日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
61 巻, 3 号
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特集 創立60周年を迎え,学会は何をなすべきかⅠ
巻頭言
これまでをふりかえり,今後を展望する
特集
  • 松井 三生
    2019 年 61 巻 3 号 p. 226-229
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/02
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     福島第一の事故以来8年が経過し,世界の約500基の原子力発電所も必要な処置をとり,順調に運用を続けている。わが国の原子力発電所でも多くの安全策を付加して,順次再稼働を進めている。世界の原子力発電の安全確保をはじめ,我が国での安全の確保はどのように進展しているのかを,様々な視点から見ることで,今後の取り組みの参考にしていただきたい。世界の原子力発電所の安全性・信頼性向上への活動状況をWANOから,わが国の現状を電力から,原子力発電所の再稼働に当たり社会からはその安全についてどのように受け止められているのかを社会科学の視点から,さらに,包括的に原子力発電所の安全確保について学術的な評価について学の見解を報告する。

  • 决得 恭弘
    2019 年 61 巻 3 号 p. 230-232
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/02
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     我々原子力事業者は,原子力の安全確保の取組みに当たり,二度と福島第一原子力発電所事故と同様の事故を発生させないという強い決意のもと,事故直後の緊急安全対策に始まり,これまで様々な安全性向上対策を講じてきた。

     この過程では,福島第一原子力発電所事故を徹底的に分析して得られた知見を踏まえ,様々なハード対策を実施するとともに,地震,津波はもとより,竜巻,外部火災といった発生頻度の低い自然災害等の外的事象についても,そのリスクを低減させる方策に取り組んでいる。

     また,福島第一原子力発電所事故においては,災害への対処に必要な要員(重機による瓦礫等の撤去作業・機材による注水作業等)の確保,機材の整備が不十分であったため,迅速な対応に支障をきたしたことを踏まえ,ソフト対策についても取り組んでいる。

     このような取り組みについて,当社高浜発電所3号機ならびに4号機は原子炉設置変更許可等の許認可を取得し,再稼動を果たしている。

  • 社会からの問題提起
    寿楽 浩太
    2019 年 61 巻 3 号 p. 233-236
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/02
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     福島事故後の日本社会が原子力発電所の安全に関して抱く懸念の核心は長期かつ有意のオフサイト影響に尽きる。最新の世論調査の結果や近年相次いだ原子力発電所の運転を認めない司法判断の多くも,このことに深く関わる。これに対する原子力専門家コミュニティからの回答は,原子力防災と一貫した原子力安全の議論,それを踏まえた技術や制度の手当ての提案であるべきだ。しかし,残念ながら現状はそれにほど遠く,不作為が常態化している。これでは社会からの原子力利用への信認,すなわち“Social License”は得られず,電源としての原子力に未来はない。原子力関係者は骨太で建設的な提案を以て,社会からの問いかけに正面から答えねばならない。

解説
  • 深層学習によるき裂進展予測のためのサロゲートモデルの構築
    和田 義孝
    2019 年 61 巻 3 号 p. 237-240
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/02
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     ILSVRC 2012における深層学習(ディープラーニング)の有効性が画像認識において示されその可能性に多くの人々が期待する状況になって久しい。しかし,計算力学やCAEといった分野こそ,ディープラーニングとの親和性が高いと期待するもののその応用方法・利用方法については先行研究事例すら少ない状況である。著者らはいくつかの基本的な問題を通じディープラーニングのCAEやシミュレーション自体の置き換え(サロゲートモデルの構築)を念頭にその可能性を模索してきた。本稿では,サロゲートモデル構築へ向けた大まかなニューラルネットワーク構築の指針(対象とする問題とニューラルネットワークの関係に関する仮定)を紹介し,き裂進展サロゲートモデルの可能性について言及する。

会議報告
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理事会だより
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