選挙研究
Online ISSN : 1884-0353
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19 巻
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  • 鄭 求宗
    2004 年 19 巻 p. 5-16,171
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    この報告は,冷戦の終焉という国際秩序の変化が国内政治•社会の変化を引き出すという仮説を選挙を通じてどのように確認できるか,その経路を検証することに重点をおいている。2002年韓国の第16代大統領選挙は,地域主義や政党•政策対決に代わる「世代」という変数が選挙過程で深く影響を与え,世代間投票行動の差異が選挙を動かした。世代間対立の軸は,冷戦期間中のイデオロギー的対立のキーワードであった安保観と経済観の差異で形成され,保守と進歩に分かれて争った。世代間の対決では,有権者の48.3%を占める20,30代の若年層有権者が,戦後世代の盧武鉉候補支持態度を確執し,盧氏の勝利に大きく寄与した。この選挙の結果は,国内における冷戦構造の解体を反映するものであった。冷戦期間中の安保観と経済論理は,もはや韓国社会の主流でないことを2002年12月の韓国大統領選挙の結果が教えている。
  • 河崎 健
    2004 年 19 巻 p. 17-27,171
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    シュレーダー政権初の国政選挙となった2002年総選挙はドイツ連邦共和国史上まれにみる与野党伯仲という結果になり,シュレーダー首相は辛くも続投することになった。過去4年間の政権の業績,首相の人気,野党の停滞状況にもかかわらず,シュレーダー政権が辛勝だったのは何故なのだろうか。マスコミは選挙直前の経済状況の悪化を大きな要因として挙げている。確かに経済運営に対する社民党への世論の評価は高くない。だが果たしてそれだけで十分に説明できるのであろうか。
    本稿では,短期的な経済動向のみならず,中長期的な政党支持の推移を追うことでシュレーダー政権支持の変化を分析する。具体的には,今回までの連邦議会選挙で実施された出口調査における男女差,年齢,職業,旧東西ドイツ地域間の差を見た上で,ドイツの投票行動に見られる中長期的な変化の特徴を考察してみたい。
  • 池田 謙一
    2004 年 19 巻 p. 29-50,171
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    2001年参議院選挙における「小泉旋風」と自民党の勝利との関連性について,その基本的なメカニズムは計量的に十分検討されていない。本論文はこれを分析の対象とした。JES3(Japanese Election Study 3)の参議院全国調査の事前•事後パネルデータを用いた分析結果は,小泉の「便乗効果」が内閣業績期待と小泉への感情温度を通じて生じていることを示したが,従来の知見にあったメディアの媒介効果は見いだされなかった。また中長期的視点から見ると,長く続いた政治不信による自民党へのマイナス効果は軽減されていた。一方,自民党の政権担当能力評価は小泉効果によって上昇したが投票にまでは効果を及ぼさなかった。さらに投票者の周囲他者による小泉効果が分析され,それが同調行動というよりは,より能動的な支持行動であることが主張された。
  • 井戸 正伸
    2004 年 19 巻 p. 51-59,172
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    本稿は,福祉削減の時代-具体的には,1986∼95年-において,政権政党の党派性,経済システムの調整度,コーポラティズム,拒否権プレイヤーの数が,医療保険削減にどのようなインパクトを与えたかを検討する。OECD14ヵ国を対象とする交差比較分析からは,(1)政策過程における拒否権プレイヤーの数が多いほど,医療保険削減スピードは遅くなる,(2)コーポラティズム諸国では,医療保険が削減されるスピードが速い,(3)自由主義的市場経済(LME)より調整的市場経済(CME)で医療保険が削減されるスピードが速いことが明らかとされた。他方,政権政党の党派性は,医療保険削減スピードを左右しないことが確認された。特に,調整型市場経済では,医療保険の担い手である企業,労働組合は互いに対立するというより,一つの「利益共同体」を構成するため,医療保険削減は速いスピードで進んだと考えられる。
  • 渡辺 容一郎
    2004 年 19 巻 p. 61-71,172
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    本稿は,イギリス保守党史上初めて「草の根」党員による郵送投票で新党首を選出した,2001年の同党首選挙を考察の対象としている。具体的には,2大候補者(クラークとダンカンスミス)のスタンスやキャンペーンの特質と,一般党員の基本的性格などを整理した上で,保守党「草の根」の大多数(61%)がダンカンスミスを選択した要因,ならびにダンカンスミス選出の意義について明らかにするものである。2大候補者のスタンス,主張,キャンペーンスタイルは正反対といってもよく,党員たちからすれば比較的わかりやすい選挙となった。選挙の性質上データが極めて制約されているにせよ,ダンカンスミス選出の主な要因として,高齢化した多くの党員たちにその社会的スタンスや欧州観等が受け入れられたことが挙げられ,1997年以降‘English-based rump’となった党の現,状と課題(分裂の回避など)を直接反映した結果であることも確認された。
