日本食品保蔵科学会誌
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24 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 今堀 義洋, 甲田 美香, 上田 悦範, 吉岡 博人, 茶珍 和雄
    1998 年 24 巻 5 号 p. 303-308
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    低酸素濃度が果実に与える生理的影響のメカニズムに関する研究の一環として, 空気下と貯蔵酸素濃度を0, 1, 3, 5および10%に変えて貯蔵した場合における数種果実の低酸素障害の発生状況について調査し, その発生状況と果実の呼吸活性との関係について検討した。
    低酸素障害は0%02下でピーマンでは貯蔵2日にがくの褐変として, ナスでは貯蔵3日に, ナシでは貯蔵4日に, カキでは貯蔵7日にそれぞれ異臭の発生として認められた。
    低酸素濃度の呼吸活性抑制作用の貯蔵中の経時的変化の傾向は, 果実の種類により異なった。しかしながら, その傾向は低酸素障害の発生とは関連がなかった。
    低酸素障害の発生が認められた日とその前日における酸素濃度と呼吸活性との関係について調べた結果, ピーマン, ナス, ナシおよびカキの呼吸活性は酸素濃度の減少に伴って低下し, 1%O2で最小を示して, 0%O2で再び増加することが認められた。
    ピーマン, ナス, ナシおよびカキのいずれの果実とも呼吸活性が最小となる嫌気的補償点以上の酸素濃度下では, 低酸素障害の発生は認められなかった。
  • Phospholipase Dのホスファチジル基転移能に関する研究 (第1報)
    佐藤 広顕, 吉金 恵理子, 渡部 俊弘, 高野 克己, 永島 俊夫, 小嶋 秩夫
    1998 年 24 巻 5 号 p. 309-314
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本論文では起源の異なるPhospholipase D (以下PLaseD) の構造と作用性の相関について明らかにすることを目的とし, Streptomyces chmmofuscms PLaseDに注目した。その精製された標品をSDS-PAGEにより分離した結果分子量約57kDaと約40kDaの2つのタンパク質バンドを認めた。それら両タンパク質のアミノ酸配列分析を行うと, N末端アミノ酸から20残基までのアミノ酸配列が完全に一致していた。そこで, 約57kDaタンパク質を, Staphylococcus aureus V8Proteaseによる限定分解を行った。さらに約57kDaのタンパク質の主な限定分解物であるpeptide断片についてアミノ酸配列分析を行つた。その結果約57kDaタンパク質の限定分全解から得られた約10, 14, 16, 18, 20, 30, 42および46kDaの8 peptide断片はいずれもDNAから全解析されたStreptomyces chromofuscus PLase Dのアミノ酸配列中に見い出された。それらのことから, 約57kDaタンパク質は, DNAから解析されたStreptomyces chromofuscus PLase Dのアミノ酸配列と同一であることを示唆した。筆者らは, Strepomyces chromofuscus起源PLase Dは, 植物起源PLaseDに比べ, ホスファチジル基転移能が低く, より広いpH領域で作用することを確認している。この相違は, Streptomyces chromofuscus 起源PLase Dには約57kDaとそのC末端側のアミノ酸から一部peptideが欠落したと推定される約40kDaの2種のPLase Dが存在することに起因すると考えられた。それら2種のPLaseDの分子構造を検討することは, PLase Dの作用性を見る上で重要と考えられる。
  • 於勢 貴美子, 茶珍 和雄, 岩田 隆
    1998 年 24 巻 5 号 p. 315-318
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ヨウサイとツルムラサキのポリフェノールオキシダーゼ(PPO)活性の貯蔵中の変化を調べたところ, PPO活性はヨウサイでは低温区で貯蔵中低下したが, ツルムラサキではどの温度区でもほとんど活性は見いだせなかった。 このことが両者の褐変現象発現の差になったと思われる。
    一方, アスコルビン酸(AsA)酸化に関連するAsAオキシダーゼ活性はヨウサイに比ベツルムラサキで活性が低く, AsAペルオキシダーゼ活性はツルムラサキよりもヨウサイにおいて低かった。 このことはツルムラサキにおいてAsAの含量変化がが少なく, かつ黄化が緩慢であった理由と推測される。
  • 呉 明昌, 蔡 龍銘
    1998 年 24 巻 5 号 p. 319-323
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    バンレイシ果実をほぼ成熟 (成熟度5) の時期に収穫し, 各別に16℃, 21℃, 26℃で貯蔵し, 期間中, 果実の軟化に関連する酵素の活性および可溶性固形物量を測定した。
    主要な酵素はペクチンメチルエステラーゼ, ポリガラクチュロナーセ, β-ガラクトシダーゼなどであった。果実を26℃で貯蔵するとこれらの酵素の活性が速く上昇し, 3~4日でピークに達し, 21℃で貯蔵しても5.~6日でピークに達し, 16℃で貯蔵した場合, 酵素活性が約6~8日でピークに達した。温度を下げることによって酵素活性化が抑制さ礼果実の軟化も遅延された。いずれの酵素でも最高の活性は21℃の貯蔵果実でみられた。
  • 壇 和弘, 永田 雅靖, 山下 市二
    1998 年 24 巻 5 号 p. 325-329
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ダイコン子葉中のAsA含量に及ぼす温度および光条件との関係を調査した。15℃, 20℃, 25℃, 30℃, 35℃, 暗黒条件下において, 下胚軸の伸長速度は25℃が最も速く, 25℃以上あるいは25℃以下の温度域では下胚軸の伸長速度が低下した。しかし, 子葉中のAsA含量の最高値は育成温度が低いほど高かった。30℃以下の温度域では, 子葉中のAsA含量は播種後, 数日間で急増し, 最高値に達した後減少した。光を照射すると子葉中のAsA含量は増加し, AsA含量は光強度の対数に比例した。
  • 佐々木 隆
    1998 年 24 巻 5 号 p. 331-340
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    1998 年 24 巻 5 号 p. 341-343
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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