腹水中のTNFαとIL-10との比は, L群, SIRS合併群, 4項目陽性群で有意に低値であった。「結語」腹膜炎患者ではSIRS合併例やSIRS病態が高度な者ほど腹水中IL-6, IL-10濃度が高く, 感染局所でのTNFα, IFNγとIL-10との比は腹膜炎患者の重症度を敏感に反映するものと考えられた。
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