日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Online ISSN : 2758-8777
Print ISSN : 2186-9545
37 巻, 2 号
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
会告
巻頭言
目次
編集委員会
特集1
特集2
  • 藤田 知之
    2020 年37 巻2 号 p. 105
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー HTML
  • 加藤 俊介
    2020 年37 巻2 号 p. 106-109
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー HTML

    分子生物学の進歩と,ゲノム解析技術の向上により膨大なゲノム情報を短時間で得られることが可能となってきたことから,我が国でもゲノム情報から個々の患者の病態解明と治療法についてアプローチするゲノム医療の整備が進められてきている。がん領域では2019年6月に遺伝子パネル検査が保険収載され運用されてきているが,パネル自体の性能や医療提供体制などに様々な課題も明らかになってきている。今後の我が国におけるゲノム医療への取り組みも含めて紹介する。

  • 田原 信
    2020 年37 巻2 号 p. 110-114
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー HTML

    現在,検出された腫瘍の遺伝子変異に応じて分子標的薬を処方するがんゲノム医療が様々な癌腫にて進展している。甲状腺がんにはBRAF,RET,NTRKなどのactionableな遺伝子異常の頻度が他の癌腫と比較して高い。しかし,承認されている薬剤は,NTRK阻害剤のみであり,現時点では効果の期待できる治療薬にたどり着くには数多くのハードルが待っている。RET癒合遺伝子を有する甲状腺がん,RET遺伝子変異陽性の甲状腺髄様がんに対しては,RET阻害薬の治験が進行中である。BRAF V600E変異又はALK癒合遺伝子を有する場合には,患者申出療養下の医師主導治験に参加可能であれば,薬剤の提供を受けることができる。個別化医療を推進するためには,初回治療時の遺伝子異常検査,トランスレーショナルリサーチ,臨床研究のための施設整備,多施設共同研究などを進めていく必要がある。

  • 久保 真, 中村 雅史
    2020 年37 巻2 号 p. 115-121
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー HTML

    2019年6月ふたつのがん遺伝子パネル検査が保険適応となり,がんゲノム医療precision oncologyが臨床の現場に導入されて1年が過ぎようとしている。急ピッチで整備してきた検査システムは,がんゲノム外来(相談)の設置,適正な検体・情報管理,エキスパートパネルの整備,二次的所見に対する遺伝カウンセリングなどようやく形が整いつつある。この間にわかってきたことは,いずれのパネルも多数のがん関連遺伝子を包括的に解析するが,特徴は異なっており,目的に応じた使用が必要であるという点,今後は治療へのアクセスと人材の育成が重要であるという点である。特に,乳癌領域においては,今後も遺伝子変異をターゲットとする治療薬が増え,コンパニオン診断としてパネル検査の役割も大きくなると予想されるため,パネル検査のバージョンアップや検査時期・対象の見直しなど,不断の取組みが必要であると思われる。

  • 永田 政義
    2020 年37 巻2 号 p. 122-125
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー HTML

    がん治療におけるprecision medicineとは,個々のがんの遺伝子や分子発現プロファイルから個々の患者に対して最も利益のある治療法を提供する概念である。泌尿器がん領域でもこの分野は進んでおり,とくに前立腺がんでは,早期がんから進行がんまで,診断から治療までにおいて,実用化されつつある。

    早期低悪性度前立腺がんへの過剰治療を避け,予後に影響するハイリスク前立腺がんを同定するため,米国を中心に近年ConfirmMDx, Oncotype DX, Decipherなど,がん組織検体からの遺伝子プロファイルから高悪性度がんを判定する検査が実用されている。

    Liquid biopsyとは,がん組織からの生検ではなく,主に末梢血から循環腫瘍細胞(CTC)や腫瘍由来循環DNAやexosomeなどを検出して,遺伝子プロファイルを解析する手法で,非侵襲的に時系列解析も可能である。去勢抵抗性進行前立腺がんにおいて,CTCにおけるアンドロゲン受容体のスプライシングバリアント-7(AR-V7)の発現は,エンザルタミドやアビラテロン耐性の指標であり,実臨床への応用が期待される。また,がんにおけるBRCA1/2などのDNA修復遺伝子異常の有無を調べることは,近年のゲノム医療の話題であるし,マイクロサテライト不安定性(MSI)が高い固形がんには,免疫チェックポイント阻害剤の適応となる。さらに今後,DNA修復遺伝子変異がんには,PARP阻害薬など効果の期待できる薬剤を有効に選択できる可能性がある。このように前立腺がん領域では,ハイリスクがんの診断から進行がんの治療選択まで,precision medicineが実臨床へ到来しつつある。

