資源エネルギー庁は,高速炉実証炉の概念設計対象となる炉概念仕様と,その製造・建設を担う中核企業を2023年3月に募集し,同年7月に三菱重工業(株)が中核企業に選定された。三菱重工業(株)は1970年代から高速炉の開発に取り組み,2007年には当時の中核企業に選定され,高速炉のエンジニアリングを専業とする三菱FBRシステムズ(株)を設立,高速炉技術の蓄積・向上を図ってきた。また,「戦略ロードマップ」に則り,MOX燃料によるナトリウム冷却タンク型炉開発を念頭に,NEXIP事業*,日仏協力などの国際協力も活用しつつ,自国の技術として高速炉開発に貢献してきた。2040年代半ばの実証炉運転開始に向けた中核企業の取り組みについて紹介する。
*政府のNEXIP(Nuclear Energy × Innovation Promotion)事業
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