選挙研究
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28 巻 , 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 「法」と「政治」の接点で考える
    岡田 信弘
    2012 年 28 巻 2 号 p. 5-14
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は,憲法学の視角から,最高2011(平成23)年3月23日大法廷判決について検討を加えたものである。本判決は,現行衆議院議員選挙制度(「小選挙区比例代表並立制」) の下で,小選挙区区割基準規定の1人別枠方式に係る部分とそれに基づく区割規定について,違憲状態にあることを認めた初めての最高裁判決である。本稿では,憲法上の幾つかの問題点について,衆議院議員選挙に関する直近の2007(平成19)年6月13日大法廷判決と比較しながら検討を加えた。なお,その際,選挙区割りは,「法」と「政治」の接点に位置づけられる問題であるので,「民主主義と司法審査のバランス」が常に問われるこ とになるが,本稿では,その点を考慮に入れて考察を進めた。
  • 民意負託,国会審議,政策形成の歪み
    小林 良彰
    2012 年 28 巻 2 号 p. 15-25
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    定数不均衡が代議制民主主義の中でどのような歪み,すなわち機能不全をもたらしているのかを明らかにした。第一に,定数不均衡により,運輸・通信,農林水産,一般行政,地方自治などの予算増額が過剰代表され,社会福祉や生活保護,教育・労働などの予算増額及び後期高齢者医療制度や年金制度見直しの主張が過少代表されていた。第二に,定数不均衡により,当選後の国会における防衛や農林水産,国土環境などに関する言及が過剰代表される傾向をみてとることができた。第三に,定数不均衡が予算や歳出などの政策にもたらす歪みを分析した結果,特別交付税及び農林水産業費と普通建設事業費について,定数不均衡との間に関連がみられた。最後に,こうした定数不均衡の問題を解決するための提言を提示した。
  • 経済学の視点から
    和田 淳一郎
    2012 年 28 巻 2 号 p. 26-39
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    2012年夏に提案されている0増5減の定数再配分の提案は,人口のより少ない県(大阪府)に人口のより多い県(神奈川県)よりも多い定数を配分することを是認するなど,不公正なものである。不衡平な代表制はより多くの代議員を持つ人々の厚生をも悪化させる。こういった提案は不衡平なだけでなく,パレートの意味で非効率である。ナッシュ社会的厚生関数に基づく分離可能な指数によって選挙区割りにおける代表制の不公正さを検討した後,較差是正方式ではなく,ロールズ型,ナッシュ型,ベンサム型の社会的厚生関数を包括するアトキンソン社会的厚生関数から導かれた目的関数の最小化という形で,除数方式による定数配分を紹介する。その後人間の手による区割りの問題点を指摘した後,比例代表制と地理的な区割りの問題点に触れて論を閉じる。
  • Computational Extension of Outcome - Oriented Voting
    Etsuhiro NAKAMURA, Yusuke CHAMOTO, Tadahiko MURATA, Ryota NATORI
    2012 年 28 巻 2 号 p. 40-50
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    According to the Downsian Median Voter Theorem, voters can control two competing parties in order to achieve an optimal policy outcome. However, compared with real party politics, there are several restrictive conditions in the classical Downsian spatial model. In this paper, we investigate whether voters can control public policies when the outcomes are weighted sum of positions of two parties. In addition, voters are adaptively rational in the sense that they mainly determine their vote just by observing policy outcomes. Our experiments reveal that voters can control public policies if they can abstain and show the frustration toward both parties.
  • 根本 俊男
    2012 年 28 巻 2 号 p. 51-61
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    選挙制度を設計・評価する際に一票の格差が重要な指標の一つになっている。例えば,衆議院小選挙区制においては格差2倍未満を原則として設計がなされ,一方で2倍を超える格差の観察により問題有りとの評価を受けている。この一票の格差のリスク把握が選挙制度をめぐる議論を整理する鍵となっている。ここでは,2010年に一票の格差2.524倍が観察された衆議院小選挙区制に対するリスク実測を基に改正案への考察を加えたい。まず,2012年時点で現行制度での格差縮小の限界が2.098倍であると現状リスクを把握し,次に一議席事前配分廃止案での格差縮小の限界が1.898倍,0増5減案では1.931倍とリスクを実測する。これらから,現行制度では2倍未満への格差是正は不可能で,是正効果では一議席事前配分廃止案が理にかない,0増5減案に対して報道されている1.789倍との格差是正効果は誤認であることなどがわかる。
  • Yutaka ONISHI
    2012 年 28 巻 2 号 p. 62-77
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    This paper analyzes the relationship between substantive voting rights (SVRs) and electoral management bodies (EMBs). Since the Third Wave of democratization, electoral management has become a salient issueboth in developing and developed countries. We now witness many attempts, regardless of the level of development of a country, to improve electoral management. Two major directions are identifiable in this regard. The first approach involves making EMBs more independent from the executive branch. The secondapproach involves ensuring voting rights more substantively. These trends stem from a deep-rooted problem of worsening electoral performance evident in lower turnouts and eroding electoral credibility. This is an issue that, in extreme cases, can uproot the very foundation of democracy. However, despite widespread awareness of these problems, up to now there has been virtually no debate on the relations between SVRs and EMBs in political science. This paper utilizes the dataset in Massicotte et al.’s studyand provides a preliminary analysis of the relationship between EMBs and SVRs.
  • 大統領制化する政党,大統領制化しない政党
    川村 晃一
    2012 年 28 巻 2 号 p. 78-93
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    本論では,Samuels & Shugart (2010) が提起した「政党の大統領制化」がインドネシアでもみられるのか,そうでないとすればなぜなのかという点を議論する。インドネシアでは,すべての政党組織で「大統領制化」が起こっているわけではない。政党組織の大統領制化が進むかどうかは,①政党の組織化の程度と②大統領選挙での勝算の程度の2つに依存している。特定の政治家を大統領選に出馬させることを目的とする「個人政党」では,政党の指導者自身が組織全体を統括することができるため,政党組織が執政部門と立法部門に分離することはない。一方,中小規模の組織政党にとっては,大統領選は二次的な意味合いしかもたないため,組織の大統領制化は進まない。一方,地方レベルでは2005年から首長直接選挙が導入されたことで,政党の大統領制化が進む傾向が観察される。
  • 松林 哲也, 上田 路子
    2012 年 28 巻 2 号 p. 94-109
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は女性の市町村議会への参入を説明するために,市町村の人口規模の役割に注目する。市町村の人口規模が小さい場合,当選に必要な票数が少ないので候補者は個人として議席を争う傾向にある。候補者中心の選挙では,男性に比べ政治的意欲や資源が乏しいことが知られている女性の立候補や当選は難しくなるだろう。結果として女性候補者や議員の割合が低くなると予測できる。一方で,市町村の人口規模が大きい場合,当選に必要な票数が多くなるため,男女とも政党の候補者として議席を争う可能性が高まる。女性は政党の組織的支援や政党ラベルの効果を享受できるため,候補者としての不利な立場を解消することができ,結果として立候補や当選の可能性が高まると考えられる。これらの議論から,市町村の人口規模の拡大に伴う当選必要票数の増加は,女性候補者や議員の比率を上昇させるという仮説を立てる。仮説検証には1990年後半から2010年にかけての平成の大合併を挟んだ市町村の人口規模の変化を利用する。
  • 三船 毅
    2012 年 28 巻 2 号 p. 124-130
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
  • 2012 年 28 巻 2 号 p. 131-145
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
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