日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
最新号
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巻頭言
Perspective
視点 これからの原子力に求められるもの
特集
  • 原子力安全(Safety)の概念とその実装
    山本 章夫
    2025 年 67 巻 4 号 p. 218-221
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     Safety, Security, Safeguards(3S)の一つである原子力安全(Safety)の概念について,(1)原子力安全の目的,(2)安全目標,(3)深層防護,(4)安全設計・安全評価,(5)「欠け」と想定外事象対応を解説する。また,Safety, Security, Safeguardsはお互いに関連するため,Safetyの観点から相補的あるいは相反的な点について留意事項を説明する。本稿は2024年日本原子力学会秋の大会における核不拡散・保障措置・核セキュリティ連絡会と学生連絡会との合同企画セッションの内容がベースになっており,この分野にあまりなじみのない「将来世代」の読者を想定している。

  • 保障措置(核不拡散)(Safeguards)の概念とその実装
    堀 雅人
    2025 年 67 巻 4 号 p. 222-224
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     原子力利用を進めるにあたり,安全(safety)で,核・放射線テロが起こらないこと(security),平和利用に限られていること(safeguards)を確実にすることが求められている。ここでは,Safety, Security, Safeguards(3S)の一つである保障措置(Safeguards)の概念について,(1)保障措置の背景,(2)保障措置の目標,(3)保障措置の実施と結論,保障措置を取り巻く最近の動向として,(4) 保障措置対象の増加と国レベルの保障措置アプローチ,(5)日本の保障措置,(6)保障措置の課題を解説する。Safety, Security, Safeguardsはお互いに関連するが,個別に対応がとられてきた。将来のSMRや先進炉およびその燃料サイクルにおいては,3Sの要件や仕様を共有し,それらを設計段階から反映(3S by design)していくことで,より効果的および効率的に,3Sを確保していくことが可能となるものと考える。

  • 核セキュリティ(Security)の概念とその実装
    相楽 洋
    2025 年 67 巻 4 号 p. 225-228
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     Safety, Security, Safeguards(3S)の一つである核セキュリティ(Security)の概念について,(1)核セキュリティの基本的な考え方,(2)深層防護,(3)3Sとの関係性,特に,有事の際の影響,起因事象や脅威,設計者,規制者の違いに分けて解説する。固有安全性を強化した次世代炉・革新炉や小型炉等において,概念設計段階から3Sを考慮する3S by Designにより,事業者,規制者双方にとって多くの3S相乗効果が期待できることを説明する。本稿は2024年日本原子力学会秋の大会における核不拡散・保障措置・核セキュリティ連絡会と学生連絡会との合同企画セッションの内容がベースになっており,この分野にあまりなじみのない「将来世代」の読者を想定している。

  • 将来世代のための原子力の平和利用の3Sに関する全体討議報告
    山下 芳輝, 塚田 東城
    2025 年 67 巻 4 号 p. 229-232
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     Safety, Security, Safeguards(3S)は,原子力の平和利用を実現するために必要不可欠な考え方である。将来世代も見据えた原子力の平和利用を確立するためには,3Sに関する将来世代の意識醸成や理解増進が必要となる。そこで,3Sに関する企画セッションを提案し,3Sに関する講演と全体討議を行った。

     本稿は2024年日本原子力学会秋の大会における核不拡散・保障措置・核セキュリティ連絡会と学生連絡会との合同企画セッションについて,企画を提案するに至った背景や企画提案者の意識,企画セッションにて行われた全体討議の討議内容を整理したものである。

報告
  • 室谷 展寛
    2025 年 67 巻 4 号 p. 233-237
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     各国の文化的特性は,国・地域の地政学的要因や歴史の影響のもとで育まれ,その慣性は大きく容易には変わらない。判で押したような画一的な特性は存在せず,(国内)地域,業界,組織間あるいは個人間においても差異はあるが,特定コミュニティ内には一定の共通性は認められ,コミュニティの諸活動に大なり小なり影響を与えている。NEAの「国特有の安全文化フォーラム」は,原子力界に共通して意識される文化的特性を可視化し,文化的特性が個々人や組織の原子力安全活動,組織間の関係やコミュニケーションに与える影響の具体的内容に関して,関係者とNEAが共に考察するものである。その上で,関係者が文化的特性の持つ強みを活かし,同時に潜在的なリスクに配意し備えるための一助となるよう「国特有の安全文化フォーラム:日本」は企画・実施された。本稿は,同事業の背景や概要に加え,筆者個人の見解を書き加えていることから必ずしもNEAの公的見解を述べたものではない。

  • 鎌田 創, 平尾 好弘, 須山 賢也, 岩本 修
    2025 年 67 巻 4 号 p. 238-242
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     2024年3月に開催された日本原子力学会春の年会2024において,「遮蔽解析手法のV&V検討」研究専門委員会と放射線工学部会が「遮蔽解析のV&Vガイドライン策定に向けて」という合同セッションを開催した。会場では,3年間の委員会活動の概要報告が行われ,その後,V&Vを進めるための提言としてデータ開発,コード開発・許認可,国産データ・コード普及と維持の観点からそれぞれ講演があった。最後に,総合討論を通じて放射線遮蔽解析手法のV&V手順策定を進めるための情報交換が行われた。

FOCUS
  • ダイバーシティ&インクルージョン推進に向けたアクションプラン〜2年目の活動と成果〜
    奥村 和恵
    2025 年 67 巻 4 号 p. 243-245
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/04/10
    解説誌・一般情報誌 認証あり

     ダイバーシティ推進委員会は,2003年に男女共同参画ワーキンググループとして発足し,2007年に男女共同参画委員会として常置委員会に昇格,2017年に現在の名称に変更された。委員は6つのサブグループに分かれ,ダイバーシティに関するさまざまな活動を精力的に行っている。本連載シリーズでは,「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進」のための情報発信の一環として,当委員会の活動内容と成果を紹介し,課題や将来の方向性について述べる。本稿では2023年1月に理事会において承認された「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進に向けたアクションプラン」に対する活動の2年目として,2024年度に実施した活動の内容と成果の一部を報告する。

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