選挙研究
検索
OR
閲覧
検索
最新号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
  • 清水 唯一朗
    29 巻 (2013) 2 号 p. 5-19
    公開日: 2017/12/06
    ジャーナル オープンアクセス
    選挙制度はどのように作られ,どのような運用を経て現在に至るのか。選挙制度の伝播と受容を日本の事例から論じるべく,選挙区の設定,一票の格差,間接選挙と直接選挙,選挙権者と被選挙権者,投開票の方法,選挙運動の制限といった視点からこの過程をみていくと,制度起草時の理念が現在まで色濃く継承されていることに驚かされる。憲法がドイツ(プロイセン),議会制度がイギリスを範型としたのに対し,選挙制度は特定のモデルを持たずに広く各国の制度を検討して,日本の実情に応じて作られたものであった。たとえば制度設計者たちが,選挙の正当性を確立するために「選挙の自由」を広く確保する一方で選挙管理者たちの不正に厳しく目を光らせていたこと,政府部内の不協和音を実地で解消することに腐心していたこと,その結果として選挙区は地方の実情を強く反映したものとなったことは,その後今日に至るまで選挙を規定したひとつの「制度」の確立として特筆されるだろう。
    抄録全体を表示
  • 六辻 彰二
    29 巻 (2013) 2 号 p. 20-32
    公開日: 2017/12/06
    ジャーナル オープンアクセス
    アフリカ諸国の選挙制度は,旧宗主国からの影響と,環境に適応した内発的採択の狭間にある。現代のアフリカ49カ国における下院選挙制度を横断的に検証した結果,英語圏では小選挙区制を導入しながらも何らかのアレンジを加える事例が,フランス語圏では小選挙区二回投票制より,程度の差はあれ,比例原理を重視した制度を導入する事例が,それぞれ多く確認された。一方で,各国における下院選挙の結果を類型化した結果,安定的かつ民主的な政党制が定着した国が7カ国なのに対して,ヘゲモニー政党制が12カ国,選挙制度が機能していない国が9カ国,与野党交代が実現しながらも,選挙を経た与党の権威主義化と内部分裂によって二度目の与野党交代が実現するパターンの国が6カ国,それぞれ確認された。これらに鑑みれば,いまだ多くのアフリカ諸国では独自性ある選挙制度の構築と定着のプロセスにあるといえる。
    抄録全体を表示
  • 井上 治
    29 巻 (2013) 2 号 p. 33-47
    公開日: 2017/12/06
    ジャーナル オープンアクセス
    インドネシアで初の国政選挙すなわち国民代表議会(DPR)議員選挙が行われたのは独立宣言から10年後の1955年である。だが,比例代表制で行われた選挙の結果,最大政党でさえ議会で占める議席数は4分の1にも達せず,議会運営は安定しなかった。その結果,1957年にスカルノ初代大統領は,与野党の対立する西欧型民主主義を否定して,インドネシアの伝統と慣習に基づく「相互扶助」内閣すなわち実質的な総与党体制の構築に踏み切った。1965年の政変を経て30年余にわたり大統領の座に君臨したスハルト第2代大統領時代も「政治はNo,開発はYes」といった政党政治を忌避するスローガンが掲げられ続けた。1998年5月のスハルト退陣後インドネシアは民主化へ向けた改革を進めているが,現在でも政治的不安定への危惧から国軍将兵への選挙権の付与や共産主義政党の合法化には踏み切れていない。
    抄録全体を表示
  • 飯田 健
    29 巻 (2013) 2 号 p. 48-59
    公開日: 2017/12/06
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文は,有権者のリスク態度に焦点を当てることで,投票選択に関する従来からの問いに新たな答えを与えるものである。政権交代はしばしば急激な政策変化を伴い,その政策変化は経済や社会に良くも悪くも不安定性をもたらす。それゆえ,そうした不安定性を嫌うリスク回避的な有権者は選挙において,たとえ与党に不満を感じようとも野党を支持せず,再び与党に投票する傾向が見られるであろう。反対に,リスク受容的な有権者は政権交代を求めて喜んで野党に投票するかもしれない。本論文では,2012年12月の総選挙後に行われたJapanese Election Study V(JESV)のデータを用いて,この仮説を検証する。多項ロジットを用いた統計分析の結果,政党支持態度や経済評価の影響を考慮してもなお,2009年に民主党に投票したリスク受容的な有権者は2012年において自民党もしくは維新の会へと投票先を変える傾向にあったことが示された。
    抄録全体を表示
  • 松本 正生
    29 巻 (2013) 2 号 p. 60-73
    公開日: 2017/12/06
    ジャーナル オープンアクセス
    「小泉郵政解散」総選挙時(2005年)に筆者が措定した「そのつど支持」は,日本人の政治意識として広く一般化した観がある。09年の政権交代前後からは,とりわけ,中高年層の「そのつど支持」化が顕著である。投票態度との関連で言えば,「そのつど支持」と は「その時限り」の選択でもあり,投票行動は眼前の選挙限りで完結し,選挙そのものが短期的なイベントとして消費されがちになる。いわゆる無党派層や浮動票は,若年層の政治意識や投票行動を表象する概念として用いられてきた。しかしながら,これらはすでに,中高年層の特性へと転移したと言わざるを得ない。中高年層の「そのつど支持」化は,また,選挙ばなれと表裏の関係にある。2012年総選挙結果は,近年の地方選挙における選挙ばなれが,国政選挙にも波及しつつあることを示唆している。すなわち,12年総選挙での投票率の低落には,政治不信や政党不信と形容される一票のリアリティの消失に加えて,社会の無縁化に起因する地域社会の変容も介在していると思われる。この小論では,筆者が上記解釈のよりどころとしたデータをいくつか紹介する。なお,論述のスタイルは,仮説-検証型の演繹的手法ではなく,各種調査結果の単純比較を通じた経験的解釈に終始する。会員諸兄のご批判を仰ぎたい。
    抄録全体を表示
  • 善教 将大, 坂本 治也
    29 巻 (2013) 2 号 p. 74-89
    公開日: 2017/12/06
