日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
57 巻, 6 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
巻頭言
時論
連載・福島からの風
解説シリーズ
解説
  • 日本の高速炉開発の前進に向けて
    稲田 文夫, 笠原 直人, 北田 孝典, 山口 彰
    2015 年 57 巻 6 号 p. 394-398
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/02/19
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     文部科学省では2012年10月に「もんじゅ研究計画作業部会」を設置し,「もんじゅ」を使用した高速増殖炉/高速炉の研究開発の計画を策定した1)。計画の柱は,①プラントの技術成立性の確認を含む高速増殖炉技術開発の成果の取りまとめ,②重要な視点の一つとしてきた廃棄物の減容・有害度低減に関する研究の重点化,③東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえた原子力発電システムとしての高速増殖炉/高速炉の安全技術体系の構築,とされた。本稿では,最初に「もんじゅ」を使用した研究開発の意義の変化について確認した後,研究計画の概要を解説する。

  • ふるさと福島の再生に向けて
    小沢 晴司
    2015 年 57 巻 6 号 p. 399-402
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/02/19
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     平成23年,東京電力福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質で,福島県を中心とする地域に環境の汚染が生じた。同年8月に成立した放射性物質汚染対処特措法に基づき,国等は除染等事業を進めてきた。現在,福島県内で国が直接除染を行う11自治体のうち4自治体で面的な除染が終了し,除染による除去土壌等を保管する中間貯蔵施設整備に向けた調整も進められている。これまでの取り組みを概観し,併せて今後の課題等について報告する。

  • 高レベル廃棄物処理をめぐる中学生討論会
    小出 重幸
    2015 年 57 巻 6 号 p. 403-407
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/02/19
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     若い世代は,自分達が将来になわされる「高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)問題」を,どう受け止めているのだろうか――。高レベル放射性廃棄物の処理をめぐり,現在の処分計画の是非,将来の課題などを中学生,高校生らが話し合う「中学生サミットin浪江」が,2015年1月10~11日に開かれた。JAEA「瑞浪超深地層研究所」(岐阜県瑞浪市)の地下で進められている地質調査の現場を見学後,2日間,延べ4時間余のディスカッションを通して,「是か非か」二者択一の極論にとらわれない若い世代の柔軟な思考,率直な疑問提起,思索,そして自身への問いかけなど,活発な意見交換が繰り広げられた。今回で3回目になるこのプロジェクト,原子力界に最も欠けている「Public communication」の地道な試みのひとつとして,注目したい。

解説シリーズ
  • 第2回 地層処分概念の形成と分化(1980年代中頃~2000年頃)
    増田 純男, 佐久間 秀樹, 梅木 博之
    2015 年 57 巻 6 号 p. 408-413
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/02/19
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     1980年代中頃になると,現在の地層処分概念の骨格が固まり,各国に固有の条件を考慮した地層処分システムが相次いで発表された。日本においても, 候補となり得る地層を絞り込んで試験地を選定し,その地点において実証試験を行うというそれまでの進め方が大幅に見直されて,研究開発が進められることとなった。

     研究開発の方針として,まず,日本におけるジェネリックな地質環境特性を考慮に入れた地層処分システムを開発し,そのような処分システムの構築に適した地質環境の条件を明らかにすることにより処分地の要件を具体化し,それを根拠として処分地の選定を開始するという手順への転換が図られた。研究開発の成果は,1990年代には地層処分の技術的可能性について,次いで技術的信頼性について集約され,これらを技術的な拠り所として,2000年には地層処分の実施にかかわる制度が整備された。

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