日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Print ISSN : 2186-9545
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巻頭言
目次
編集委員会
特集1
  • 筒井 英光
    2021 年 38 巻 2 号 p. 55-56
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/25
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  • 榎本 圭佑, 玉川 俊次, 武田 早織, 熊代 奈央子, 平山 俊, 木村 貴任, 内野 眞也, 保富 宗城
    2021 年 38 巻 2 号 p. 57-62
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/25
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    大多数の甲状腺癌は緩徐に進行し,その予後は良好であるが,時に気道(喉頭と気管)などの周囲臓器へ浸潤し,QOLの著しい低下や不幸な転帰をたどる症例を経験する。気道浸潤する腫瘍の大多数は表層のみであり,それらは喉頭や気管の枠組みを温存して表層切除(シェービング)が可能である。一方,内腔にまで浸潤をきたした症例では,腫瘍切除に伴い気管や喉頭壁の一部に全層欠損を生じる為,再建することが必須となる。再建は切除時に欠損部を修復する一期的再建と,気管皮膚瘻を作成しておき後日に瘻孔を閉鎖する段階的再建に大別される。一期的再建手術は腫瘍の浸潤した部位と範囲より術式を選択する。気管のみの浸潤例では,環状切除や楔状切除で端々吻合再建を行う。頻度の高い輪状軟骨~気管の浸潤例は,気管と輪状軟骨の側壁を失う為,対角に位置する気管壁を切除しての再建術(テトリス再建)が望ましい。今日の気道浸潤した甲状腺癌の外科治療についてまとめる。

  • 金井 敏晴, 網谷 正統, 清水 忠史, 大野 晃一, 小野 真由, 大場 崇旦, 伊藤 勅子, 前野 一真, 伊藤 研一
    2021 年 38 巻 2 号 p. 63-67
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/25
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    甲状腺癌で広範なリンパ節転移を伴う症例では初診時に縦隔リンパ節に転移を伴うことは稀ではなく,縦隔リンパ節に再発を生じる症例も時に経験する。縦隔リンパ節転移に対し手術を施行した自験例42例を対象とし,術式や合併症,予後を解析し,その安全性と有効性を検討した。甲状腺は全例で全摘または補完全摘が施行され周囲臓器への浸潤症例も多く認めた。重篤な合併症を7例に認めたが手術関連死亡例はなく,術後の全生存期間中央値は16.9年と良好であった。初発乳頭癌症例では頸部の外側区域治療的郭清症例と比較しても全生存期間に有意差は認めなかった。分子標的薬が広く使用されるようになり進行甲状腺癌に対する治療戦略も多様化しているが, 切除可能な縦隔リンパ節転移に対しては胸骨切開を加えた縦隔郭清により予後の改善が得られ,特に乳頭癌初発症例に対する外科的治療は予後の改善に繋がり,有用性が高いと考えられる。

  • 阿部 光一郎, 眞田 知英, 筒井 英光, 吉村 真奈
    2021 年 38 巻 2 号 p. 68-73
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/25
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    分化型甲状腺癌に対する放射性ヨウ素(radioactive iodine [RAI])治療が開始され,75年が経過した。これまで積み上げられた多くの研究結果に基づき,2015年にAmerican Thyroid Association (ATA)のガイドラインが,2018年に本邦の甲状腺腫瘍診療ガイドラインが改訂されている。未だ未解明な点が数多く残されているものの,RAI治療についてもエビデンスに基づく適切な施行が求められている。

    本邦では2010年11月に1,110 MBq外来“アブレーション”が承認されたが,事実上遠隔転移のない中~高リスク患者を対象に補助療法(adjuvant therapy)として行われている。自験例を含めた近年の報告によると,対象患者のリスクが上がるほど“アブレーション”成功率が低下することが示唆された。適正な対象患者の選択には血中サイログロブリン値が指標となる可能性がある。

