選挙研究
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24 巻 , 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 知事類型と会派議席率に見る緩やかな二大政党化
    曽我 謙悟, 待鳥 聡史
    2008 年 24 巻 1 号 p. 5-15
    発行日: 2008年
    公開日: 2016/10/03
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    本稿は都道府県レヴェルにおける知事与党構成と議会議席率の変化に主に注目しながら,中央政府レヴェルでの政党再編と二大政党化が地方政治にどのような影響を及ぼしているのか,また無党派知事の出現や議会における地方政党・会派の勢力拡大はどのような現況にあるのかを明らかにする。1990年代末頃から中央では二大政党化の流れが強まるが,データで見る限りそのことと地方政治の連動はなお明確とまではいえず,変化は緩やかであることが分かる。知事与党構成を見ると,無党派知事の増加はほぼ頭打ちとなり,民主系知事も増えてはいない。議会議席率に関しては,引き続き民主系会派とそれに近い立場の地方会派が徐々に議席を伸ばしている。これらの変化を総合すると,地方政治にも二大政党化の萌芽が見られるが,それが確立されたとまでは言うことができない。
  • 辻 陽
    2008 年 24 巻 1 号 p. 16-31
    発行日: 2008年
    公開日: 2016/10/03
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    国会議員と地方議員はお互いの選挙での当選確率を高めるために「系列」といわれる協力関係を結んでいる。この「系列」が維持されているようであれば,1993年に始まった国政レヴェルにおける「政界再編」は地方政治にも影響を及ぼしたはずであるが,実際にはその影響は限定的であった。国政レヴェルでは多数の自民党議員が離党して新党を結成したが,「系列」に従って新党会派の結成を見た都道府県議会は少数だった。他方で,保守系会派から自民党会派に戻る議員も多数見られた。他方,「政界再編」が社民党の地方組織に及ぼした影響もまた,限定的だったといえる。社民党は国政レヴェルでひどく衰退し民主党も結成されたものの,2003年の時点でも相当の都道府県議会において社民党会派が存続していたのである。すなわち,自民党が約6割の議席率を誇る地方議会において,民主党が地方に基盤を築けていないことが確認された。以上を要するに,新党が地方において根付いていないことが明らかになった。
  • 平野 淳一
    2008 年 24 巻 1 号 p. 32-39
    発行日: 2008年
    公開日: 2016/10/03
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    本稿では,平成の大合併前後に行われた市長選挙の構図を描くことを試みる。従来までの合併を巡る研究は,合併の要因やメカニズムが主として扱われており,政治的効果という観点から分析したものは少ない。本稿では,市町村合併を行った市にみられる選挙の枠組み,当選者の属性,投票率等に注目し,その他合併を行わなかった市との比較でどのような違いが見られるのかを考察する。
  • 稲増 一憲, 池田 謙一, 小林 哲郎
    2008 年 24 巻 1 号 p. 40-47
    発行日: 2008年
    公開日: 2016/10/03
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    2007年参院選最大の争点は年金であったとされるが,有権者にとって,「年金が争点」とはどういうことを意味していたのだろうか。本稿では,国会答弁・新聞報道・一般有権者の自由回答という3種類のテキストデータを用いた計量的な分析を行うことで,2007年参院選における争点の構造を検討し,年金争点の持つ意味を明らかにすることを試みた。本研究で用いたテキストデータの分析は,研究者があらかじめ質問を用意するのでなく,人々が自発的に語った内容を分析することにより,研究者の先入観をなるべく排除して争点の構造化を行うことが可能になるという利点を持つ。分析の結果,年金が2007年参院選最大の争点であったことは間違いないものの,一般有権者における年金争点への態度とは,年金制度そのものへの態度というよりは政治や行政のあり方についての評価に近かったということが明らかになった。
  • 2007年参院選香川県選挙区を事例として
    堤 英敬, 森 道哉
    2008 年 24 巻 1 号 p. 48-68
    発行日: 2008年
    公開日: 2016/10/03
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    本稿は2007年参院選香川選挙区を事例として,集票システムの在り方と候補者・政党による有権者へのアピールに注目しながら,民主党候補者の選挙キャンペーンの分析を行った。香川選挙区は民主党の支持基盤が脆弱であり,候補者・政党が新たな支持者を獲得するための努力が必要とされるとともに,民主党本部が戦略的に重視した選挙区であった。こうした選挙区を分析対象とすることで,選挙キャンペーンにおける政党と候補者の位置づけを把握することが可能になるだろう。 本事例からは,民主党候補者の集票システムは政党という単位が実質的な意味を持つものの,候補者の自律性を前提とした緩やかな連合体となっていること,集票を機能させる媒介も候補者の特性に基づくものが中心であったことが観察された。本稿は,これまで十分な検討対象となってこなかった民主党候補者の選挙キャンペーン研究に新たな知見を加えるとともに,民主党組織を議論する上でも興味深い材料を提供するものと考える。
  • 選挙動員効果からみた亥年現象
    三船 毅
    2008 年 24 巻 1 号 p. 69-94
    発行日: 2008年
    公開日: 2016/10/03
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    亥年現象は,これまで保守系地方議員の選挙動員が低下することにより生起するとされてきた。この論理は,有権者に対する選挙動員の影響力が強いことを暗黙裏に前提条件としている。本稿では,そのような前提条件が大部分の政党で成り立たないことを検証し,亥年現象の生起する過程を新たな視点から捉え直す。またこれらの作業を通して,2007年に亥年現象がなぜ起こらなかったのかをシミュレーションから検証する。
  • 東川 浩二
    2008 年 24 巻 1 号 p. 95-104
    発行日: 2008年
    公開日: 2016/10/03
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    1986年のDavis v. Bandemer 判決において,合衆国最高裁は,政治的ゲリマンダの訴えに司法判断適合性を認め,政党単位でみた得票率と議席獲得率に大きな差が見られる場合,合衆国憲法の平等保護条項に反するという判決を下した。しかしながら,どれほどの差が見られた場合に憲法違反となるかについて,裁判所が,依拠し運用できる基準について多数意見は見られず,政治的ゲリマンダに違憲判断が行われたことは一度もないのが現状である。そこで,近年,州憲法の規定の活用や,区割り権限を州議会から独立した委員会に移譲するなど,最高裁による基準確定を待たずして,ゲリマンダを防止する取り組みが行われるようになった。これらは州の憲法を拠り所としている点で共通しており,2006年にも基準の確定に失敗した最高裁よりも,州憲法とそれを解釈する州の最高裁の役割に期待が寄せられている。
  • 2008 年 24 巻 1 号 p. 106-125
    発行日: 2008年
    公開日: 2016/10/03
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