日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Print ISSN : 2186-9545
29 巻 , 3 号
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特集1
  • 冨永 芳博, 山下 弘幸
    2012 年 29 巻 3 号 p. 175
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/31
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  • 中駄 邦博, 高田 尚幸, 高橋 弘昌
    2012 年 29 巻 3 号 p. 176-182
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/31
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    本稿では核医学検査とCTを中心に,副甲状腺機能亢進症の画像診断の最近の動向について述べる。MIBI SPECTとCTの融合画像は各々のmodalityの限界を相補って,腫大副甲状腺の局在を正確に示すことができるので,手術成績の向上に貢献することが期待される。
  • 佐藤 伸也, 山下 弘幸
    2012 年 29 巻 3 号 p. 183-188
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/31
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    原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)の術式選択を考えるために,当院で手術を施行した原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)症例197例について検討した。197例の手術成功率は98%で,術前に単腺病変と診断し副甲状腺手術のみを施行した145例では,136例(93.8%)がfocused approachで手術を完遂できていた。遺残腫大腺が手術不成功の主な原因と考えられたが,橋本病や異所性甲状腺も画像診断や手術を困難にする要因となっていた。正確な術前画像診断に基づくfocused approachがPHPT手術の第一選択であると考えるが,多腺病変の可能性がある場合や併存疾患のため局在診断が困難な場合は両側検索を考慮すべきである。
  • 内野 眞也
    2012 年 29 巻 3 号 p. 189-192
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/31
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    家族性副甲状腺機能亢進症は原発性副甲状腺機能亢進症の約2~5%にみられる。家族性副甲状腺機能亢進症は多発性内分泌腫瘍症1型,2A型,副甲状腺機能亢進症顎腫瘍症候群,家族性孤発性副甲状腺機能亢進症,家族性低カルシウム尿性副甲状腺機能亢進症(FHH)がある。その診断において家族歴聴取は必須であるが,家族歴だけでは判断できない場合も多い。家族性副甲状腺機能亢進症を疑う場合,遺伝子診断としてはMEN1RETHRPT2/cdc73CDKN1BCaSR遺伝子などが対象となり,家族歴や臨床徴候を参考にどの遺伝子を検索するかを考えていく。FHHは尿中カルシウム排泄量が低値となるが,他の疾患はすべて高値となることからFHHは鑑別可能である。FHHは治療適応がなく,その他の家族性副甲状腺機能亢進症は手術対象となる。各疾病で手術法に微妙な違いがあるものの,基本的コンセプトは1腺のみ切除ではなく,副甲状腺全腺切除の対象となることである。家族性副甲状腺機能亢進症は散発性と異なり,診断・治療・管理が大きく異なり,また遺伝カウンセリングや遺伝学的検査の知識・手法が必要となる。
  • 宮 章博
    2012 年 29 巻 3 号 p. 193-197
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/31
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    副甲状腺機能亢進症において原因となる副甲状腺が甲状腺近傍にみられず,異所性にみられることがある。発生学上,上副甲状腺は後縦隔に,下副甲状腺は前縦隔を中心に広範囲に位置異常を呈する可能性があり,食道・気管・咽頭の側面や後面,甲状腺内,胸腺内,頸動脈近傍,大動脈弓と肺動脈の間隙などにみられることがある。甲状腺内を除いては,異所性副甲状腺は超音波検査では診断が困難な場合が多いのでMIBIシンチグラフィと造影CTやMRIを組み合わせて局在診断を行う。MIBIシンチグラフィの際にSPECT/CTを用いると部位診断に非常に有用である。手術は,頸部にある場合は通常は頸部手術と同じアプローチで行う。腕頭静脈付近の胸腺内にある場合は,頸部操作で切除は可能であるが,それより尾側にある場合は,胸骨切開や胸腔鏡手術の適応になることがある。
  • 平光 高久, 冨永 芳博
    2012 年 29 巻 3 号 p. 198-200
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/31
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    原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT),二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT),三次性副甲状腺機能亢進症(THPT)の治療法の1つとして手術療法が挙げられる。これらの手術の難しさは,反回神経などの解剖学的な点とともに,病的副甲状腺をいかに同定して,さらに確実に摘出する必要がある点である。これらを可能にしたのが,画像診断技術の進歩とともに,術中intact PTH(IOPTH)モニタリングである。IOPTHモニタリングにより,より確実に病的副甲状腺の摘出ができるようになったばかりか,PHPTではminimally invasiveな手術が可能となった。しかし,SHPTでは,現在までのところ適切なcriteriaを認められていない。今回は,IOPTHモニタリングの意義,方法,評価などについて,PHPTとSHPTに分けて述べる。
