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荒木 貴之, 齋藤 玲, 堀田 龍也
2017 年 23 巻 2 号 p.
1-14
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
非同期型eラーニングで協働学習に取り組む中学生と高校生を対象に,学習形態や学習経験,学習者の心理特性が調整学習に与える影響について検討した。調査で用いたeラーニング自己調整学習尺度は,先行研究と同様の因子構造が再現され,概ね信頼性が認められた。学習形態では,相互評価活動に取り組むことにより調整学習を促進する可能性が示された。その際,学習ログとパーソナリティとの間には有意な相関が認められた。学習経験では,初心者は調整学習とパーソナリティとの間に,経験者は調整学習と認知欲求との間に,それぞれ有意な相関が認められ,学習経験の違いによる調整学習の特徴が見出された。中学生と高校生とをペアにした共調整学習では,中学生の学習ログの総語数は,ペアを組んだ相手の高校生の心理特性や交流方略等との間に有意な相関が認められた。これらの結果は,今後中高生のeラーニング研究を進める上で一つの視座となると考えられる。
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瀬戸崎 典夫, 佐藤 和紀
2017 年 23 巻 2 号 p.
15-24
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
戦後70年以上が経過し,被爆体験証言者の高齢化にともなった継承者の減少は,喫緊の課題である。また,若い世代の関心を高めるような平和教育の方法について検討する必要がある。近年,教育現場への普及が推進されているタブレット端末を有効活用したアプリケーションを開発し,学習効果に関する実践的な知見を得ることは意義があると言えよう。そこで,本研究はタブレット型全天球パノラマVR教材を用いた自由な探索活動および,他者への学習内容の発信を取り入れた平和教育を実践し評価すること,さらにノートテイキングの有無を分析の要因として学習効果を検討し,本教材の有効活用についての知見を得ることを目的とした。授業実践による理解度テストの得点変移について分析した結果,知識獲得の観点において,本教材による自由探索的活動は,ノートテイキングと同等の効果が得られることが示された。また,主観評価の結果から,本教材の利用時にノートテイキングをすることで,学習内容に対する関心や意欲を喚起することが示された。
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澤野 弘明, 鈴木 裕利, 石井 成郎, 土屋 健, 小柳 惠一
2017 年 23 巻 2 号 p.
25-34
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
本論文では地域学習を促進させるアプリ「しのスタ」を提案する。しのスタは,児童が作成したカルタと関連した場所に足を運ばせるきっかけ作りを目的としている。これまでのカルタを使用した地域学習プロジェクトでは,児童が地域を調査し,カルタを制作し,遊びながら学習しているため,カルタの内容を充分に説明できる。一方で現実の場所 (対象) を目視したことがなく,カルタと実際の生活環境とがリンクしていない場合が生じている。このしのスタは授業の一環として児童がカルタにゆかりのある場所を訪れるスタンプラリーとして活用される。本論文では2014,2015年度の授業でしのスタを利用し,地域学習に対して効果があったことを示した。
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柴田 隆史, 原田 みや子
2017 年 23 巻 2 号 p.
35-45
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
本研究では,学校や非常災害時において多様に応用できる三角巾法に焦点をあて,その基本となる本結びを自己学習により習得するための方法を提案し,その有効性を検討した。三角巾法の自己学習は自分の大腿部を使って行うことが多い。そこで,実際の風景に映像を重ねることができる光学透過型HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を用いて,映像教材を学習者の膝付近に表示する方法を考案した。評価実験では,教職課程を履修する大学生を対象として,試作した教材による学習効果を従来の映像教材および教科書と比較した。その結果,提案するHMD教材は,三角巾の結びの形や両端の位置関係の理解において,ビデオ映像よりも分かりやすいと評価されたが,教科書との差異はみられなかった。しかし,一人称視点による分かりやすさに加えてアニメーション映像を用いていることで,提案するHMD教材は手技の手順に間違いがあった場合に気付きやすく,正しい手技の習得を自己学習できることが示唆された。
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校種の違いに着目して
寺嶋 浩介, 中川 一史, 村井 万寿夫
2017 年 23 巻 2 号 p.
47-56
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
フリー
本研究では,市内全学校に児童・生徒用1人1台のタブレット端末を導入した自治体を対象に,導入期におけるタブレット端末をはじめとするICTの活用実態や,タブレット端末に対する印象について,校種の異同を明らかにするため,A市(人口3万7000名程度)の小学校13校と中学校5校に勤務する教師(授業担当者195名)を対象とし,調査を行った。その結果,小学校教員のほうが,中学校教員よりもタブレット端末をより活用しようとしていること,小学校教員のほうが中学校教員よりも教師のICT活用について取り組んでいること,児童・生徒によるICT活用は,教師によるICT活用よりも相対的に進んでいないこと,タブレット端末の活用について,小学校教員よりも中学校教員のほうが利用に対して大きな負担を感じていること,などが明らかとなった。
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三井 一希
2017 年 23 巻 2 号 p.
