選挙研究
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26 巻 , 2 号
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  • 山田 真裕
    2011 年 26 巻 2 号 p. 5-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/05
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は2009年総選挙による政権交代をもたらしたスゥィング・ヴォーターに分析の焦点を合わせる。本稿で分析の対象とするスゥィング・ヴォーターは2005年総選挙では自民党に投票したが,2009年総選挙では民主党に投票先を変更した有権者たちである。麻生内閣への失望と新しい政権への期待,特に民主党の政権担当能力に対する評価の改善がこのようなスゥィングをもたらしたことを,JES4データの分析により示した。このことは2009年総選挙におけるスゥィング・ヴォーティングが,麻生内閣に対する業績評価投票である以上に,民主党に対する期待を込めたプロスペクティヴな投票行動であることを意味する。
  • 谷口 尚子
    2011 年 26 巻 2 号 p. 15-28
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
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    本稿は,2009年衆院選後に起きた政権交代の長期的背景を自民党の衰退,短期的背景を民主党の成長と捉え,その過程と特徴を記述するものである。前者に関しては,Merrill, Grofman, & Brunell (2008) によって挙げられた政治再編の4つの特徴,すなわち①政党制の変化,②有権者の政党支持構造の変化,③政党支持構造の地理的変化,④政党間競争の質的変化を追った。①②③いずれにおいても,自民党の優位性と支持構造の揺らぎは明らかであり,概ね,1980年代に安定期,90年代に動揺期,2000年代に変動期が観察された。民主党の成長に関しては,自民党と政策位置の変化を比較し,また党内の政策的分散の大きさを示した。政策的分散を「多様性」と積極的に解釈すれば,これが多様な有権者の票を獲得することに繋がった可能性も示された。
  • 品田 裕
    2011 年 26 巻 2 号 p. 29-43
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
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    本稿は2009年総選挙における選挙公約を2000年代の総選挙と比較しつつ分析し,現代日本の政策空間とそこでの政党配置を明らかにする。その結果,以下の知見を得た。① 2009年総選挙では福祉と改革についての言及が最も多かった。②2009年の選挙公約からは,2003年・2005年と同様に「全体」-「個別」,「改革」-「反改革」の2軸が抽出される。③2009年の政党配置は,2005年よりは2003年に近い。④2009年の政策空間における各候補の位置は,従前のように政党配置のみで決まらず,都市度など選挙区属性に影響を受けている。⑤2000年代を通して行った分析により「全体」-「個別」,「改革」-「反改革」の2軸から構成される政策空間の中で,一度は小泉改革路線へ踏み出しながらそれを放棄し伝統的な位置に戻った自民党,安定的な民主党,先鋭化する共産党・社民党という構図が確認された。
  • 民主党の「パブリシティ」と宣伝
    逢坂 巌
    2011 年 26 巻 2 号 p. 44-59
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
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    2009年総選挙におけるテレビの選挙報道を振り返ると,報道時間は少なかったものの,マニフェストが多く採り上げられていたということがわかった。しかし,マニフェスト報道で採り上げられていた争点が,民主党が設定したものに近似していたこと,また,政策が「全体像」においても個別争点においても厳しく問われず,取材VTRに写る困窮する人々の姿(イメージ)が中心的に伝えられたことで,結果として,報道全体が民主党のパブリシティに化していた。民主党は,テレビの議論においても政権獲得後の「全体像」を正面から問いかけることはなく,CMでは人々の「不安」や「不満」に訴えるキャンペーンに回帰した。それは流動化する選挙市場への適合という面もあったが,選挙後の政策の「引渡」の段階での困難を準備するものだった。
  • 2009年衆院選における実証分析
    平野 浩
    2011 年 26 巻 2 号 p. 60-72
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は,2009年衆院選の前後に実施された2波の全国パネル調査データに基づき, この選挙時におけるメディアへの接触が有権者に対してどのような影響を及ぼしたのかを明らかにし,それを通じてメディアと選挙との今日的関係について考察することを目的とする。分析の結果,(1)政治的知識への効果に関しては,特定のテレビ番組や対人ネットワークが知識の3次元のすべてにプラスに働くのに対し,新聞やインターネットの効果は限定的である,(2)メディア接触は内閣への業績評価・期待,政党リーダーへの感情に対しては一定の影響を及ぼしているが,経済状況認識や争点態度に対する影響は僅かである,(3)投票方向に対するメディア接触の影響は,一部のテレビ番組視聴を除いてほとんど見られない,などの点が明らかとなった。これを受けて,メディアの影響力に関する有権者の実感と上記の知見との架橋について考察する。
  • 自民党農政の担い手たちに対する感情に注目して
    河村 和徳
    2011 年 26 巻 2 号 p. 73-83
