日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌
Print ISSN : 2186-9545
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目次
編集委員会
特集1
特集2
  • 杉野 公則
    2021 年 38 巻 3 号 p. 158
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/27
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  • 清谷 知賀子
    2021 年 38 巻 3 号 p. 159-162
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/27
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    小児甲状腺がんなどの小児がんは,診療や治療開発上の困難があり,腫瘍治療チームと,小児の全身管理をサポートする小児専門家チーム,地域や成人医療との連携が重要である。心身発達途上にある小児患者では,しばしばがん治療後に,がんの罹患や治療の影響による慢性健康障害/晩期合併症が問題になるため,小児のライフタイムに配慮した治療戦略や,手術合併症や機能低下の可及的回避が必要である。また小児の発達理解度に応じた疾患や治療の説明と意思決定支援,患者家族を含めた療養や心理的支援のための多職種支援,治療療養中の保育や学習の担保や学校との連携も要す。治療後には身体や成長,生殖,遺伝性,二次性腫瘍などについて適切な長期フォローアップと移行医療を行い,遠隔期の問題の早期発見早期介入のほか,過去の治療の問題点を把握し,現在や未来の治療に還元して治療の最適化に役立てる。

  • 杉野 公則, 伊藤 公一
    2021 年 38 巻 3 号 p. 163-167
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/27
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    小児甲状腺癌においても初期治療は手術が基本である。甲状腺切除範囲についてはガイドラインも含め,海外では甲状腺全摘術が勧められている。日本においてはかつて成人のみならず,小児例においても腺葉切除術を標準術式としてきた施設が多く,良好な成績も示されている。海外からの報告は臨床的危険因子を勘案せずに全摘術と腺葉切除術での再発率を比較し,全摘術の優位性を示したものが多い。しかし,成人同様,危険因子の有無に応じたリスク分類を模索し,治療方針を検討することが望ましい。本稿では当院での経験例をもとに得られたリスク分類を紹介し,小児甲状腺癌においても,リスクの応じた手術の有用性を示した。一方で,発生率が少ない本症であるため,一施設でまとまった症例数を集積するには,長期間を要する。そのため,医療機器の精度の変遷があるため,過去と現在での症例における診断精度の差違があることが否定できない。

  • 加藤 良平, 赤石 純子, 杉野 公則, 近藤 哲夫, 伊藤 公一
    2021 年 38 巻 3 号 p. 168-174
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/27
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    小児・若年者(20歳以下)を主体に発生する甲状腺癌は,成人以降に発生する通常型甲状腺癌とは異なる組織所見を示すものがあり,それらは臨床経過も特徴的であることが知られている。最も頻度が高いのは通常型の乳頭癌であるが,小児・若年者ではいわゆる“若年型乳頭癌”といえる特徴的組織所見を示す亜型群が発生する。その中には充実亜型,びまん性硬化亜型,篩状・モルレ亜型などが含まれる。乳頭癌以外では,家族性髄様癌や多発性内分泌腫瘍症2型に伴う髄様癌も若年者に多く認められる。一方,小児・若年者では低分化癌や未分化癌は極めて例外的といってよい。若年者甲状腺癌は特徴的な病理組織像と臨床像を示すため,正確な病理診断と治療が肝要である。

  • 岩舘 学, 松本 佳子, 塩 功貴, 鈴木 聡, 水沼 廣, 鈴木 眞一
    2021 年 38 巻 3 号 p. 175-179
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/27
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    小児若年者の甲状腺癌は成人と比べ稀であり,組織型としては90%が乳頭癌であり,濾胞癌,髄様癌は少ない。BRAFV600E変異は成人の甲状腺乳頭癌で最も多くみられる遺伝子変異であり,散発性の小児若年者甲状腺乳頭癌は8.8~63%と論文の報告によってさまざまであるが若年者ほど頻度は少ない傾向である。福島原発事故後の小児若年者甲状腺癌では,20代以上が多く含まれているため全体としてBRAFV600E変異は69.6%であった。また,小児若年者甲状腺癌にみられる遺伝子異常はRET/PTC融合遺伝子やNTRK融合遺伝子が成人よりも多いとの報告が多く,特にRET/PTC1は放射線非被ばく小児例で多くみられる。一方,RET/PTC3はチェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺乳頭癌で多く認められる。高齢者にみられるTERTプロモーター変異は小児若年者の散発性甲状腺乳頭癌ではほとんど認めない。

