選挙研究
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33 巻, 2 号
選挙研究
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 鳥取・島根両県における「合区選挙」実施を踏まえて
    塩沢 健一
    2017 年 33 巻 2 号 p. 5-20
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
    2016年夏の参議院議員通常選挙で史上初めて実施された「合区選挙」は,候補者の擁立過程や選挙運動のあり方などに多大な影響を及ぼすとともに,有権者の投票参加に与えたマイナス面も大きかったと言える。本稿では鳥取県・島根県選挙区に着目し,合区された両県に加え,同じ中国地方の一人区であるが合区対象とはならなかった岡山県と山口県のデータも加えて,市町村レベルの投票率データをもとに,合区導入が投票率の変動に及ぼした影響について分析を試みた。鳥取・島根両県における投票率の水準自体は依然として高いものの,前回参院選からの投票率の変動を従属変数として分析を行ったところ,やはり合区実施が投票率に与えたマイナスの影響は大きく,とりわけ鳥取県内ではそうした影響は顕著であったことが示された。
  • インターネットとマスメディアの比較
    白崎 護
    2017 年 33 巻 2 号 p. 21-40
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
    2016年参院選の公示日直前と投票日直後における2波の全国パネル世論調査を扱う。2度の調査では主な項目で同一の質問を試み,公示期間前後の回答の変化を捉える。公示期間に選挙情報を得る上で役立ったインターネットとマスメディアの各々につき,自民党寄りの党派性を認識するメディアに囲繞される場合と囲繞されない場合を比べると,公示期間前後で政治意識に生じる変化は異なるか否かを検証する。この因果推論を伴う調査・分析の方法は,傾向スコア法とDifference-in-Differencesである。その結果,自民党寄りの党派性を帯びたインターネット環境では首相の独走を危惧しつつ自民党の独自路線を望む感情が増すほか,争点より外れた原発問題を重視する意識が減じた。また自民党寄りの党派性を帯びたマスメディア環境では,報道上の制約により優位に立つ自民党への好感が増すほか,争点化した安保法制につき自身と意見の異なる他者への好悪が変化した。
  • 白人高卒有権者に見る「バックラッシュ」とトランプ支持
    小野 恵子
    2017 年 33 巻 2 号 p. 41-57
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
    米社会では長期的に見ると人種・民族の多様化が進み,性別や人種による格差が縮小する一方で,産業の空洞化によって低スキルの雇用は減り,学歴に基づく格差が拡大している。2016年の大統領選挙で共和党のトランプ候補は大量の移民が職を奪い,犯罪を増やすなどの主張を繰り返してきた。社会における白人の比較優位が失われる中,こうした社会の多様化と学歴格差の拡大の影響を強く受けている白人高卒有権者がトランプ氏の主張を好感したことが考えられる。本稿では州レベルの投票データと全米選挙調査などの調査データを使い,社会の変容を経済的,社会的な「脅威」と見る白人高卒有権者がトランプ候補に魅力を感じ,彼らの支持が同氏の当選に大きく貢献したことを示す。
  • 松林 哲也
    2017 年 33 巻 2 号 p. 58-72
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
    期日前投票制度の創設により投票率は変化したのだろうか。投票するタイミングや場所の選択肢が増えたことにより普段は投票に行かない人々が参加するようになったのであれば,投票率は向上したはずである。一方,この制度を利用しているのが普段から投票に行く人々であれば,投票率は大きく変化していないだろう。本稿は2005年から2014年にかけての衆院選における市区町村パネルデータを用い,市区町村内の期日前投票所数の増加により投票率が上昇したという暫定的エビデンスを提示する。この結果は,期日前投票制度が普段は投票に行かない人々の参加を促した可能性を示唆する。さらに,選挙の投票所数も投票率と密接に関連していることも示し,期日前投票所数と選挙日投票所数のどちらの変化が投票率により大きな影響を及ぼすかを議論する。
  • 戦略型フレーム報道への接触に注目して
    大森 翔子, 平野 浩
    2017 年 33 巻 2 号 p. 73-87
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,マスメディア報道の多様化を受けて,娯楽化したニュースが有権者の政治意識・投票行動に与える影響についての研究が進められている。本稿は,そうしたニューススタイルの中でも「戦略型フレーム」とされる報道への接触と,有権者の外的及び内的有効性感覚との関連について,受け手の政治知識レベルとの交互作用を含めて検討を加えるものである。JESⅢ2003年衆院選データを用いた分析の結果,戦略型フレーム報道への接触は,政治知識レベルの高い受け手については外的,内的いずれの有効性感覚ともネガティブな関連が見られることが示されたが,政治知識レベルの低い受け手においては外的有効性感覚との関連は殆ど無く,内的有効性感覚についてはむしろポジティブな関連があることが示された。この結果について,それを生じさせる心理学的メカニズム及びその民主政治に及ぼす影響が考察された。
  • 2017 年 33 巻 2 号 p. 89-118
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
  • 三船 毅
    2017 年 33 巻 2 号 p. 119-124
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
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