  • 関根 正幸, 西野 幸治, 榎本 隆之
    2020 年37 巻2 号 p. 126-130
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー HTML

    婦人科癌におけるゲノム医療は,生殖細胞系列のBRCA1,2遺伝子変異を原因とする遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)と,ミスマッチ修復(MMR)遺伝子変異(病的バリアント)を原因として子宮体癌を好発するLynch症候群を端緒に,それぞれの遺伝性腫瘍に感受性を示す薬剤であるPARP阻害薬オラパリブと免疫チェックポイント阻害薬ペンブロリズマブを中心として臨床現場に普及し始めている。実臨床では,オラパリブ感受性の臨床的なサロゲートマーカーとしてプラチナ感受性が用いられ,ペンブロリズマブの感受性検査としてマイクロサテライト不安定性(MSI)検査が,MMR機能欠損を反映する腫瘍組織を用いたPCR検査として保険適応となり,コンパニオン診断として利用されている。他の領域と比較するとまだまだ使用可能な薬剤が少なく,立ち遅れている感が否めないが,上記2剤の承認により婦人科癌の治療が一気に変化しつつある。本稿ではこれら婦人科癌におけるゲノム医療の現状と展望について,がん遺伝子パネル検査の話題も加えて概説する。

原著
  • 山﨑 知子
    2020 年37 巻2 号 p. 131-135
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー HTML

    現在,甲状腺癌において本邦で承認されている分子標的薬は,Lenvatinib,Sorafenib,Vandetanibの3種類である。海外では,他の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を用いた治験,臨床試験が数々行われており,本邦の参画も望まれる。2019年6月,がん患者の複数の遺伝子変異を一括して検出できる遺伝子パネル検査の保険収載が承認された。各薬剤で病勢進行後の個別化医療につながる点で,再発転移甲状腺癌にも期待される。よって,今後,これまで以上のチーム医療が必要となる。

    本稿では,同対象に対する薬物療法の現状,今後の治療戦略について,腫瘍内科の立場より考察する。

  • 能田 拓也, 岡野 恵一郎, 小林 義明, 野村 智, 下出 祐造, 辻 裕之
    2020 年37 巻2 号 p. 136-142
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー HTML

    甲状腺手術において,反回神経の損傷は重大な合併症のひとつである。これまでに反回神経の同定や健全性確認を目的とした術中神経モニタリングが普及してきており,最近では手術中に迷走神経を持続的に刺激する術中持続神経モニタリングの有用性も報告されている。当科においては外切開のみならず内視鏡下の甲状腺手術においてもこの持続モニタリングを使用し確実な反回神経の同定温存に努めている。当科ではこれまでに8例の症例を経験している。実際の手術手技に関して輪状軟骨の高さで頸動脈鞘を開放し,APS電極を迷走神経に留置させる。持続神経モニタリングにより圧迫や牽引などで起こりうる視覚ではわからない神経損傷も回避することができる。特に術中のランドマークがつきにくい内視鏡手術においてこの持続モニタリングを導入することは極めて有用であると考える。

  • 大杉 治之, 木下 秀文, 島田 誠治, 松崎 和炯, 滝澤 奈恵, 松田 公志
    2020 年37 巻2 号 p. 143-148
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/02
    ジャーナル フリー HTML

    褐色細胞腫の外科的治療は,腫瘍径が6cmまでは腹腔鏡下手術が,6cmを超える場合は開放手術が推奨されている。近年,6cmを超える場合でも,腹腔鏡下手術が安全に行えるとの報告も散見され,症例に応じて,より低侵襲な術式を選択する必要がある。われわれの施設で経験した6cmを超える褐色細胞腫の手術成績を後方視的に解析し,腹腔鏡下手術を安全に行うための症例や術式の選択について検討した。また臨床経過についても解析した。対象8例のうち,10cmを超える3例では開放手術を選択していた。それより小さな5例では腹腔鏡下手術を選択していた。患側が右の場合,開放手術を選択する傾向にあった。いずれも周術期に重篤な合併症は認めなかった。臨床経過は,3例で褐色細胞腫の典型的な症状を認めず,腫瘍径とカテコラミン分泌能の相関は認めなかった。6cmを超える褐色細胞腫の術式選択の際には,腫瘍径に加え,患側も考慮すべきである。

内分泌外科専門医 過去の出題例と解説
投稿規定
編集後記・奥付
feedback
Top