日本原子力学会では2011〜2012年度に特別専門委員会を設置し,第4世代ナトリウム冷却高速炉の安全設計クライテリア(SDC)について精力的に議論し,その成果は第4世代原子炉国際フォーラムのSDCレポートに反映されるとともに,国際機関と各国規制機関によるレビューの反映を経て,次世代SFRの安全設計に関する国際的なハーモナイゼーションが進みつつある。さらに2013〜2017年度に学会に設置された研究専門委員会では,基本性能要求であるSDCを具体化した安全設計ガイドライン(SDG)の構築を進めた。委員会では,国際社会に向けてSFRの安全設計の考え方とSDGの技術的根拠を提案することを目的に,SDGの構築に関連した安全関連技術開発の最新動向及び国内外の安全基準の最新動向を調査するとともに,SDGの具体的な内容を検討した。研究専門委員会では,その前半約2年間の活動成果として「安全アプローチ及び設計条件に関するSDG」(安全アプローチSDG)をまとめた。本稿では,研究専門委員会の後半約2年間の活動成果であり,SDC及び安全アプローチSDGを元に,炉心系,冷却材系,格納系における具体的な設計上の推奨事項及び設計事例をまとめた「系統別SDG」について概説するとともに,SDC及び安全アプローチSDGに関する国際レビューの概況,SDGに対応する各国の次世代SFR設計概念の検討状況について解説する。
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