  • 飯原 雅季, 鈴木 留美, 川真田 明子, 岡本 高宏
    2012 年 29 巻 3 号 p. 201-205
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/31
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    副甲状腺癌の発生に関して,p53遺伝子異常の関与は示されておらず,HRPT2遺伝子変異が関連していることが示されている。臨床所見では,①頸部に腫瘤を触知 ②汎発性線維性骨炎の併発 ③血清カルシウム値が12mg/dl以上の3点に注意する。穿刺吸引細胞診は禁忌である。免疫組織染色による癌と腺腫の鑑別法として,①parafibromin ②Ki-67 index ③E-cadherinなどが有用と報告されている。副甲状腺癌を疑う場合には初回手術で周囲を含めたen bloc切除術を行うことが局所再発のリスクを減らす。頸部の再発病変のみならず遠隔転移に対する外科手術も予後を改善するうえで意義がある。高カルシウム血症を制御する薬物療法としてcinacalcetの保険収載が期待される。手術不能の副甲状腺癌に対して抗PTH抗体を用いた免疫療法が試みられている。
特集2
特別寄稿
原著
  • 大場 崇旦, 小山 洋, 前野 一真, 望月 靖弘, 伊藤 研一, 天野 純
    2012 年 29 巻 3 号 p. 234-237
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/31
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    原発性副甲状腺機能亢進症は発見契機により生化学型,腎結石型,骨型に分類され,骨型は8%程度と最も少ない。1996年4月から2011年6月までに当科で経験した骨型原発性副甲状腺機能亢進症7例の臨床的特徴を検討した。7例中3例が骨折を契機に,4例が骨痛を契機に診断された。術前に頸部超音波および99mTc-MIBIシンチグラフィが全例で施行され,7例中3例で頸部CT,4例でMRIが追加され,腫大副甲状腺を局在診断しえた。なお,腫大副甲状腺は全例1腺のみであった。一側検索手術が5例,一腺摘除術が2例に施行され,全例で術後の血清Ca値,i-PTH値が基準値内に低下し治療効果が得られ,骨痛を契機に診断された4例では症状の改善を認めた。骨痛を有する骨型副甲状腺機能亢進症では外科的治療により骨症状の改善が期待でき,日常診療で遭遇しやすい高齢者の骨症状に対しては,頻度は低いものの本疾患の可能性があることを知っておく必要であると考えられる。
症例報告
  • 佐藤 伸也, 橘 正剛, 横井 忠郎, 山下 弘幸
    2012 年 29 巻 3 号 p. 238-241
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/31
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    今回,われわれは大動脈弓奇形の1つである右側大動脈弓を伴った55歳女性の甲状腺乳頭癌症例を経験した。術前CTで右側大動脈弓の存在が判明していたため,過去の胸部手術の報告,発生学的知見より右反回神経は右側大動脈弓を反回して気管食道に密着するように,左反回神経は動脈管索を反回して通常の走行をしているものと推測した。術中,術前の推測通りの位置に反回神経を確認することができた。術前CTで大動脈弓奇形が存在する場合,大動脈弓奇形の種類にかかわらず発生学的知見により反回神経の走行を推定することが可能である。
  • 大石 一行, 澁谷 祐一
    2012 年 29 巻 3 号 p. 242-245
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/31
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    症例は69歳男性。前医で高Ca血症(12.8mg/dl),intact-PTH(266pg/ml)高値を指摘され,精査加療目的に当科を紹介受診した。自覚症状は認めなかったが,頸部超音波検査で甲状腺左葉下極の尾側に17.3×13.5×10.7mm大の腫瘤を認め,MIBIシンチグラフィでは後期相で同部位に一致したMIBI集積を認めたため,左下副甲状腺腺腫による原発性副甲状腺機能亢進症と診断した。無症候例ではあったが手術希望があり,左上下副甲状腺摘出術を施行した。術中迅速病理組織診断では,異型性が強く癌が疑われた。肉眼的には甲状腺への明らかな浸潤はなかったため甲状腺の合併切除は行わず,頸部リンパ節郭清を追加し手術を終了した。術後経過は良好で術後7日目に退院した。最終病理組織診断では副甲状腺癌と診断され,現在フォローアップ中である。副甲状腺癌は比較的稀な症例であり,文献的考察を含めて報告する。
  • 柏木 伸一郎, 石川 哲郎, 小野田 尚佳, 亀谷 直樹, 後藤 航, 中村 雅憲, 大澤 政彦, 平川 弘聖
    2012 年 29 巻 3 号 p. 246-250
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/03/31
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    副腎原発悪性リンパ腫は稀な疾患であり,予後不良とされるために迅速な確定診断が求められる。診断は超音波やCTガイド下針生検や開腹手術での摘出生検であるが,困難な症例も存在する。61歳の女性,検診にて両側副腎に腫瘤性病変を指摘され当院紹介。sIL-2R 5,470U/mlと高値も,機能性副腎腫瘍を示唆する所見はなかった。画像検査では両側副腎に巨大な腫瘤性病変を認めた。PET検査での全身検索では両側副腎以外に異常集積を認めなかった。副腎原発の悪性リンパ腫を疑ったが,超音波やCTガイド下針生検では安全域を担保するのは難しく,切開生検においても腫瘍が巨大であるために摘出は困難であると考えられた。そのため,鏡視下に腫瘍を確認しつつ確実に組織が採取でき,かつ開腹生検に比べ低侵襲である腹腔鏡下での副腎針生検を施行した。病理診断にFACS解析を加え,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫との診断を得た。
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