選挙研究
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25 巻 , 2 号
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  • 境家 史郎
    2010 年 25 巻 2 号 p. 5-17
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は,候補者レベルの選挙公約が決定されるメカニズムについて,現代日本政治の保守化の問題と関連させながら論じることである。1990年代後半以降,国旗国歌法制定,首相の靖国神社参拝,防衛「省」昇格,教育基本法,国民投票法制定など保守的傾向の強い政策実施が目立つが,こうした日本政治の保守化傾向を説明する要因のひとつとして選挙過程が機能しているというのが筆者の立場である。すなわち,近年の「小選挙区制+左翼政党候補の出馬+公明党の自民候補推薦」という選挙競争の文脈において,自民党,民主党候補が「選挙民の選好分布とは独立に」より保守的な公約を訴えるインセンティブを持つことを理論的に示し,実証するのが本稿の主題である。
  • 久保 慶一
    2010 年 25 巻 2 号 p. 18-31
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    スラブ・ユーラシア地域では,社会主義体制の崩壊後,中東欧とCIS地域の間に大きな断絶が生じている。中東欧では民主主義が定着したが,CIS諸国では権威主義的な傾向が強まり,定期的な選挙実施と権威主義的な政治運営が共存する選挙権威主義と呼ばれる体制が出現したのである。前者で選挙による政権交代が常態化したのに対し,後者では政権交代がほとんど起きていないが,2000年代に入り,選挙実施を契機として反体制運動が高揚し政権が崩壊する「選挙革命」がいくつかの国で発生し,権威主義的政権の崩壊において選挙が果たす役割が注目されている。本稿はこうした近年の政治情勢や研究動向をふまえ,選挙革命が何故起きたのかを分析し,それが「民主化」につながるものであったのかを検討することを通じて,この地域における選挙と政権交代の意義について考察する。
  • 「選挙連合」と中道右派政権の成立
    渡辺 博明
    2010 年 25 巻 2 号 p. 32-43
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/31
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    2006年のスウェーデン選挙は,3期12年ぶりの政権交代によって注目された。その際,中道右派4党の勝利を可能にしたのは,前例のない周到な選挙協力であった。本稿では,(1)それに先立つ社民党政権期に,連立政権ではなく文書化した政策合意に基づいて多数派を確保しようとする「契約主義的議会政治」が現れたこと,(2)それが右派の結集を促し「選挙連合の政治」を生んだこと,(3)2006年での右派の勝利が今度は左派3党を次期選挙に向けた事前協力に踏み切らせたこと,を見ていく。その上で,選挙を前に左右両陣営が政権構想を固めて有権者の支持を奪い合う現在の状況は,同国の伝統的な「ブロック政治」の枠組みを越え出るものであることを指摘し,政党自身の変化や有権者の投票行動の変化にも言及しながら,この10年余りの間に同国の政党政治と選挙をめぐって構造変動が起きていると結論づける。
  • 高 選圭
    2010 年 25 巻 2 号 p. 44-54
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/31
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    2002年以後,韓国の選挙でもネチズンの役割とICTが選挙結果にも大きな影響を与えたと評価されている。特に,2007年大統領選挙では,候補者のホームページ(HP), Blog,Mini HP,UGC等を活用するオンライン選挙運動が非常に活発に行われた。分析の結果,候補者のファンクラブは,候補者への支持活動がその目的であるのが分かる。候補者のファンクラブを選挙運動に活用することによって,2007年選挙で無所属もしくは弱小政党候補者は非常に効率よくオンライン選挙運動を展開してきた。これはインターネットは弱小候補に開かれているし,政治的な資源が少ない候補者でもオンラインを活用すれば,有利な選挙運動が可能であることを示している。候補者ファンクラブはオンライン空間への加入・参加によって参加にかかる費用も安く,心理的負担も少ないので参加し易い側面がある。また,候補者にとって政党と公式の選挙組織以外の選挙マシーン(electoral machine)として活用しているのが分かった。しかし,候補者ファンクラブ中心の選挙運動は,私人化された政治組織としての性格によって,政党機能の弱体化をもたらす可能性が高い。
  • 戦前期日本の場合
    季武 嘉也
    2010 年 25 巻 2 号 p. 55-66
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/31
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    多数代表制か少数代表制かという観点を中心に,現在でも選挙区に関する議論は多くの関心を集めているが,第二次世界大戦以前の日本でも選挙区制度は重大な関心事であり,実際に1890年から1925年までの僅か35年間で,小選挙区→大選挙区→小選挙区→中選挙区とめまぐるしく改正された。ただし,当時の選挙区制度を巡る議論は,どのような代議士が選出されるべきか,ということが最重要争点であった。そこで本稿は,戦前期すべての選挙区制度改正ごとに,制度採用の目的→実際の代議士選出結果→結果に対する評価 →新たな制度改正論の台頭,を概略的にトレースする。考察の結果,制度の改正は,(1)制度に託された国家・社会の理想像,(2)制定者側の権力欲,(3)制度が現実社会に適用されることによって起こる変質,の三者を軸とするダイナミズムの中で展開されていった点が判明した。
  • 日本遺族会の事例分析
    奥 健太郎
    2010 年 25 巻 2 号 p. 67-82
