地球温暖化対策は,環境保護を目的とした政策を単独で実施すればよいというものではなく,エネルギー政策,経済政策などさまざまな重要政策と調整していくことが必要である。また,世界のわずか4%しか排出割合のない我が国としては,諸外国がどのような政策をどのようなスピードで実施していくのかを十分考慮しながら,国内政策として何をどの程度講じていくかを検討しなければ,経済活動や日常生活に対する過剰な負担をもたらすのみならず,世界の温室効果ガス削減につながらない政策を採用してしまうことになりかねない。
よって,鳩山政権の地球温暖化対策の問題点を見ていくときには,国際的な動きと国内対策のバランスに焦点を当てていくことが重要である。
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