原子力利用を進めるにあたり,安全(safety)で,核・放射線テロが起こらないこと(security),平和利用に限られていること(safeguards)を確実にすることが求められている。ここでは,Safety, Security, Safeguards(3S)の一つである保障措置(Safeguards)の概念について,(1)保障措置の背景,(2)保障措置の目標,(3)保障措置の実施と結論,保障措置を取り巻く最近の動向として,(4) 保障措置対象の増加と国レベルの保障措置アプローチ,(5)日本の保障措置,(6)保障措置の課題を解説する。Safety, Security, Safeguardsはお互いに関連するが,個別に対応がとられてきた。将来のSMRや先進炉およびその燃料サイクルにおいては,3Sの要件や仕様を共有し,それらを設計段階から反映(3S by design)していくことで,より効果的および効率的に,3Sを確保していくことが可能となるものと考える。
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