日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
56 巻, 12 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
巻頭言
時論
解説シリーズ
解説
  • 気候工学(ジオエンジニアリング)研究の最新動向
    杉山 昌広
    2014 年 56 巻 12 号 p. 767-771
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/02/19
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     気候工学(ジオエンジニアリング)とは,人工的に気候システムに介入し気温を低下させたり,二酸化炭素を大気から回収したりして地球温暖化を抑制する手法である。国際的に地球温暖化対策の進展が芳しくない中,一部の科学者が焦りを感じ,研究の重要性を訴えている。しかしながら,実施のみならず研究についてもこの技術は多くの社会的問題を引き起こす可能性がある。そのため,自然科学・社会科学の両面から研究が活発に進められている。仮に実施されれば,その影響は世界中に広がるため,日本も傍観者でいることはできない。市民,ステークホルダー,専門家で議論を始めることが必要であろう。

  • 電力品質低下の影響と対策
    下村 公彦, 板羽 正浩
    2014 年 56 巻 12 号 p. 772-775
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/02/19
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     現代のわが国において,電気は,スイッチを押せば,ほぼ確実に使用できるものになっている。電力会社の作業などによって,予告のうえで行われるものを除けば,個人が年間で経験する停電は,平均して20分以下である。また,コンセントから供給される電圧も,100Vから大きく外れることはない。

     わが国では,雷をはじめ,台風や地震などの自然災害が,諸外国と比べて多い。そのような厳しい環境下で,わが国の電力系統は,質の高い電気を,安定的に送り出している。本稿では,「質の高い電気」,「安定的な電力供給」にはどのような課題があるのか,そして,その課題を解決するために,電力系統において,どのような取り組みがなされているのか,ということについて解説する。

  • 原子力ムラと御用学者のルーツ
    澤田 哲生
    2014 年 56 巻 12 号 p. 776-779
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/02/19
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     正力大臣車中談(案)という風変わりな標題の史料がある。昭和31年の原子力委員会で諮られている。正力は東京から選挙区富山に電車でお国入りする車中で,随行記者団にさまざまな真情を披瀝した。同年1月中旬のお国入りの際には,原子力委員会発足直後の声明書の内容に関して談じた。原子力委員の湯川は,新聞紙面に踊った正力の車中談に接し,困惑と憤りを露にした。そんな背景に湯川ら物理学者と正力ら政治家の思惑の違いが根強くあった。それが,結果的に原子力ムラと御用学者を生む発端になったのではないか。史料をもとに論考する。

  • 小野 章昌
    2014 年 56 巻 12 号 p. 780-785
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/02/19
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     エネルギー・ミックスの本格的な検討が求められている我が国にとって,将来を託せるエネルギー源の見通しを得ることは何にもまして重要と言えよう。再生可能エネルギーについては導入先進国であるEU諸国,とりわけドイツの実情を知ることが一番の近道である。

新刊紹介
解説
  • 欧米に学ぶ自由化の教訓
    山本 隆三
    2014 年 56 巻 12 号 p. 786-790
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/02/19
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     2014年6月に改正された電気事業法により,2016年をめどに電力供給が家庭用を含め全面自由化されることになった。電力自由化は発電源の多様化を図り,さらに消費者の選択肢を増やし,電気料金の引き下げも視野にした政策である。1973年の第1次オイルショックを契機に米国,欧州などで検討が始まり,その後,米国のいくつかの州,英国をはじめとした欧州諸国などで自由化が行われた。英国では既に自由化から20年以上経つが,その影響は発電設備の減少という形で現れはじめ,英国政府は原子力発電所を含め発電設備新設のための制度を始めることになったが,欧州委員会(EC)の委員から,英国の新制度は「社会主義」とも呼ばれることになった。電力自由化は,必ずしも競争環境を作り出し,電力料金の引き下げを実現したわけではない。

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