本研究は,高等学校教科「情報」の教員養成学生が,普通教科「情報」の授業において,メディア・リテラシー(ML)教授を行う可能性について明らかにしたものである。質問紙調査を用い,25名の学生にMLと情報リテラシー(IL)とコンピュータ・リテラシー(CL)について,イメージ,認知度,リテラシーの区別,教授重要度を比較した。結果は,MLはILとCLに比べて複雑であるとイメージし,認知度も少なかった。MLの内容はILの内容と混同されていた。さらに,教授重要度はILが高く,MLとCLには差がなかった。「情報」の授業で,MLを直接教えることは,本研究の結果と教員養成のシステムとカリキュラムから考えると難しく,同様にCLも重視しては教えられないことが明らかになった。しかしIL教授の過程で,MLを教える可能性について議論された。
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