選挙研究
Online ISSN : 1884-0353
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16 巻
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  • 蒲島 郁夫, 今井 亮佑
    2001 年 16 巻 p. 5-17,180
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    「神の国」をはじめ一連の発言で首相としての資質を問われた森首相に対する評価は2000年総選挙での有権者の投票行動に影響していたのか。本稿の目的は,2000年総選挙を題材に,従来あまり注目されることのなかった党首評価と投票行動の関連を明らかにし,日本の投票行動研究に新たな理論的貢献を試みることにあった。分析の結果明らかになったことは,次の3点である。第1に,投票行動に党首評価は影響を与えており,しかもその影響は小選挙区よりも比例区に顕著に見られた。第2に,党首評価は小選挙区•比例区の2票の使い方,いわゆる分割投票にも影響を与えていた。そして第3に,森首相に対する評価には内閣業績評価,「神の国」「国体」など一連の発言に対する評価,自公保という連立の枠組に対する評価が影響を与えており,中でも発言に対する評価の影響が最も大きかった。
  • 成田 憲彦
    2001 年 16 巻 p. 18-27,180
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    わが国では1993年以来連立政権が一般化したが,連立の組み合わせは恣意的で,選挙が必ずしも組み合わせを規定していない。選挙を意識して,連立が解消されるケースも見られる。恣意的な組み合わせが成立する理由としては,大統領等が首相を任命したり,その候補者を議会に提案したりするヨーロッパ各国などと異なり,わが国では首相が国会によって自発的に選挙され,かつ国会が手続,アカウンタビリティー,正統化などよりも,多数派の意思の確認に重点を置いた仕組になっているために,政党の合従連衡だけで容易に政権が成立すること,政党の組み合わせに関係なく,官僚主導で政権運営が可能なこと,「与党のうまみ」があることなどが挙げられる。連立政権が政権の獲得から,立法の実現に重点を移したのは,立法に関する参議院の権限が強いわが国の二院制の影響による。一方衆議院の選挙制度である並立制は,穏健な多党制を促進し,連立政権をもたらしているが,政党間の協力の仕組を欠き,連立のための政党間の提携関係に対して破壊的に作用している面もある。今後連立政権が常態化するとすれば,連立にとって整合的な選挙制度とするための改革も求められよう。
  • 大山 礼子
    2001 年 16 巻 p. 28-38,181
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    これまで最も純粋なウェストミンスターモデルの政府をもつ国とみなされてきたニュージーランドは,1993年に新しい選挙制度の導入に踏み切った。ドイツ型の小選挙区比例代表併用制の採用は,ウェストミンスターモデルに訣別し,コンセンサスモデルの政治をめざすことを意味する。しかし,1996年の新選挙制度による総選挙後も,議会の審議にはほとんど変化のきざしはみられず,長年,小選挙区制の選挙制度とむすびついてきた与野党対決型の政治が継続しているといわれる。他方,日本では,ニュージーランドとは反対に,小選挙区比例代表並立制の採用によって衆議院議員の過半数が小選挙区から選出されるようになった。しかし,選挙制度の改革によってウェストミンスターモデルの政治が実現するのかどうかは,依然未知数である。
    本稿では,ウェストミンスターモデルを選挙制度や政党システムの面からとらえるだけではなく,議事手続,とりわけ議会内での内閣と与党との関係に着目した分析の必要性を述べる。
  • 品田 裕
    2001 年 16 巻 p. 39-54,181
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    本稿では地元に利益を導入する政策課題を政治家がどのように考え取り上げるのかという点について,対象と内容によりカテゴライズされた選挙公約を用い,実証的に検討した。その結果,地元利益指向の公約は保守系候補者に多く,内容的には運輸•建設•地域経済振興関連が主で通産•文教•農水が準じること,90年代の三回の総選挙では90年が最多で93年や96年には減少したこと,地元利益指向の公約は選挙に強く,特に93年以降は圧倒的だったことを明らかにした。また地元利益指向に多く言及する政治家の特徴を知るために,二つの仮説を得票率や当選回数との関係を通じて検討した。わが国の場合,基本的に選挙に強く政治力を有する候補が地元利益を多く訴える。しかし同時に若手議員など選挙に弱い政治家が地元利益に頼る傾向も否定できない。このことは,政治力を要する体系だった利益配分の構造が,改革が叫ばれた90年代においても存在する一方,分野や規模の「棲み分け」により脆弱な候補も地元利益をめぐる政治過程に参加できることを示唆している。
