「根治切除不能な分化型甲状腺癌」に対して2014年6月ソラフェニブ(ネクサバール
Ⓡ)が,「根治切除不能な甲状腺癌」に対して2015年5月レンバチニブ(レンビマ
Ⓡ)が使用可能となった。各々,分子標的薬特有の副作用があり,そのマネジメントをいかに行い,安全・適正に使用していくかが大切である。甲状腺専門病院である当院では,医師,薬剤師,看護師,栄養士,検査室,医事が化学療法ワーキンググループを通じて,分子標的薬の運用方法を検討してきた。国立がん研究センター東病院の見学などを通じてそのマネジメントを学び,当院の実情に則した,外来から入院までのクリニカルパスの作成や,薬剤師によるテレフォンフォローアップの試み,副作用パンフレットの活用などを行っている。多職種が関わるチーム医療の一つがこの分子標的薬導入である。当院での取り組みが,「甲状腺を病む方々のために」参考になれば幸甚である。
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