教育メディア研究
Online ISSN : 2424-2527
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27 巻 , 1 号
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  • 阿部 真由美, 向後 千春
    2020 年 27 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/17
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,英語の自主的な学習での学習方法に対する「好み」の構造と傾向,および「好み」が学習行動に及ぼす影響を明らかにすることを目的に,オンライン調査を行った。その結果,「好み」の因子として「拡散的好奇心」「特殊的好奇心」「達成感」「刺激」が確認された。また,学習方法をクラスタ分析により「音声・活字言語教材型」「映像メディア型」「活字メディア型」「人と交流型」に分類して「好み」の傾向を比較したところ,「拡散的好奇心」「特殊的好奇心」「有効性」はクラスタ間で大きな違いはなかった。一方,「達成感」「刺激」「低コスト」はクラスタによって異なる傾向が示された。さらに,「好み」が学習行動に及ぼす影響を調べたところ,「拡散的好奇心」が学習の期間や継続に影響を及ぼすこと,また,コスト感の低さが学習の頻度や継続に影響を及ぼすことが明らかになった。
  • 大久保 紀一朗, 和田 裕一, 窪 俊一, 堀田 龍也
    2020 年 27 巻 1 号 p. 13-29
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/17
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究ではマンガの読解指導について検討するための基礎的知見を得るために,小学校高学年を対象に,(1)マンガを含むメディアへの接触頻度,(2)マンガの読み方,(3)マンガへの意識・態度に関する調査を行った。その結果,マンガの読み頻度は1990年に行われた調査と比較して低いことが示された。一方で,児童を取り巻くメディア環境が大きく変化した今日においても,小学校高学年児童の多くはマンガに対して肯定的な意識をもっていることが示された。マンガに対する意識を測る尺度得点について因子分析を行った結果,マンガの有用感,マンガの分かりやすさ,マンガの悪影響,マンガへの低評価という4因子構造が得られた。それらの下位尺度得点と,読み方の関係を検討するために相関分析を行った。その結果,マンガに対して肯定的な意識をもっている児童は,マンガを深く理解する読み方をしていることが示唆された。そこで,マンガの読み方を目的変数,マンガに対する意識を構成する4つの因子の下位尺度得点を説明変数として重回帰分析を行ったところ,マンガに対する有用感がマンガの読み方に影響を与えていることが示唆された。
  • 池尻 良平, 山本 良太, 仲谷 佳恵, 伏木田 稚子, 大浦 弘樹, 安斎 勇樹, 相川 浩昭, 山内 祐平
    2020 年 27 巻 1 号 p. 31-44
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/17
    ジャーナル オープンアクセス
    近年の高校の歴史教育では,ある時代の因果関係を多面的に分析する歴史的思考力の育成が重視されている。しかし,歴史的思考力の程度が多様な中堅高校において,各生徒の思考力や関心に合わせて柔軟に歴史的思考力を育成できる授業モデルは確立されていない。そこで本研究では,中堅高校における生徒の多様な関心に対応できる動画を複数用意して事前に学習させ,その学習内容をグループで組み合わせることで,ある時代の因果関係を多面的に分析する歴史的思考力を育成するアラカルト型反転授業を開発した。授業実践を通した評価の結果,事前に比べて事後で歴史的思考力が有意に向上し,中程度の効果があることが示された。また,事前ではクラス内での歴史的思考力にばらつきがあったのに対し,事後では26名中25名が中レベル以上の歴史的思考力を身につけていることも示された。さらに,生徒の関心の多様性についても対応できた上で,該当時代の関心が事後で有意に向上し,小~中程度の効果があることが示された。
  • アリを用いた教育メディアの開発と評価
    吉澤 樹理, 今野 貴之
    2020 年 27 巻 1 号 p. 45-56
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/17
    ジャーナル オープンアクセス
    モンシロチョウやアゲハなどの生きた昆虫が手に入らない小学校では,標本やワークシート,デジタル教材など,さまざまな教材が使用されてきた。しかし,これらの教材を用いた学習は,児童が正しく「昆虫の体のつくり」を理解できないことが報告されている(柴ほか 2008,2009)。そこで,本研究では小学校3学年における「昆虫の体のつくり」の単元で使用できる教材の開発とその評価を行った。その結果,1)教科書や小学校の調査からアリを用いた授業が望ましいこと,2)開発したアリ図鑑は,児童の「昆虫の体のつくり」の学習理解を促していること,3)アリ図鑑は,「観察する」という抽象的経験だけではなく,「実際に使ってみる」「自ら体験する」などの直接的経験の両方を促し,繋げる教材であったことが明らかになった。 これらのことから,開発した教材は,児童の「昆虫の体のつくり」の学習理解を促し,指導する教員が授業で扱いやすい内容であることが示唆された。
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