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/31
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    参議院全国区選挙は,利益団体が代表者を送り込むべく競争した場であったことは広く知られている。この全国区選挙ではいくつかの利益団体が脱落していくが,本稿で取り上げる日本遺族会は議席を確保し続けることができた。本稿では遺族会が勝ち残った理由,とりわけ戦没者遺族が年々減少する中で,なぜそれが可能だったのかを考察した。 遺族会が勝ち残ることができた最大の要因は,遺族会が公務扶助料受給者の期待を集め,それに応えたからである。特に1960年代以降,戦没者の妻が遺族会の集票のために熱心に活動した。妻には遺児を育てあげる責任があり,子育てが終わった後は物価上昇の中で高齢化し,生活に不安を抱えていたためである。第二は遺族会が,戦没者の兄弟や子も取り込んだことである。彼らに年金の受給権はなかったが,慰霊活動やそれにかかわる 「利益」が,遺族会と彼らを結び付けたのである。
  • 1969年から2005年における年齢・時代・世代の影響
    三船 毅, 中村 隆
    2010 年 25 巻 2 号 p. 83-106
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/31
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    衆議院選挙投票率が1996年以降に低水準で推移してきた一因を究明する。戦後日本の衆議院選挙投票率は1993年から急激に低下して1996年に最低投票率を記録した。その後の2000年,2003年の選挙でも投票率は低水準で推移しており,2005年の郵政選挙では有権者の関心も高く投票率は若干上昇したが,この間の投票率は1990年以前の水準とは大きく乖離している。投票率が1996年以降に低水準で推移した一因として,有権者のコウホート効果の存在が考えられ,コウホート効果の析出を行った。分析方法はコウホート分析における識別問題を克服したベイズ型コウホートモデルを用いた。使用したデータは,1969年から2005年までの総務省(自治省)による「衆議院選挙結果調」における年齢別投票率と,明るい選挙推進協会の「衆議院議員総選挙の世論調査」から集計した年齢別投票率である。分析結果から,およそ1961年以降の出生コウホートから投票率を低下させるコウホート効果の存在が確認された。
  • 投票参加の時系列分析
    飯田 健
    2010 年 25 巻 2 号 p. 107-118
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/31
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    これまでの投票参加に関する研究においては,問題の本質が投票率の「低下」という変化にあるにもかかわらず,結局のところ「誰が投票するのか」という極めて記述的な問いに対する答えが与えられてきた。それらは基本的に,クロスセクショナルなバリエーションから,時間的なバリエーションを説明しようとするものであり,「なぜ人は投票するようになる(しなくなる)のか」という変化について直接説明するものではなかった。本研究ではこうした現状を踏まえ,衆議院選挙,参議院選挙,そして統一地方選挙における投票率という三つの時系列から “recursive dyadic dominance method” を用いて「投票参加レベル」を表す年次データを構築し,それを従属変数とする時系列分析を行う。またその際,失業率,消費者物価指数,与野党伯仲度などを独立変数とする時変パラメータを組み込んだARFIMAモデルを用いることで,時代によって異なる変化の要因を検証する。
  • Ching-hsin Yu, Yu-cheng Chang
    2010 年 25 巻 2 号 p. 119-130
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/31
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    Upon the evaluation of an electoral reform, two often cited concerns are governability and proportionality. A new electoral system, whatever it is, should respond to the two concerns as best as possible. In Taiwan's changing from SNTV-MMD to MMM, however, reformers invariably accentuated the new system's attributes of enhancing stability of governance while ignoring the possible outcomes of disproportionality. Hence, as expected, the result of election in 2008 produces high governability and low proportionality. This article measures the degree of disproportionality by Loosemore-Hanby index from 1992 to 2008 and explains how disproportionality occurred.
  • 三船 毅
    2010 年 25 巻 2 号 p. 131-136
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/31
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  • 2010 年 25 巻 2 号 p. 137-159
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/31
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