米国甲状腺学会は2015年6月に甲状腺髄様癌の診療に関するガイドラインを改訂して公表した。2009年に公開した内容と比較すると,
RET遺伝子変異のリスク分類の変更や疾患分類の変更など,いくつか大きな変更がなされている。また診断や治療についてのアルゴリズムも,基本的な考え方には大きな変化はないものの,より簡潔な形で提示されており,甲状腺髄様癌の診療に標準化に非常に参考になるものである。ただ,米国で推奨される内容は,わが国の医療の現状とは必ずしも合致しないものもある。わが国においても,米国をはじめとした海外のガイドラインの動向を参考にしつつ,わが国の実態に即し,かつエビデンスに基づいた診療の標準化が求められる。
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