57-67
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
初等中等教育におけるタブレットPCの導入が進んでいるが,タブレットPCの導入プロセス自体が研究対象になることはこれまで少なかった。本研究では,新規にタブレットPCを導入した学校の事例分析を通して,その導入プロセスを整理することを目的としている。これまで明らかにされてこなかったタブレットPCの導入プロセスを体系的に整理することによって,本研究が今後タブレットPCを導入する地域や学校の有益な情報源となることを目指した。
本研究では,導入プロセスを5つのフェーズに分類し,それぞれのフェーズにおける主な取組内容をまとめた。さらに,タブレットPC導入前の教員の意識調査及び学校管理職への半構造化インタビューを実施し,結果を整理した。
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稲垣 忠
2017 年 23 巻 2 号 p.
69-81
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
学習活動に明確なゴールを設定し,児童が探究的な学習に従事するプロジェクト学習は,アクティブ・ラーニングを促す指導法の1つであり,その学習過程にはタブレット端末の活用場面が含まれると考えられる。本研究では,端末を活用したプロジェクト学習の実践可能性と留意点を明らかにするため,教師が単元設計に用いたデザインシートの分析,教師対象の質問紙調査,11名の教師を対象にしたインタビュー調査を実施した。その結果,ペアやグループによる端末の活用場面が明らかになり,児童が端末を授業で活用する機会が増加した。教師は探究や協働学習の実施とそこでのICT活用に対する自信が高まり,意識の変容が確認された。単元設計の留意点は,ゴール設定,多様な協働場面の設定,操作スキルへの配慮が確認された。
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八木澤 史子, 堀田 龍也
2017 年 23 巻 2 号 p.
83-94
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
児童1人に1台の情報端末が整備された環境(以下,1人1台端末の環境)で授業を行っている教師のICT活用に対する意識を調査した。若手教師とベテラン教師を比較したところ,若手教師,ベテラン教師共にICT活用に関わる技能はあまり変わらない点,児童にタブレットPCを操作できる技能が必要だと思っている点が共通していた。他方,普段の授業におけるICT活用は,ICTの活用場面や活用内容はベテラン教師の方が多様な点,ICT活用の効果について,児童の反応から写真や映像による情報提示の効果を感じたのはベテラン教師のみだった点が異なっていた。これまでの教師用情報端末を活用した実践に関する先行研究を加味して考察すると,若手教師とベテラン教師共にICTを活用した授業において学習規律の指導を重視している点,児童にタブレットPCを操作できる技能が必要だと思っている点,ICT活用に関わる技能はあまり変わらない点が先行研究による知見と異なっていた。
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高田 良介, 後藤田 中, 藤本 憲市, 村井 礼, 林 敏浩, 上之薗 和宏, 三好 匠, 八重樫 理人
2017 年 23 巻 2 号 p.
95-106
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
我々は,講義コンテンツメタデータを用いた講義コンテンツ視聴システムを開発した。講義コンテンツ視聴システムは,講義コンテンツメタデータを用いて,選択した単元や学習内容を再生する単元・学習内容再生機能,また複数の単元や学習内容を連続再生するプレイリスト再生機能を有している。また我々は,実証実験と質問紙調査から講義コンテンツメタデータを用いた講義コンテンツ視聴システムの評価をおこない,講義コンテンツを視聴する場面において,講義コンテンツ視聴システムに一定の有効性があることを確認した。
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後藤 心平, 佐藤 和紀, 齋藤 玲, 堀田 龍也
2017 年 23 巻 2 号 p.
107-117
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
本研究は,高校生のメディア・リテラシーを育成するための,ラジオ番組制作を中心としたプログラムを開発,実践し,その学習効果を明らかにしたものである。プログラムでは,高校生に,番組制作に関わるメディア・リテラシーを必要とする活動を複数体験させた上で,取材リポートを制作させた。このプログラムに参加した高校生の感想の記述と出演番組での発話を質的に分析し,「メディア・リテラシーへの気づき」と「メディア・リテラシーの獲得」の状況を評価した。その結果,本研究で実践したプログラムは,「情報を整理して効果的に表現する」「活動全体,また他者の取材リポートを客観的に評価するための批判的思考」といったメディア・リテラシー育成に有効であることが示唆された。
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朝倉 徹
2017 年 23 巻 2 号 p.
119-120
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
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森田 裕介
2017 年 23 巻 2 号 p.
121-122
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
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小柳 和喜雄, 西川 和孝, 福本 徹, 堀田 博史, 二田 貴広
2017 年 23 巻 2 号 p.
123
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
フリー
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後藤 康志, 中川 一史, 荒木 貴之, 寺嶋 浩介
2017 年 23 巻 2 号 p.
124
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
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佐藤 慎一, 岸 磨貴子, 加藤 由香里, 森田 裕介, 山本 良太, 高林 友美
2017 年 23 巻 2 号 p.
125
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
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泰山 裕, 西端 律子, 土井 国春, 石井 芳生, 村上 徹, 稲垣 忠
2017 年 23 巻 2 号 p.
126
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス
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宇治橋 祐之, 村野井 均, 中橋 雄, 西 光一, 森田 塁, 佐藤 和紀, 中村 純子
2017 年 23 巻 2 号 p.
127
発行日: 2017年
公開日: 2017/05/29
ジャーナル
オープンアクセス