日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
58 巻, 3 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
座談会
時論
解説
  • 木島 佑一, 山本 洋一
    2016 年 58 巻 3 号 p. 156-160
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/02/19
    解説誌・一般情報誌 フリー

     日本原子力研究開発機構(原子力機構)では,包括的核実験禁止条約(CTBT)国内運用体制の下で国際監視制度(IMS)施設のうち放射性核種の監視のための観測所及び公認実験施設を整備し,運用を行っている。また,IMS観測所から得られる放射性核種観測データの解析及び評価を行う国内データセンターも整備し,運用を行っている。本稿ではCTBTの概要と原子力機構の活動に関して解説するとともに,これまで国内の放射性核種観測所で得られた観測結果のうち,2013年2月の第3回北朝鮮核実験を含む特異な人工放射性核種観測事例を2つ紹介する。

  • 軽水炉の継続的な安全性向上に向けて
    日本原子力学会 熱流動部会 熱水力技術戦略マップワーキンググループ
    2016 年 58 巻 3 号 p. 161-166
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/02/19
    解説誌・一般情報誌 フリー

     原子力学会 熱流動部会は,福島第一原子力発電所(1F)事故の教訓を基に熱水力安全評価基盤技術高度化戦略マップ2015(改訂版)を他分野に先駆けてH27年3月に策定した。世界最高水準の安全性を実現しその継続的向上を図るため,深層防護を柱にシビアアクシデントや外的事象の対策を整理し,安全裕度向上策および人材育成に必要なニーズとシーズのマッチングを考慮した上で技術課題を選定し,1F廃炉など主要なマイルストーンに基づく時間軸上にロードマップを展開した。要旨を,事故時の炉心損傷防止など4件の個別技術課題の例を交えて解説する。

  • (その2)破砕物質の鉱物・化学分析と断層の活動性評価
    丹羽 正和, 石丸 恒存, 島田 耕史
    2016 年 58 巻 3 号 p. 167-171
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/02/19
    解説誌・一般情報誌 フリー

     原子力施設の耐震安全性評価において重要な議論となるのは,敷地内やその周辺に分布する断層が近い将来活動するかどうか,あるいは活動した場合,周辺の地盤にどの程度の影響を及ぼすか,という点である。2012年9月に発足した原子力規制委員会による原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合の場では,敷地内の破砕帯が「将来活動する可能性のある断層等」に当たるかどうかについて議論がなされていることは周知の通りである。破砕帯の活動性評価とはどういうものか。本稿では,日本原子力研究開発機構が断層の活動性評価手法の一つとして開発を進めている,破砕帯構成物質の鉱物・化学分析に関する現状について紹介する。

  • 第2回 普遍的,恒久的制度としての検討
    遠藤 典子
    2016 年 58 巻 3 号 p. 172-176
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/02/19
    解説誌・一般情報誌 フリー

     日本の原子力損害賠償制度を2つの視点から検討する。第1回では,東京電力福島第一原子力発電所事故の損害賠償に際して,原子力損害の賠償に関する法律(以下,原賠法)を補うべく,政府が原子力損害賠償・廃炉等支援機構法(以下,支援機構法)を制定した政策目的と政策形成過程について述べた。第2回となる本論では,小売全面自由化や発送電分離といった電力システム改革をはじめとするエネルギー政策との整合性に注目し,国内原子力発電所の過酷事故を想定した普遍的かつ恒久的制度として検討を行う。それはまさしく,支援機構法の附則6条にある,国と原子力事業者との負担のあり方についての再検討である。

  • -電力システム改革とエネルギーミックス達成のために-
    北島 尚史
    2016 年 58 巻 3 号 p. 177-181
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/02/19
    解説誌・一般情報誌 フリー

     東日本大震災を契機として,日本のエネルギー政策,とりわけ電気事業のあり方について抜本的な議論がなされている。特に大きなテーマは,「電力システム改革」と「エネルギーミックス」の2つであるが,電力系統技術の観点からは,これらの議論の行方は,日々の安定供給を担う電力系統の需給制御にも極めて大きな影響を与えるものである。本稿では,わが国の電力システム改革とエネルギーミックスのいずれをも達成するためには,電力系統に連系するすべての事業者が需給制御に関わることの必要性を認識すること,および関係者が技術開発や技術検討を進めていくことが望まれることを述べた。

特集
  • 秋の学会 廃炉検討委セッションから
    神徳 徹雄
    2016 年 58 巻 3 号 p. 182-183
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/02/19
    解説誌・一般情報誌 フリー

     リスク低減のための東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置においては,人が近づけない高放射線環境の中で調査し,作業することが求められており,ロボット技術を活用した遠隔作業しか解決手段がないのが現状である。現在,高放射線環境における廃炉作業を実現するために,ロボット技術を活用した多種多様な遠隔操作機器の研究開発が進められている。最新の廃炉ロボット技術開発として,作業員の被ばく線量低減を目指した原子炉建屋の屋内用遠隔除染装置と,アクセスが困難な原子炉格納容器の内部状況把握を目指した遠隔操縦型調査装置の開発状況を紹介するとともに,廃炉ロボット開発の難しさについて議論する。

報告
  • “IAEA事務局長報告書の所見と教訓”の概要
    成合 英樹
    2016 年 58 巻 3 号 p. 184-189
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/02/19
    解説誌・一般情報誌 フリー

     国際原子力機関(IAEA, International Atomic Energy Agency)は,東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故につき約3年間の調査を行い,2015年8月31日に事務局長報告書(The Fukushima Daiichi Accident ‒ The Report by the Director General)を公表した。これには福島第一原子力発電所事故と安全に関わる評価,緊急時の備えと対応,放射線の影響,事故後の復旧,及びこれらに関するIAEAとしての所見と教訓が記されている。

新刊紹介
報告
新刊紹介
談話室
理事会だより
feedback
Top