  • 全田 貞幹
    2021 年 38 巻 2 号 p. 74-76
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/25
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    甲状腺癌に対する治療は手術を軸に考えられており,放射線治療は標準治療のメインストリームではない。しかし,近年放射線治療技術の進歩とともに従来の放射線治療の技術を最大限に生かした強度偏重放射線治療(Intensity Modulated Radiotherapy; IMRT),体幹部定位放射線治療(Stereotactic Body Radiation Therapy SBRT),さらに粒子線を用いる重粒子線治療(Carbon ion radiotherapy),陽子線治療(Proton Beam Therapy)などが開発され,甲状腺癌患者に対しての選択肢として放射線治療を考慮する機会が増えてきた。

    それぞれの技術には違う特性があり,それらを理解して使い分けることができれば治療成績は飛躍的に向上する可能性がある。

    ただし手術が可能な場合に放射線治療を選択する理由は乏しく,あくまで手術を中心とした治療方針の中に高齢化や合併症のある患者など標準治療が難しいケースでのオプションとして位置付けていくのが望ましいと考える。

  • 福田 直樹
    2021 年 38 巻 2 号 p. 77-81
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/25
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    放射性ヨウ素療法不応の分化型甲状腺癌に対し,sorafenibおよびlenvatinibが本邦で承認となってから5年以上が経過し,実臨床での使用経験が蓄積されつつある。SELECT試験の結果から,lenvatinibが第一選択薬として用いられることが多いが,日本人では高血圧や手足症候群,タンパク尿の頻度が高く,これらの毒性の管理に難渋することも多い。有害事象により休薬・減量を余儀なくされることも多いが,lenvatinibのdose intensityの低下により,治療効果が減弱することも報告されている。どのように有害事象を管理し,投与量を維持していくかは,治療効果の最大化において重要な課題であるといえる。投与量の減量に加えて,有害事象の発現時期を見極めることによる計画的な休薬により,忍容性の改善がみられることがある。また,早期の支持療法介入と過不足のない休薬・減量に加えて,それを可能にする適切な患者教育が,安全な治療継続には不可欠である。

  • 北村 守正
    2021 年 38 巻 2 号 p. 82-85
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/25
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    レンバチニブは根治切除不能な甲状腺癌に対して非常に有効な分子標的治療薬であるが,有害事象が高頻度に出現し休薬・減量を余儀なくされる。長期間の休薬を必要とする場合,分化癌では影響は少ないが,未分化癌では再増大により致命的となる可能性がある。そのため,できるだけ長期間の休薬を行わずに高用量を維持するための工夫が必要である。当科では2019年以降,連日投与する方法(Daily法:11名)から平日5日投薬週末2日休薬する方法(Weekends-off法:6名)に切り替えた。初回減量までの期間はWeekends-off群の方が有意に長く,また導入後3カ月・6カ月時点のレンバチニブの用量はWeekends-off群の方が高用量を維持できていた。症例数が少なく,さらなる症例集積が必要であるが,5日投薬2日休薬という予定休薬の方法は高用量を継続投与していくための一つの方法として考慮してもよいと考えられる。

特集2
原著
  • 熊代 奈央子, 榎本 圭佑, 平山 俊, 武田 早織, 杉田 玄, 保富 宗城
    2021 年 38 巻 2 号 p. 107-113
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/25
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    甲状舌管囊胞は比較的よく認められる先天性囊胞疾患であり,悪性腫瘍が合併することは稀である。今回われわれは甲状舌管囊胞の診断で手術を行った症例の臨床的特徴について,甲状舌管癌合併症例を含め後向きに調査した。症例は,2011年4月から2020年3月までに当院当科にて甲状舌管囊胞の診断で手術を行った14例で,小児・若年者が6例,成人が8例であった。小児例は囊胞の反復感染が契機で手術を行った症例が多かった。14例のうち2例に乳頭癌の合併を認めた。1例は囊胞内に石灰化を伴う充実部分を認めており,術前から悪性の可能性も疑われた。しかし,1例は完全なる囊胞性病変であり,充実成分を認めなかったことから術前に悪性は疑っていなかった。甲状舌管囊胞は良性疾患であり一般的に悪性の合併は稀であるが,特に内部に石灰化を伴う充実病変がある甲状舌管囊胞は,悪性の可能性も念頭に加療する必要があると考えられた。

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