日本食品保蔵科学会誌
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25 巻, 6 号
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  • 玉川 浩司, 小林 敏樹, 飯塚 崇史, 池田 彰男, 小池 肇, 長沼 慶太, 小宮山 美弘
    1999 年 25 巻 6 号 p. 271-276
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    大麦ポリフェノール抽出物BPEの抗酸化性について加工食品を想定した実験系での抗酸化性について検討した。
    (1) BPEは, リノール酸の酸化物がβ-力ロテンを退色することを指標としたリノール酸モデル系 (β-カロテン退色法) において, dl-α-トコフェロールと比較し, かなり酸化抑制効果は小さかったが, 濃度依存的に抗酸化性を示すことが判明した。
    (2) BPEは, β-カロテン退色法において, クエン酸との間に強い相乗的抗酸化効果を示し, その相乗性はBPEの濃度に依存していた。
    (3) BPEはラードを用いたクッキーの酸化に対し, 効果的にPOVの上昇を抑制した。また, クエン酸を同時添加すると更に強い相乗的抗酸化性を示し, その効果はdl-α-トコフェロールと比較して大きいことがわかった。
    (4) BPEは各種天然系色素を含む疑似ドリンクの紫外線照射による酸化退色に対し, 効果的に退色を抑制した。また, その効果はL- (+) -アスコルビン酸と比較し, 同等あるいはそれ以上であることがわかった。
  • 安田 和男, 堂ケ崎 知格, 西島 基弘
    1999 年 25 巻 6 号 p. 277-281
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    前報でマイトジェン活性が認められたKS-F2, BF-F1, AF-F1, AF-F3, AS-F2およびAS-F3の6画分について精製を行い, その性状を調べた。
    (1) マイトジェン活性が特に強いKS-F2およびAS-F2について, DEAE-Toyopearl 650Mカラムにより多糖画分を分画・精製した。KS-F2は中性糖あるいは酸性糖を主成分とする2ピークに分かれた。AS-F2は中性糖は3ピークに分か礼酸性糖はそのうちの1ピークと重なっていた。
    (2) 各溶出ピーク画分のマイトジェン活性を調べた結果, 活性本体はKS-F2では酸性糖を多く含むピークb画分に, AS-F2では中性糖および酸性糖を含み, 収量の多いピークc画分にあることが推察された。
    (3) 除タンパクして得た6画分の粗多糖をアセチル化して, GCにより糖組成およびモル比を調べた。いずれの画分もAraおよびGa1の比率が高かった。
  • 津久井 学, 永島 俊夫, 佐藤 広顕, 小嶋 秩夫
    1999 年 25 巻 6 号 p. 283-286
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    「とろろ」の粘性が異なるツクネイモ, イチョウイモおよびナガイモより粘質物を抽出・分離し, その成分組成ならびにタンパク質性状ついて, 各種電気泳動による検討を行った。
    (1) 粘質物量は粘度の高い種類ほど多く, 粘度の低いヤマイモは最も粘度の高いツクネイモの約25%であった。粘質物の主体はタンパク質であったが, 粘性の低いナガイモでは糖の比率が約40%と高かった。
    (2) Native-PAGE, SDS-PAGEおよび等電点電気泳動にてヤマイモ粘質物の構成成分であるタンパク質を分析したところ, 主に分子量28kDa, pI5.0の糖タンパク質が数分子から十数分子会合して存在することを明らかにすると共に, 各電気泳動のパターンにはヤマイモの種類によって若干の相異がみられ, 特にナガイモの泳動パターンはツクネイモ, イチョウイモと相違点が多かった。
  • 石川 豊, 長谷川 美典, 中島 教博, 伊庭 慶昭
    1999 年 25 巻 6 号 p. 287-292
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    青果物のMA包装設計を適切に行うための呼吸モデルについて, 作成条件, 適用範囲等を検討した。
    (1) 呼吸モデルを構築するためには, 酸素と二酸化炭素の様々な組み合わせ条件下で呼吸速度を求めなければならない。各種フィルムを用いる代わりに, 封入するサンプル数を変えることで広範囲なガス濃度条件を実現でき, 容易に呼吸モデルを作成できることがわかった。
    (2) 呼吸量が低い, 低温障害が起こりやすい, エチレン感受性が高い等の性質を持つナスやバナナ等でも本呼吸モデルが適用でき, 袋内ガス濃度シミュレーションが可能であることがわかった。
    (3) 10-30℃の温度範囲で呼吸モデルを作成したがいずれも十分適用可能であることがわかった。
