日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
52 巻, 6 号
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巻頭言
時論
解説
  • 合理的根拠なき国内対策と戦略なき外交
    澤 昭裕
    2010 年 52 巻 6 号 p. 331-335
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/09/06
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     地球温暖化対策は,環境保護を目的とした政策を単独で実施すればよいというものではなく,エネルギー政策,経済政策などさまざまな重要政策と調整していくことが必要である。また,世界のわずか4%しか排出割合のない我が国としては,諸外国がどのような政策をどのようなスピードで実施していくのかを十分考慮しながら,国内政策として何をどの程度講じていくかを検討しなければ,経済活動や日常生活に対する過剰な負担をもたらすのみならず,世界の温室効果ガス削減につながらない政策を採用してしまうことになりかねない。

     よって,鳩山政権の地球温暖化対策の問題点を見ていくときには,国際的な動きと国内対策のバランスに焦点を当てていくことが重要である。

  • 1.宝の海へ大冒険
    工藤 君明
    2010 年 52 巻 6 号 p. 336-340
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/09/06
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     海洋の科学と科学技術について,いまどんな研究が行われているのか,原子力にかかわっている方々にわかりやすく紹介するという機会をいただいた。地球は水の惑星といわれるが,それは地球の表面の2/3が海水で覆われているばかりでなく,固体地球の内部にも水の循環があり,そして巨大な山脈もかつては海の底だったからである。研究の分野は広く,専門分野が異なれば,なかなか理解も難しい。しかし分野が異なっても共通するのは人の情熱と努力である。自然の不思議に魅せられて科学するのは人である。科学技術を研究開発するのも,機器を操作し,データを管理するのも,また必要な予算を獲得して業務を管理するのも人である。さらに成果を享受し,評価するのも人である。人は国により,時代により,状況によってさまざまに異なる。しかし人を抜きに科学技術を語ることも,理解することも,役に立てることもできはしない。海洋研究開発機構(JAMSTEC)が進めている海洋の科学と科学技術を,研究開発にたずさわる人たち(ここではアトムと呼ぶ)の目線で解説していくことにしたい。

講演「2010年春の年会」より
報告
  • 「原子力平和利用と核不拡散,核軍縮にかかわる国際フォーラム」の結果より
    久野 祐輔, 直井 洋介, 山村 司
    2010 年 52 巻 6 号 p. 346-351
    発行日: 2010年
    公開日: 2019/09/06
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     我が国は,これまで核不拡散に係る国際規範を確実に遵守しつつ,原子力の平和利用を推進してきた。また核軍縮の促進に対しても強力な後押しの役割を果たしてきた。しかし一方で,核拡散に対する懸念は世界的に高まっており,原子力の平和利用をも脅かす状況にある。今後,平和利用-核不拡散(軍縮)において日本が具体的に世界をリードし貢献していくことがますます重要になってきているが,そのためには多くのチャレンジを乗り越える必要がある。本報告では「原子力平和利用と核不拡散,核軍縮にかかわる国際フォーラム」(昨年12月開催)においてなされた議論について整理し紹介するとともに今後の課題・取組みについて考察する。

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