  • 増山 幹高
    2001 年 16 巻 p. 55-66,181
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    国会の制度的特徴として,全会一致的な議事運営を通じて与野党協調が促進され,立法過程は見かけ以上に粘着的であるとされる。ただし,そうした議事運営における全会一致は与野党の勢力的趨勢に左右されるという見解もある。この研究の焦点は国会運営における与野党協調に選挙によって条件づけられる与野党の議席比や立法過程における政党間の相互作用が及ぼす影響を検証することにある。具体的には,内閣提出法案に対する野党の賛否を与野党協調の指標とし,野党の法案態度を規定する要因を計量的に解明していく。審議時間に対する閣法賛否の不均一分散を考慮した場合,以下の結論を得る。(1) 野党の法案態度は政党のイデオロギーによって構造化されている。(2) 国会における審議は与野党協調を高めるわけではない。(3) 与野党の勢力的趨勢は国会運営に一義的な影響を及ぼすわけではない。
    こうした分析からは,従来の国会像とは異なり,議会制度の政策的•多数的論理を浮き彫りにすることが期待される。
  • 待鳥 聡史
    2001 年 16 巻 p. 67-77,182
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    本稿では,1971年の参議院における重宗雄三議長の四選出馬断念と河野謙三議長選出をめぐる政治過程が,参議院自民党内の閣僚ポスト配分ルールに対して与えた影響について論じる。重宗の議事運営の手法や人事の私物化には,参議院内部に広範な批判が存在した。河野への議長交替過程は,理想主義的な一部の自民党議員による専横的な議長への挑戦が,同じく参議院改革を目指した野党との提携によって成功したとされてきた。これに対して筆者は,議長交替に至る過程において,参議院三木派が重宗四選反対に回った点に注目する。三木派の行動は,重宗の人格や参議院の理念の問題というより,選挙での脆弱性を抱えた小派閥による閣僚ポスト配分ルール形成の試みとして理解されうる。初入閣時当選回数や派閥別閣僚ポスト配分の分析からは,重宗議長の退任後,参議院自民党における制度化は大きく進展したことが分かる。
  • 河村 和徳
    2001 年 16 巻 p. 78-88,182
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    1999年に実施された愛媛県松山市長選挙は,相乗り候補に対して政党の支援を受けない候補者が当選したという点で注目に値する選挙であった。この松山市長選挙を分析した結果,相乗りに批判的な態度をとる有権者が必ずしも新人候補者を支援していたわけではなく,また政治不信も有権者が新人を志向することとは直接的な関連性はなかったことが,明らかとなった。一方,県議選挙直後における現職知事の新人支持発言とそれに伴う自民党愛媛県連の推薦見送りは,現職志向の有権者の態度変容を促す結果となっていた。その傾向は,政治的関心が高く地方の政治に不満を有していた有権者に顕著にみられた。本稿の分析結果は,相乗り候補者に対して草の根候補者が対抗するためには不信と投票方向を結びつける媒介変数が必要なことを示唆している。
  • 安野 智子
    2001 年 16 巻 p. 89-100,182
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    世論変化を論じる際には,いかにして新しい意見が勢力を持つようになるのかを説明する必要がある。本稿では夫婦別姓の認可という社会規範に関する世論を取り上げ,世論の変化は態度の変化に先んじて新しい意見への「許容範囲」の変化として生じること,および争点態度の方向性と争点関心の高低によって,世論過程が異なるプロセスをたどることを検証した。その結果,(1)伝統的な規範である夫婦同姓を志向し,かつ争点関心の高い回答者は,争点関心の低い回答者や別姓希望者と異なり,マスメディアという外部情報から世間の意見分布を推測していること,また(2)同姓希望かつ争点関心の高い回答者でのみ,別姓認可に対する世間の意見分布認知が後の自分自身の争点態度に影響していることが確かめられた。
  • 堀内 勇作
