幌延深地層研究センターでは,2023年2月より開始した幌延国際共同プロジェクトのタスクAとして,深度250 m調査坑道において物質移行試験を実施している。物質移行試験では,対象とする領域の物質移行モデルの構築とそのモデルの検証を目的としており,原位置試験,室内試験,数値解析を実施している。本報告では,2025年3月までのフェーズ1を通して実施した試験内容やこれら試験を通して得られた結果について解説する。
近年,宇宙関連企業による加速器ビーム利用が急増している。過酷な宇宙放射線環境に耐えうる半導体デバイスの選別・開発には,宇宙環境を模擬した加速器試験が必須だからだ。殊に重イオンビーム試験の場合,半導体中のエネルギー損失量(LET値)が大きい為,ビーム1発でエラーが発生するSingle Event効果が問題視されている。理研では,原子核実験には馴染みが無い企業でも容易に試験が出来る環境を整え,加速器技術の宇宙産業利用を推進している。その背景や,照射試験環境整備,宇宙用半導体試験の最近の動向について解説する。
核融合炉容器内構造材料の第一候補として高クロム耐熱鋼を基盤に低放射化フェライト鋼が開発されてきた。日本で開発された低放射化フェライト鋼F82 Hは,最大20トン規模の複数回の溶解により,耐熱性と靭性のバランスの取れた特性を定義し,さらに最大約80 dpaまでの照射試験によって一定の耐照射性を明らかにしている。一方,実用化に向けては,千トン超規模での調達において低放射化を達成しつつ欠陥制御を実現する必要がある。また磁場下での使用に関わるリスクを解決することも重要な課題である。
水素注入や貴金属注入などの腐食環境緩和技術は応力腐食割れ対策に有効である一方,再循環系ステンレス鋼配管のコバルト60付着量増加による線量率上昇や,原子炉冷却材浄化系 (CUW) 炭素鋼配管の減肉といった副次影響が確認されている。本稿では,これら副次影響と対策の検討状況について述べる。ステンレス鋼配管の線量率上昇対策は,亜鉛注入が国外で広く適用されている。炭素鋼配管の減肉対策は,給水系で実績がある酸素注入がCUWでも有効との評価を得ているほか,炭素鋼中のクロム不純物や,亜鉛注入による減肉抑制効果も報告されている。
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