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    2009年総選挙では,多くの稲作農家が民主党に投票した。本稿では,サーヴェイ・データを用い,彼らの政治意識と投票行動について分析を試みる。分析の結果,彼らの投票行動の背景には,自民党・農林水産省・農協という,これまでの自民党農政の担い手に対する負の評価と,戸別所得補償を掲げる民主党への期待があった。また減反政策の是非はもはや争点ですらなく,個別所得補償への期待の程度が自民党に投票するのか,それとも民主党に投票するのかを分かつ重要な要因であった。更に,2009年の時点で,零細兼業農家と大規模化を進めてきた専業農家の間で,民主党や自民党農政の担い手に対する感情の違いが生じており,また政治との関わり方についても意見の違いがみられた。政権交代の影響もあり,政党に対し中立の立場をとりたいという農家が多く存在し,これまでの「農家が一枚岩で自民党を支える」という見方が成り立たなくなっていることが,本稿で明らかとなった。
  • 政党・議員・選挙制度
    松本 俊太, 松尾 晃孝
    2011 年 26 巻 2 号 p. 84-103
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿はこれまで研究が手薄であった,国会議員個人の委員会での発言を分析する。 委員会の研究は,議事手続の一部としての観点や,与野党の対決の場としての観点からのものが中心であったが,本稿は,議員個人にとっての委員会という観点を追加し,委員会で発言することは議員の再選・党内での出世・専門性の発揮にとって有用であることを論じる。このことを実証するために,まず,Perlスクリプトにより衆議院の各常任委員会の会議録を解析し,議員の発言量を委員会ごとに測定し,議員発言のデータ・セットを作成した。次に,その発言量の決定要因についてTobit modelによる計量分析を行う。分析の結果,議員個人,政党政治,議員の専門性の活用という3つの側面が発言の量を決定する要因として重要であることを示す。併せて,1994年の小選挙区比例代表並立制の導入に伴っ て,議員の発言量のパターンが変化していることも示す。
  • 世論と政党の政策をめぐる2つの問いの検証
    大村 華子
    2011 年 26 巻 2 号 p. 104-119
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は,戦後日本政治において,政党の政策が世論の変化に連動してきたのか,そして世論に従って政策を変更する政党は選挙に強かったのかという,2つの密接に関連した問いを分析する。分析に際しては,各国の政党の政策公約を数量化した「マニフェスト国際比較プロジェクト(CMP)」のデータを用いることによって,日本の政党の政策位置を指標化し,世論の変動に関しては,内閣府による「国民生活に関する世論調査」のデータを使用して有権者の特定の政策分野に関する期待を操作化した。経済政策分野と外交政策分野の分析を通して,戦後日本の各政党は,(i)世論の動向に配慮して政策を決定してきたこと,(ii)世論に配慮することで政党の選挙パフォーマンスが向上することの2点が明らかになった。
  • 選挙干渉の有効性分析
    末木 孝典
    2011 年 26 巻 2 号 p. 120-130
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    第2回衆議院議員選挙において,第一次松方内閣は選挙干渉を行った。本稿は,選挙干渉の有効性を分析するため,①選挙の結果,政府支持派を拡大できたか,②選挙後の第三議会において,政府の方針に従う議員を増加できたかという2点について検討した。 その結果,まず,内務省の名簿により,選挙では幅広い勢力を取り込み,政府支持派を大幅に増加させたことがわかった。選挙後,政府は自由党や独立倶楽部などに対して多数派工作を行ったが,政府支持派と見ていた独立倶楽部が分裂するなど,成功したとはいえない。そして,第三議会における各議員の議案賛否をパターン分析した結果,基礎票で民党と吏党の差はほとんどなく,方針通りに投票した議員が民党側約90%,吏党側約75%と差 がついたことがわかった。以上のことから,選挙干渉は議会運営の円滑化には有効な結果をもたらさなかったといえる。
  • 和田 淳一郎
    2011 年 26 巻 2 号 p. 131-138
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    ナッシュ積(ナッシュ社会的厚生関数)をミクロ的基礎付けとして採用した一票の不平等指数Wを作成し,寄与度分解可能な性質を利用して,戦後行われた選挙制度改革において,選挙区制における一票の不平等が,各県への議席配分による部分が大きいのか,それとも選挙区割りによる部分が大きいのかを,国勢調査人口を基準に明らかにする。
  • 飯田 健, 上田 路子, 松林 哲也
    2011 年 26 巻 2 号 p. 139-153
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    昨今の日本政治において「世襲議員」は国会議員の最大で3分の1を占めるなど顕著な存在となっている。これまでマスコミ,評論家,政治学者などが世襲議員について再三論じてきたが,そもそも印象論的な議論も少なくなく,厳密な実証分析を行ったものは多くは存在しない。そこでわれわれは新たに構築した包括的なデータセットを用いて世襲議員の属性や政策に対する影響力を実証的に分析し,世襲議員をめぐる今後の議論に一つの材料を提供したい。本論文では,まず世襲議員の特徴を非世襲議員との比較において明らかにする。そして政策に対する影響力の一例として,世襲議員の補助金分配過程への影響を検証する。分析の結果,世襲議員は選挙における地盤や資源に恵まれており,選挙に強く,当選回数が多いということ,さらに世襲議員は自分が代表する地域により多くの補助金をもたらすということが示された。
  • 三船 毅
    2011 年 26 巻 2 号 p. 154-160
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
  • 2011 年 26 巻 2 号 p. 161-175
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/06/12
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