    2001 年 16 巻 p. 101-113,183
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    本稿では,選択行動を分析する様々な統計モデルの中でも,近年注目を浴びるようになってきた,非序列化離散変数モデルに焦点をあて,同モデルの特徴と問題点を具体的に比較検討する。まず,非序列化離散変数モデルの基本型を説明したのち,多項ロジットモデル,条件付ロジットモデル,及び多項プロビットモデルの相違点を理論的に説明する。次に、明るい選挙推進協会が実施した世論調査データを利用し,モデルの違いを検証する。その結果,「無関係な選択肢からの独立性」という条件が成立しない場合,多項プロビットモデルの方が,他のモデルよりも信頼度の高い推定結果をもたらす可能性があることが示される。最後に,多項プロビットモデルの有用性と問題点について述べる。
  • 西平 重喜
    2001 年 16 巻 p. 114-124,183
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    比例代表制の各種の計算の公式や方法はよく知られているが,なぜそのような方法をとるのかということは,必ずしも十分理解されていない。また各国がその国の実状に応じて,いろいろな方法をとっているが,それらの意味も考慮が足りないようである。これらの問題を検討した上で,日本でどんな方法を採用すべきか,考えるべきであろう。
    筆者は以前ドント法の計算を,競り売りを例にして説明したが,それを補足し,他の方法についても,その意味を明らかにする。また普通,比例代表制の基数法と,割り算法は全く対立する方法のように扱われているが,実は同じ考え方にもとづくものであることを述べる。なおドント法とハーゲンバッハ•ビショフ法が同じ結果をもたらすことも,経験的には知られているが,その証明を見たことがないので,付け加えておく。
  • 茨木 正治
    2001 年 16 巻 p. 125-134,183
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    本論文は,新聞報道,特に写真によって構成された大阪府知事選挙が,どのような意味を全国の読者ならびに大阪の読者に影響を与えたかを明らかにする。政治報道がマス•メディアの現実構成力に大きく依存することは,政治参加を銘打つ選挙•投票行動においても同様である。また,画像情報は,文字情報と相俟って受け手の政治認知に多大な影響を与えるともいわれている。
    こうした問題意識•状況に鑑み,以下の点を検証することを目的とした。
    1.「構成された」選挙報道は,中央と地方でそれぞれ差異が生じている。
    2.今回の知事選挙においては,報道写真のなかに,「ジェンダー」としての性格を端的に描きだしている。
    選挙報道の内容分析の結果,節目の報道において「ジェンダー」的差異や中央•地方の報道の色彩の差異が明らかになった。
  • 陳 淑玲
    2001 年 16 巻 p. 135-146,183
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    本稿は宇都宮市長選挙に出馬した民主党推薦候補者石海行雄の事例を実地調査し,分析したものである。
    官僚出身の落下傘候補者の集票母体の構成や集票活動の管理は,民主党と労働組合に重点を置いていたが,新たな集票活動のユニークなパターンとして,シンポジウムを開催することおよび選挙公約の作成にあたっては,官僚のキャリアを生かしたことが注目される。
    そして当候補者の選挙活動を選挙キャンペーンモデルに適用すれば,「準政党中心モデル」の特徴が示される。このことは当候補者の集票活動の運営は,推薦政党の民主党が主導権を握っていたが,労働組合の支援のない民主党は実力のない看板政党に過ぎないものと考えられるからである。なぜならば,民主党(栃木県連)の再結成は主に労働組合出身議員の合流から成立ったものの,労働組合はかならずしも民主党を支持するものではないのである。こうして,労働組合からの支援を有することを前提とする民主党により運営される選挙活動は「準政党中心モデル」と称する。
  • 西平 重喜, 大谷 博愛
    2001 年 16 巻 p. 147-153
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 16 巻 p. 155-167
    発行日: 2001/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
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