選挙研究
Online ISSN : 1884-0353
Print ISSN : 0912-3512
ISSN-L : 0912-3512
25 巻 , 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 2007年〈亥年〉の参院選の分析
    今井 亮佑
    2009 年 25 巻 1 号 p. 5-23
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/03/08
    ジャーナル オープンアクセス
    「亥年」である2007年の参院選後に行われた意識調査の分析を通じて,「統一選で自分の選挙を戦い終えたばかりの地方政治家が,参院選時に選挙動員に精を出さないこと が,『亥年現象』を発生させる要因である」とする石川仮説の妥当性について,有権者レヴェルで実証的に再検討した。具体的には,地方政治家の中でも特に市町村レヴェルの政治家の動向に着目した分析を行い,(1)春の統一選時に道府県議選のみが実施された自治体の有権者に比べ,道府県議選に加えて市町村レヴェルの選挙も実施された自治体の有権者の方が,参院選時に政治家による選挙動員を受ける確率が有意に低かった,(2)後者の自治体の有権者の間では,参院選時に政治家による選挙動員を受けた人ほど棄権ではなく自民党候補への投票を選択する確率が有意に高かったという,石川仮説に整合的な結果を得た。
  • 議員提案条例に関する分析
    中谷 美穂
    2009 年 25 巻 1 号 p. 24-46
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/03/08
    ジャーナル オープンアクセス
    議会の機能に関する研究では,政策アウトプットにおける議会の影響を扱う研究が多く,議会のパフォーマンスを対象とし,かつ議会間の差を検討する研究が少ない。また議会の機能を説明する変数としては,議会の党派性や首長と議会の会派構成の違いなどが要因として用いられており,アクターの心理的変数,ならびにそれを集団的に捉えた政治文化的変数を用いる研究が少ない。 そこで本稿では,地方分権が進展する中,議会にも政策立案機能が求められていることを背景とし,都道府県間の議員提案による政策条例数をパフォーマンス指標として取り上げ,その規定要因として議会内の立法型役割意識の程度,首長―議会間での是々非々意識といった政治文化変数を用い,他の要因も含めて分析を行った。その結果,2つの政治文化変数が政策条例を促進する要因として有意であることがわかり,また鳥取県の事例研究からも同様の結果を得ることができた。
  • 神奈川県水源環境保全税を事例として
    久保 慶明
    2009 年 25 巻 1 号 p. 47-60
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/03/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,政策過程における対立軸と,知事-議会間関係に着目して,神奈川県水源環境保全税の導入決定過程を分析する。政策過程で生じた「都市部」対「水源地域」という対立軸は,課税方式の決定過程では導入を阻害したのに対し,議会審議では導入の実現をもたらした。この相違は,課税方式の決定過程の途中で交代した2人の知事(岡崎洋,松沢成文)が異なる課税方式を選択したことによる。統一政府であった岡崎県政では,知事は受益と負担の関係という理念的正当性を重視して法定外税方式を選択し,「都市部」対 「水源地域」の対立が生じて導入には至らなかった。しかし,中間政府であった松沢県政では,知事が課税の費用負担者との取引コストが低い県民税超過課税方式を選択した結果,「都市部」対「水源地域」という対立が存在する中で水源税の導入が実現した。
  • コンピュータによる自動コーディングの試み
    上神 貴佳, 佐藤 哲也
    2009 年 25 巻 1 号 p. 61-73
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/03/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,政党や政治家の政策的な立場を推定するために考案されてきた様々な方法論を概観し,その現状と発展の可能性について考察することである。政党や政治家の政策的な立場を推定する方法を大別すると,公約の内容分析とアンケー ト調査の二種類に分けることができる。アンケート調査とは異なり,内容分析には,政党や政治家の立場を明らかにすべき争点の選択が客観的であるという長所がある。しかし,この方法には分析コストの高さや結果の信頼性について改善の余地がある。そのための手段として,本研究はコンピュータによるコーディングの自動化を提案する。具体的には,政策の内容分析に必要であるコーディング作業について,「教師付き学習に基づく分類の自動化」を行う。実際に,2005年総選挙と2007年参院選における各党のマニフェストにこの方法を適用し,その有用性と可能性を示す。
  • 参加型ネットツールは投票参加を促進するのか
    金 相美
    2009 年 25 巻 1 号 p. 74-88
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/03/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文の目的は政治過程におけるインターネットの効果を日本と韓国で比較・検討することである。この研究は,日本と韓国の有権者を対象に行ったネット調査の結果を元に(日本n=930,韓国n=1013)投票参加における掲示板・ブログ・SNS 等の参加型ネットツールの利用の有効性及び政治的傾向の偏向性について分析を行った。日本における投票参加を最もよく予測できる変数は,年齢,収入,政治関心,新聞購読時間であり,参加型ネットツールの有効性は見当たらなかった。韓国の場合,年齢,政治関心,インターネット利用時間,参加型ネットツールの閲覧頻度が有効な変数として示された。一方,日韓いずれにおいても参加型ネットツールのポスト行動は選挙行動を規定する変数として認められなかった。日本の場合,保守的傾向の人が匿名掲示板の閲覧・ポスト頻度が高い傾向が見られる一方,韓国では逆に革新的傾向の人が掲示板・ブログ・SNS のすべてのツールのポストにおいて頻度が高い傾向が示された。
  • 双方向性の視点から
    稲葉 哲郎, 森 有人
    2009 年 25 巻 1 号 p. 89-99