  • 東川 浩二
    2004 年 19 巻 p. 73-83,172
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    マイノリティを優遇する選挙区割りを巡る訴訟では,数は少ないが,連邦最高裁によって結果的に違憲と判示されなかったものが存在する。しかしながら,違憲判決における最高裁の饒舌さとは対照的に,合憲とされたものでは,区割りを行う州や,マイノリティ有権者への示唆となるようなことは語られていない。本稿は,結論においてマイノリティに有利な結果となった訴訟を検討し,最高裁が語らなかった合憲となるための基準をある程度明確にしようとするものである。その結論は,州が「主導権」を握って作成したと思われる区割りについては,マイノリティを優遇する区割りであっても,その形がいびつなものであっても,投票権法や合衆国憲法に反しない限り裁判所は区割りを合憲と認めるというものである。
  • 山田 真裕
    2004 年 19 巻 p. 85-99,173
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    本稿は日本における投票以外の形態の政治参加(投票外参加)を,JEDS2000データを用いて参加経験,資源,指向,動員,党派性の観点から説明しようとするものである。分析の結果,(1)いかなる参加形態においても動員の有無と参加受容度が参加を大きく規定している,(2)しかしながら個々の参加形態はそれぞれに独自の論理によって選択されている,(3)ただし,個々の参加形態間の関係は決して無秩序ではなく,ある種の参加行動を選択する人々は,別種の参加行動を選択したり,それに動員される対象となっている,(4)参加形態によっては党派性バイアスが存在する,(5)所属する団体や組織によって動員される参加の形態が異なる,といった点が確認された。この結果,本稿は複数の参加形態を単純に一まとめにして分析することに対して懐疑的な立場をとる。
  • 福元 健太郎
    2004 年 19 巻 p. 101-110,173
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    本稿は,1947年から1990年までの衆参両院議員を対象として,どのような前歴•属性を持った者が選挙を経て国会議員としてリクルートされるのかという側面と,いつ何故国会議員たることを止めるのかという論点について,国際比較を交えつつ検討する。その際,従来のように議員の前歴を1つに限るのではなく,複数の前歴を考慮することで相互の連関を検討する。その結果,公明党と共産党の引退年齢が若いこと,公明党は若年層•地方議会議員出身が多いこと,社会党において議員ポストが年を経るにつれて労組幹部の上がり職と化していったこと,共産党•民社党は社会党ほど官公労に人材を依存していないこと,地方政治家が国会議員になる上で県会議員を経ることが重みを年々増してきたこと,などが明らかになった。
  • 久富 博之
    2004 年 19 巻 p. 111-124,173
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    本論文は,初期帝国議会期の県会議員選挙を考察することによって当該期の選挙と地方利益の関係の一端を解明しようとするものである。この時期の選挙を扱った既存研究は存在するが,史料的に十分とはいえず,選挙に重要な役割を持つ地方利益を正面にすえた研究はほとんどない。
    そこで本稿では,候補者の日記•金銭帳という重要な史料を用いる。その上で,(1)候補者同士の関係,(2)選挙運動の実態,(3)候補者の得票基盤の3点に着目し,県議選を分析することで,それが党派の枠をこえて地方利益と密接に関係していたことを明らかにし,選挙資金の使われ方も分析する。
  • 塩沢 健一
    2004 年 19 巻 p. 125-137,174
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    住民投票とその後の選挙で投票結果にズレが生じる「民意のねじれ」とも呼ぶべき現象がしばしば起こるのは何故か。これまで一般的には,「政策か人か」という投票対象の違いなどによるものと考えられてきた。だが,こうした解釈は「民意のねじれ」の一部分を説明しているに過ぎない。そこで本稿では,両者の年代別投票率の違いに着目した。両者を比較すると,若い層ほど住民投票での投票率が高く,また「反対」傾向も強い。徳島市の住民投票では通常の選挙の傾向とはやや異なり,40代の投票率が最も高く,20代と70代以上が最も低かった。こうしたデータを基に,住民投票と選挙では各年齢層による投票参加の傾向が異なることもまた,「民意のねじれ」に一定の影響を与えている可能性が高いことを明らかにした。以上の分析結果から,最後に,住民投票で若年層の投票参加が高まる要因などについての仮説を提出する。
  • 三船 毅
    2004 年 19 巻 p. 139-144
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 2004 年 19 巻 p. 146-156
    発行日: 2004/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
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