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は,日本維新の会への支持態度の特徴ならびにその背景にある有権者の論理を明らかにすることである。先行研究では,維新あるいは橋下への支持は,有権者の政治的・社会的疎外意識に基づく熱狂的なものであることが述べられてきた。これに対して本稿では有権者が抱く橋下イメージの違いという観点から,維新が支持される理由を説明する。実証分析の結果,明らかとなったのは次の3点である。第1に維新は多くの有権者に支持されているが,その支持強度は弱い。第2に政治的・社会的疎外意識等と維新支持に関連があるとはいえない。第3に橋下をリーダーシップの高い人物だと認識する人は維新を弱く支持し,保守的な人物だと認識する人は強く支持する傾向にある。つまり維新への支持が弱い理由は,彼のリーダーシップへの評価が弱い支持にしか結びつかないという点に求められる,というのが本稿の結論である。
    抄録全体を表示
  • 辻 由希
    29 巻 (2013) 2 号 p. 90-102
    公開日: 2017/12/06
    ジャーナル オープンアクセス
    日本における女性の過少代表性はつとに指摘されてきたが,近年,国会・地方議員に加えて首長にも女性が進出している。そこで本稿では,女性首長の増加の要因を明らかにするため,戦後全女性首長の経歴調査と現役女性市長の事例分析を行う。女性首長の経歴調査からは,女性を周辺化してきた労働市場構造を反映し,二つのキャリアパス(公務員・資格職と,地方議員)を経た女性たちが首長となっていることが明らかになった。とくに市町村では地方議員出身の女性首長が多い。また現役女性市長の事例からは,当選の背景に旧来の地方政治行政への批判があったこと,当選後はケアサービスの供給拡大と財政健全化という今日の地方政府が共通に直面する課題への対応がみられることが分かった。以上から本稿は日本における政治経済レジームの再編,すなわちケアの社会化と地方分権とが女性首長の登場を促していると主張する。
    抄録全体を表示
  • Taehee Kim
    29 巻 (2013) 2 号 p. 103-117
    公開日: 2017/12/06
    ジャーナル オープンアクセス
    What factors promote political efficacy? Although much of the relevant literature has attempted to answer this question, it does not reveal the general causal relationship between efficacy and other political factors. This study aims to clarify the general relationship by focusing on two level factors, the national and the individual. On the national level, I focus on three factors that form “channels” to link citizens and the political realms: electoral systems, decentralization, and corruption. On the individual level, I concentrate on socioeconomic status (SES), which is considered to have a basic causal relationship with efficacy. Using the survey data of 27 countries taken from the CSES data, this study demonstrates that 1) the effects of electoral systems are not robust, 2) decentralization has no easily observable effects on efficacy, and 3) corruption negatively impacts efficacy but also distorts its basic causal relationship with education (i.e., SES).
    抄録全体を表示
  • 福元 健太郎, 中川 馨
    29 巻 (2013) 2 号 p. 118-128
    公開日: 2017/12/06
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の課題は,現代日本政治において世襲議員が何故多いのかを考えるために,得票継承率(ある選挙である候補に投票した有権者のうち,次の選挙でその候補の後継候補にも投票する者の割合)に対する世襲の効果を推定することである。本稿はそのための統計分析の方法として,世襲新人候補と非世襲新人候補を比較することを提唱する。これにより,選挙研究におけるより大きな課題である政党投票と候補者投票の割合も,集計データから分かるようになる。小選挙区の自民党公認候補のデータを分析すると,①世襲新人候補は,前職候補と少なくとも同程度に,非世襲新人候補より有利である,②政党投票の大きさは世襲の効果と同程度だが,候補者投票の存在は確認できない,③世襲候補の特徴である若年や多選それ自体は選挙で有利に働くわけではない,ことが明らかとなった。
    抄録全体を表示
  • 茨木 瞬
    29 巻 (2013) 2 号 p. 129-142
    公開日: 2017/12/06
    ジャーナル オープンアクセス
    大選挙区単記非移譲式投票制(SNTV)における“候補者数”をめぐる研究に関しては,中選挙区時代の衆議院議員選挙のデータを用いて分析したReed (1990, 1997) と川人(2004)がある。しかし,中選挙区時代の衆院のデータでは,“泡沫”候補が多く存在し,“泡沫”候補を除外するための工夫が必要であるが,これまでの先行研究では,“泡沫”候補を除外する方法がやや恣意的であり,疑問が残る。そこで本論では,政令指定都市の道府県議会議員選挙のデータを活用することを提案し,先行研究における“泡沫”候補問題を回避して,SNTV におけるM+1法則の検証が行えることを示す。さらに,定数是正が国政選挙と比べて頻繁に行われている,という政令市県議選の利点を生かし,定数変更前後での候補者そのものの動きや,有効候補者数の変化等によりM+1法則の安定性を確認していく。
    抄録全体を表示
  • 29 巻 (2013) 2 号 p. 149-165
    公開日: 2017/12/06
    ジャーナル オープンアクセス
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top