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/03/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,衆議院議員のウェブサイトにおける双方向型コンテンツの設置状況とその内容に影響を及ぼす要因を検討することである。全衆議院議員のサイトから,双方向型コンテンツとして,Eメールアドレスの掲載,メールフォームの設置,コメントが可能な日記やブログ,トラックバックが可能な日記やブログ,CGMへのハイパーリンク,CMCの証拠,掲示板の設置など7項目について設置状況を調査した。そして,ロジスティック回帰分析により,これらのコンテンツの設置に影響を与える要因を検討したところ,性別,学歴,当選回数などが影響を与えていた。
  • 木村 泰知, 渋木 英潔, 高丸 圭一
    2009 年 25 巻 1 号 p. 100-118
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/03/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文では,ウェブ上に存在する政治情報を利用して,メディアで取り上げられる機会の少ない地方議会議員の政治情報を住民に提供する方法について述べる。住民は日常生活における不満や要望に政治的問題が含まれているとは捉えていない場合が多く,また,住民の関心の対象はそれ自体が多様である。そこで,我々は,ウェブ上の情報から住民の関心に合わせた地方議会議員の情報を提示するシステムの開発を目指している。本論文では、北海道の地方議会会議録の公開状況と自動収集方法について述べ,その会議録に含まれる政治問題を分類した結果を述べる。次いで,住民のブログに記述されている内容を政治問題の観点から分類し,地方議会会議録と住民のブログの内容を結びつけることが可能であることを示す。さらに,本システムを開発するために、今までに行ってきた研究成果について説明する。
  • テレビによる選挙運動を中心に
    芦田 淳
    2009 年 25 巻 1 号 p. 119-129
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/03/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は,イタリアにおける選挙運動規制が,戦後どのように発展し,現在どのような問題を抱えているかについて,実際の選挙戦も踏まえながら検討することである。具体的には,第一に,選挙運動自体が,とりわけ1990年代以降,二大政治陣営の一方のリーダーが主要民間放送局を支配するという「異常な」状況の下,選挙制度改革とマスメディアの発達により,どのように変化したかを確認する。第二に,こうした背景を踏まえ,テレビを使用した選挙運動に対する近年の規制(2000年法律第28号等)を中心に,戦後の選挙運動規制の発展に沿って,それぞれの特色と問題点を整理する。第三に,現行規制下で2006年と2008年に行われた総選挙における実際の選挙運動とその結果を比較検討する。最後に,これらを総合し,当該規制が選挙運動に与えた影響及び問題点を確認して,その有効性を検討する。
  • Masaru NISHIKAWA
    2009 年 25 巻 1 号 p. 130-140
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/03/08
    ジャーナル オープンアクセス
    From the 1970s, “party sorting”— the process by which a tighter fit is brought about between political ideology and party affiliation — has occurred within a narrow political class. This article offers a detailed examination of some aspects of the 2008 election which may contribute to the developing or testing of how the realignment related to changes in party structure that in turn triggered the party sorting. First, Chris Shays, the last House Republican in New England was voted out of office in the 2008 election. This extinction of moderate New England Republicans will possibly encourage further party sorting; the Republican Party will likely become a more conservatively cohesive party without its moderator. Second, McCain “sorted out” moderate constituents and tied the Republican Party to cultural conservatives. On the other hand, Obama was successful in enabling the Democratic Party to attract not only liberals, but also diverse groups and different ideologies who seek “change” or “hope.” As a result of these realignments and related changes in the structure of parties, we are now witnessing a deeper and insurmountable partisanship between Democrats and Republicans. Although President Obama is calling for bipartisanship, bipartisan cooperation will seldom, if ever, happen in the 111th Congress.
  • 2009 年 25 巻 1 号 p. 141-149
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/03/08
    ジャーナル オープンアクセス
feedback
Top