シビアアクシデント研究ワーキンググループ(SAWG)では再処理事業者,メーカー,研究機関,大学等の専門家が集まって再処理施設のシビアアクシデントについて議論を行った。活動のフェーズ3では施設と事故条件の特徴を踏まえて現実的な条件のサンプル問題を設定し,リスクの評価方法の試行研究を行い,技術的課題の検討を通じて適用段階で生じうる実用上の課題を同定・検討し,得られた成果をできる限り体系的に整理した。本稿ではSAWG設立の次第と活動の目的について述べるとともに,リスク評価の目的および実施手順の概略の一部について述べる。
再処理施設において想定される重大事故の1つである臨界事故について事故シナリオおよび臨界事故のリスク(発生頻度×公衆の被ばく線量)評価手法を,シビアアクシデントワーキンググループ(SAWG)フェーズ3で検討した具体例に基づき紹介する。
シビアアクシデント研究ワーキンググループ(SAWG)では,再処理事業者,メーカー,研究機関,大学等の専門家が集まって再処理施設のシビアアクシデントについて議論を行った。SAWGのフェーズ3では,施設と事故条件の特徴を踏まえて現実的な条件のサンプル問題を設定し,得られた成果をできる限り体系的に整理した。蒸発乾固サブワーキンググループでは,再処理施設において想定される重大事故の1つである蒸発乾固について,事故シナリオ,影響評価の例および蒸発乾固のPIRT(Phenomena Identification Ranking Table/重要度ランキングテーブル)を整備した。本稿ではこれらを紹介する。
国際機関や日本を含む各国政府において多くの革新型炉開発に係るプログラムが実施中であり,とりわけ世界で数十かそれ以上の概念が提唱されている小型モジュール炉(SMR)については国際機関が共通評価指標“SMR Dashboard”を発行する等,活発な動きが見られる。しかしながら原子力以外の他産業との競争という「顧客目線」を欠いたままでは事業者に選択される技術とはなり得ず,社会実装の道のりは遠い。
原子力規制委員会が制定した健全な安全文化の育成と維持に係るガイドでは,検査で確認する際の視点および安全文化10特性43属性を示している。本稿では,組織の中心的な価値観として重要なリーダーシップの特性と属性に焦点を当てる。4つの分析対象要素(「職業文化」,「環境」,「文化と社会関係」および「組織文化」)と3つの分析レベル(「マクロ」,「メソ」および「ミクロ」)から構成される2次元の文化分析枠組みを用いてリーダーの振る舞いを検討する際の考え方を解説する。また,リーダーの振る舞いを評価し改善する方法についてリーダーシップの特性と属性との関係を踏まえて解説する。
放射性廃棄物に含まれる放射性同位体(RI)は,見方を変えれば長期間安定したエネルギー源と考えられる。主にアルファ線による熱エネルギーをスピントロニクス技術により電力変換する「スピン熱電発電」,そして主にガンマ線の光電変換を用いた「ガンマ線発電」のための素子開発を進めることで,RIのエネルギーを再資源化する事を目指している。
2022年2月,ロシアがウクライナに軍事侵攻し,ザポリージャ,チョルノービリ両原子力発電所を攻撃した。ザポリージャ原発については占拠を続けている。運転中の原発を武力攻撃し,占拠するのは前代未聞の出来事であり,従来の核セキュリティの概念を超越している。笹川平和財団安全保障研究グループは,国際原子力機関(IAEA),国連などの国際機関の在り方,国際法の役割と限界を指摘しながら,戦時下の原子力施設の保護,防護について2023年3月に政策提言を取りまとめ,総理官邸などに配布した。その後のザポリージャ原発周辺の状況や,戦時下における原子力施設の保護に関する議論の経過を踏まえながら,日本がどのような役割を果たすべきかについて考察する。
東京電力福島第一原子力発電所事故に起因する放射性セシウムは,どのような仕組みで保持されているのか?その機構解明に向けて,菌類の仲間で身近な生物である“地衣類”に着目して研究に取り組んでいる。これまでの成果から,前処理法の工夫,オートラジオグラフィや電子顕微鏡分析などを組み合わせることで,粒子状Csは組織表面や内部に捉われ,イオン状Csは組織下部の色素と結合することで,長期間放射性セシウムが保持されると推測された。
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