  • 山瀬 喬史, 稲木 杏吏, 萱野 大樹, 絹谷 清剛
    2021 年 38 巻 3 号 p. 180-184
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/27
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    小児の甲状腺癌はリンパ節転移や遠隔転移を認める可能性が高いが,基本的には生命予後は良好であり,放射性ヨウ素内用療法にもよく反応する。また,治療の効果が長く持続することから,二次発癌など長期的な副作用に鑑みると,成人で推奨されている総投与量や治療回数,治療間隔は,小児にとって必ずしも適切ではない。治療を計画する際は,患者・家族に中長期的な影響も含めたリスクについて十分に説明し,適切な経過観察を行う必要がある。本項では,American Thyroid Associationの制定したガイドラインを中心に,小児の甲状腺癌患者における,放射性ヨウ素内用療法の基本的な適応や手順,注意点について記載する。

原著
  • 森 祐輔, 大迫 智弘, 橘 正剛, 佐藤 伸也, 進藤 久和, 高橋 広, 山下 弘幸
    2021 年 38 巻 3 号 p. 185-190
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/27
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    甲状腺・副甲状腺手術後の頸部観察において頸部腫脹は術後出血を予測する上で重要な所見であるが,観察者によって大きく差が生じることがある。当院では術後頸部腫脹を頸周囲径の測定(以下,頸周囲測定法)を用いて客観的に評価している。本研究では頸周囲測定法が術後出血を予測する上での有用性について検討を行った。

    2013年から2020年までの7年間に当院で行った甲状腺・副甲状腺手術症例6,300例を対象とした後方視的検討を行った。術後出血にて再開創を要した63例(以下,開創群)と期間中央で連続する1カ月間の手術症例で術後出血を認めなかった66例(以下,非開創群)の頸周囲径を比較検討した。

    結果,頸周囲径の増加は非開創群では平均0cm(-1~+1cm),開創群では平均+3cm(0~+7cm)であり開創群では非開創群に比べ頸周囲径の増加が確認された(p<0.05)。術後頸部腫脹の観察において頸周囲測定法は有用であると考えらえた。一方で頸周囲径の増加を認めない症例が3.2%あり,頸部腫脹が乏しい術後出血もあるためドレーン排液量・性状など複数のモニタリングを併用し観察を行うことが重要と考えられた。

症例報告
  • 平松 一平, 小笠 大起, 三好 悠斗, 三好 美穂, 石川 圭祐, 上阪 裕香, 野﨑 大司, 白井 雅人, 辻村 晃
    2021 年 38 巻 3 号 p. 191-195
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/27
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    症例は 65歳女性。他疾患の精査目的に施行された腹部単純CT検査で偶発的に左副腎腫瘍(38×36mm)を指摘された。内分泌学的精査の結果は全て正常範囲内であり非機能性の副腎腫瘍であることが示された。腹部MRI検査(T2強調像)では腫瘍内が内部不整であることが示され,腹部造影CT検査では不均一な造影効果を指摘された。副腎皮質癌である可能性が指摘されたため,腹腔鏡下左副腎摘除術が施行された。腫瘍は左副腎に接していたが連続性は認めなかった,病理学的所見は異型を認めず,角化重層扁平上皮や腺上皮が囊胞状に増生しておりlymphoepithelial cyst(LEC)の診断となった。今回われわれは,副腎皮質癌と鑑別が困難であった,副腎に隣接して発生したLECの症例を経験した。本疾患に関して文献的考察を加え報告する。

  • 松山 浩之, 大塚 雄一郎, 松島 可奈, 山﨑 一樹, 久満 美奈子, 根本 俊光, 花澤 豊行
    2021 年 38 巻 3 号 p. 196-200
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/27
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    甲状腺乳頭癌の42歳女性に対して甲状腺全摘術を施行したが,腫瘍の右反回神経への癒着を認めたために甲状腺組織を一部残さざるを得ず,術後に放射性ヨウ素内用療法を行った。その際に,右卵巣への放射性ヨウ素の集積を認めたため,腹部MRI検査を施行したところ右卵巣に多房性囊胞性病変を認め,悪性を否定できない所見であった。また,経過中に血清サイログロブリン(Tg)値の上昇を認めたために右卵巣切除術を施行した。卵巣甲状腺腫の病理診断であった。

    卵巣甲状腺腫はすべて,あるいは大部分が甲状腺組織よりなる奇形腫と定義される。甲状腺癌全摘後の放射性ヨウ素シンチグラフィ検査で卵巣への集積を伴う際には,遠隔転移など悪性病変の可能性も考慮しなければならないが,画像検査のみでの鑑別は困難とされる。また,卵巣甲状腺腫を合併する症例は血清Tg値が甲状腺癌全摘後の再発指標として有用性を欠く可能性も示唆された。本症例では確定診断のため卵巣切除が必要であった。

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