  • 金 昌海, 柏木 太郎, 水野 雅史, 寺井 弘文, 土田 廣信
    1999 年 25 巻 6 号 p. 293-300
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    貯蔵性の優れている品種 “ふじ” と貯蔵性の悪い品種 “金星” のリンゴ果実を20℃で42日間貯蔵し, 貯蔵前と貯蔵後のそれらの果実から細胞壁を分離, 調製した。得られた細胞壁を逐次抽出法によって4つのペクチン質多糖画分 (CDTA-1, CDTA-2, Na2CO3-1およびNa2CO3-2), 3つのヘミセルロース画分 (KOH-1, KOH-2およびKOH-3) およびその抽出残渣 (セルロースリッチ画分) に分画した。得られたそれぞれの画分の重量について貯蔵前と後を比較したところ, “ふじ” ではそれぞれの画分の重量は20℃42日貯蔵後においてもほとんど変わらなかったが, “金星” では貯蔵後, Na2CO3-1画分が著しく減少していることが明らかになった。両品種から得たNa2CO3画分の糖組成を分析し, 両品種の貯蔵前と貯蔵後の糖組成を比較した結果, “金星” のNa2CO3-1画分のアラビノースとガラクトース含量割合は貯蔵後著しく減少していた。これらの中性糖の減少割合は “ふじ” に比べて著しく大きかった。これらの事実は “金星” の果実の軟化に伴って生じるNa2CO3-1画分の減少とNa2CO3-1画分からのアラビノースとガラクトース含量の損失量との間には密接な関係があることを示唆している。以上の結果からリンゴ果実の細胞壁成分のうちNa2CO3-1画分の主要なペクチン質多糖, いわゆるラムノウロナンIの高度に分枝したアラビノガラクタン側鎖の酵素的分解はリンゴ果実軟化過程に重要な役割を演じているものと考えられる。
  • Musleh UDDIN, Md. Naim UDDIN, 田中 宗彦, Md. KAMAL
    1999 年 25 巻 6 号 p. 301-307
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ポリスチレンボックス中で24日間まで氷蔵したIndian shad (Tenualosa ilisha, ニシン科の一種) の品質変化を測定した。氷蔵期間中, 4日間毎にサンプリングして, 化学的分析と官能検査を行った。氷蔵中, 粗タンパク質含量と灰分含量はいくらか減少した。一方, 非タンパク態窒素量および遊離脂肪酸量は次第に増加した。魚肉のpHの低下に伴って筋原繊維タンパク質の溶解性は70%から41%に減少した。化学的分析および官能検査の結果, ポリスチレンボックス中でIndian shadを氷蔵すると, 19日間は比較的良好な品質を保持できることが明らかになった。また, 化学的分析は官能検査の評価を裏付ける結果となった。
  • 永島 俊夫, 大和谷 和彦, 佐藤 広顕, 小嶋 秩夫
    1999 年 25 巻 6 号 p. 309-313
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    多糖分解物 (分枝デキストリン, グアーガム分解物, キシログルカン分解物) の水溶液を調製し, 各温度における粘度を測定するとともに, カラギーナンゲルに多糖分解物を添加し, ゲルの性状を調べ, その有効性について検討を行った。
    (1) 各溶液の各温度における粘度は, いずれも低粘度で, 温度による変化も見られず, 各種食品への広い用途が示唆された。
    (2) カラギーナンゲルに添加してその硬さを調べたところ, いずれの種類も硬さを上昇させることが認められた。また, これを3℃で180分放置後, 離水率を測定したところ, 同様に多糖分解物を添加することにより, 離水を抑制することが認められた。
    (3) 凍結解凍したカラギーナンゲルの硬さは, 多糖分解物を加えることにより硬さの減少を抑制することができた。この場合の離水率は, 大きく抑制さ礼特にグアーガム分解物が顕著であった。
    (4) 多糖分解物を添加したゲルの組織を走査型電子顕微鏡で観察したところ, いずれもゲルの網目構造がやや太くなり, 緻密になっていることが認められた。これらのことより, 多糖分解物はカラギーナンゲルに作用し, ゲル組織を強固にし, 保水性が付与されて安定化するものと考えられた。
  • 鈴木 鐵也
    1999 年 25 巻 6 号 p. 315-325
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 実, 阿部 重春, 宮川 孝夫, 山口 聡
    1999 年 25 巻 6 号 p. 327-337
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    1999 年 25 巻 6 号 p. 339-341
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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