前回の解説では近年,技術革新のキーテクノロジーとして世界的に注目されている量子ビームの応用研究の概要について紹介した。ガンマ線,電子線やイオンビームを用いた荷電粒子・RI利用研究は,量子ビームの利用の中でも最も長い歴史を持ち,学術研究分野はもとより,工業,農業,医療活動の幅広い分野において,様々な形で利用されている1)。本稿では,この荷電粒子・RIを用いたバイオ技術・医療応用・環境・エネルギー分野での研究開発を紹介する。
CFD(数値計算による流体解析)は非常に便利なツールであるが,適切な検証を行うことが重要である。PWR燃料バンドル内の複雑な流れに対して,模擬燃料棒(以下,ロッドと呼ぶ)に組み込んだレーザードップラー流速計を用いた精密な流速分布測定による検証試験と,CFD解析を組み合わせた評価手法を開発した。この手法により,スペーサグリッドの熱流体的性能の信頼性の高い定量的推定を可能とし,紙と計算機上のデータである多数の仮想的試作のうちの限られたケースだけを実験で確認しながら,高性能スペーサグリッドの開発に成功した。この開発手法は,実験では測定し得ない多くの熱流体パラメータの定量的把握をCFDにより行うことで,開発時の予測性を確保し,開発プロセスの時間的,費用的合理化をも可能とした。
研究成果は公表され,広く活用されてはじめて世界の知的共有財産になります。苦労して書き上げた論文が「掲載否」となることは,投稿者にとってはもちろんのこと,査読・編集者にとっても大きな損失です。しかし,編集委員会では毎月,かなりの数の「掲載否」論文が報告されています。本記事では,これまでの「掲載否」論文によく見られる論文作成上の問題点を抽出し,査読者の視点から完成度および信頼性の高い論文を執筆するためのポイントをまとめました。
原子力を選んだ理由は「たまたま」「JCO事故がきっかけ」「社会に貢献できるから」とさまざま。けれども将来を考えると,日本は原子力に頼るしかないという点では,一致する。学会誌では50周記念企画として,原子力を学ぶ学生に,原子力について自由に語ってもらう会合を開催。将来の抱負については「被ばく量低減のための仕事がしたい」「原子力がふつうの技術として受け入れられることが目標」と語られる一方,学会に対しては「会合はカジュアルで和やかなものにできないか」「もっとさまざまな人とのコミュニケーションができる場を提供してほしい」との要望が寄せられた。
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