浜岡原子力発電所では,安全文化醸成活動を計画,実施,評価するための視点として,「コンプライアンス」「コミュニケーション」「技術力」「士気・やる気」の4要素を設定しており,この4つの要素について具体的な取り組みに展開しやすいように,目標とすべき安全文化の状態を明確にした「安全文化が醸成されている状態」を設定し,これに近づけるよう活動を行っている。また,ヒューマンエラー発生防止のための取り組みを行っており,これらの主な活動内容について紹介する。
航空機事故の主要因並びに間接要因を調べていくと,最近では約8割がヒューマンエラーだと言われている。e.TEAM ANAでは,従来のヒューマンエラー防止策に加え,コミュニケーションツールであるアサーションを活用したe.ASSERTIONを展開し,「仕事の質を高める」と共に「コミュニケーション豊かな組織風土・文化」を育て,結果として「リスクに強いプロ集団」に成ることを目指し,更なるヒューマンエラーの防止に取り組んでいる。
鉄道車両の保守には大勢の係員が関わっており,ヒューマンエラーによるトラブルの防止は現場管理上の重要な課題として様々な対策の工夫がなされてきている。本稿ではヒューマンファクターの観点からこれまでの取り組みを振り返り,ヒューマンエラー対策だけでなくヒューマンファクターを前向きに活用することや,全社的な安全管理,品質管理マネジメントの一環として現場の問題を考えることの必要性について述べる。
福島第一原子力発電所の溶融した炉心燃料は2020年頃から取り出す計画である。この取り出した燃料デブリの計量管理手法については,廃炉に関する研究開発プロジェクトの一つとして日本原子力研究開発機構と東京電力が中心となり検討を進めている。この現状について報告する。
東京電力(株)福島第一原子力発電所事故より3年が経過し,周辺地域において農業を再開させる際に,農業用ため池底に蓄積している放射性セシウムの濃度及び分布の調査が求められている。水底の堆積物中の放射性セシウム濃度の測定にはサンプリングが必要であったが,プラスチックシンチレーションファイバーを使用することにより,現場での直接測定を可能とした。本稿では,水底の放射線分布測定技術の概要と農業用ため池への適用について解説する。
シミュレーションの品質保証に関わる技術標準は,シミュレーションモデル構築における予測性能評価を主眼とした「モデルV&V」と解析プロセスの品質保証を目的とした「品質V&V」に分類できる。本報では,両者の根底にあるV&V概念とそれぞれの役割を示すと共に,代表的な技術標準の内容を解説する。さらに日本原子力学会で策定が進んでいるV&Vガイドラインのあらましを紹介する。
2014年9月に起きた御嶽山の噴火では戦後最悪の火山災害が発生した。また,九州電力㈱川内原子力発電所の再稼働に向けた安全審査では,火山噴火が原子力発電所の安全性に与える影響について審査が行われた。火山現象に対する原子力発電所の安全確保については,(社)日本電気協会において“原子力発電所火山影響評価指針(JEAG4625-2014)”が取りまとめられている。本稿では指針作成に携わった著者らが火山現象に対する原子力発電所の安全確保の基本的考え方,安全影響評価の方法やそれに基づく設計および運転上の考慮事項について解説する。
福島第一原子力発電所事故後の原子力リスクコミュニケーションの問題点や課題について考察し,従来の実践手法を批判的に捉え,政府や専門家が失った公衆からの信頼を再び回復するためには,どのような取組みが必要なのか,原子力界におけるこれからのリスクコミュニケーションのあり方をどのように再構築していくべきかを論じる。
福井地裁は2014年5月に,関西電力大飯原子力発電所の運転を差し止める判決を下した。原発をめぐる訴訟ではこれまで少数の例外を除き,司法は行政の判断を追認する判決を下してきた。しかし,この判決では原発の実体的な安全性に踏み込むとともに,原告側による因果関係の成立要因を緩和し,原発が将来もたらしうる不確実なリスクを運転差し止めの根拠とした。この判決が意味するものは何か。この判決は私たちに何を問いかけているのか。
原子力エネルギーマネジメントスクールにおいて,新規原子力導入国を含む海外15ヵ国からの19名の研修生および12名の日本人研修生参加のもと,原子力分野で働く若手の人的ネットワーク構築のための知見共有および意見交換を目的とした特別セッションを開催した。同セッションでは,活動経験共有のための発表とともに,人的ネットワーク構築を行うための方策として,Young Generation Network(YGN)活動を例に,必要性,課題,今後活動を広めていくためにできることについて全体討論を行った。
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら