日本食品保蔵科学会誌
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30 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 竹中 哲夫, 竹中 陽子
    2004 年 30 巻 4 号 p. 167-171
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    RJタンパク質酵素分解物 (HRJ) が高コレステロール添加食投与ラットの血漿, 肝臓の脂質代謝および酸化二次生成物にどのような影響を及ぼすかを検討した。
    RJタンパク質 (6%含有) やHRJ (6%含有) する飼料の投与によって高コレステロールラットの血漿コステロール量は低下し, その効果はHRJ群で大きかった。総コレステロール量に占めるHDL-コレステロール量の割合はRJ群とHRJ群で高くなる傾向を示した。血漿TG量はRJタンパク質およびHRJ群で同様に低下した。肝臓中の総コレステロールはHRJ群で低下, TGはRJタンパク質とHRJ群で低下した。
    血漿中のTBARS値はControl群, RJタンパク質とHRJ群では差がなかったが, 肝臓中のTBARS値はRJタンパク質やHRJ群で低下する傾向があった。
    これらの結果から, HRJはコレステロール低下および肝臓の解毒機能に関与すると推測した。
  • パーシャルシール包装技術の開発に関する研究
    鈴木 芳孝, 永田 雅靖, 今堀 義洋, 上田 悦範
    2004 年 30 巻 4 号 p. 173-177
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ニラの呼吸および品質に及ぼす低濃度酸素, 高濃度二酸化炭素およびエチレンの影響について検討した。
    低濃度酸素, 高濃度二酸化炭素のいずれの条件下でも呼吸が抑制され, 葉の黄化および腐敗の発生が著しく抑制された。さらに, 低濃度酸素と高濃度二酸化炭素を組み合わせた条件下では, 品質保持効果が一層高くなった。
    ニラはエチレン生成量が非常に少ないが, エチレン処理では呼吸が促進され, 葉の黄化および腐敗の発生が多くなった。一方, エチレン作用阻害剤の2, 5-ノルボルナジエン処理では, 呼吸が抑制され, 腐敗の発生が抑制されたが, 黄化の抑制程度は小さかった。
    したがって, ニラの品質保持には低濃度酸素条件, 高濃度二酸化炭素条件のどちらも効果的であり, エチレンの関与も認められるものの, その影響は比較的小さいと考えられた。
  • サイフ モクベル マトウク, 橋永 文男
    2004 年 30 巻 4 号 p. 179-184
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    バナナ果実 (Musa, AAA group, cv. Cavendish) に対する温湯処理 (HWT), 塩化カルシウム溶液処理およびプラスチックフィルム包装の効果について研究した。バナナ果実は温湯処理 (40, 45, 50℃で10-15分) だけのものと, 温湯と4%塩化カルシウム治容液, 温湯と4%塩化カルシウム溶液およびプラスチックフィルム包装 (厚さ0.03mm) の単独使用とこれらの組み合わせを用いて処理した。バナナ果実の成熟は温湯, 4%塩化カルシウム溶液プラスチックフィルム包装のいずれの組み合わせにおいても遅れた。プラスチックフィルム内の炭酸ガスの濃度が高いとき, エチレンの生成が有意に減少し, エタノールが増加してバナナの腐敗と成熟期間の延長を調節することができた。ポリエチレン包装内およびジャーでのエチレンと炭酸ガスを分析した結果, 温湯処理と4%塩化カルシウム溶液処理はエチレンの発生と呼吸を抑えることがわかった。
  • 阿知波 信夫, 片寄 政彦, 吉田 恭一郎, 草刈 眞一, 阿部 一博
    2004 年 30 巻 4 号 p. 185-190
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2011/08/17
    ジャーナル フリー
    1年にわたり市販されているサラダ7種の一般生菌数を測定した。持ち帰り用密封状態で販売されているサラダ4種をグループAとし, 各店舗で持ち帰り用に盛りつけられ販売されているサラダ3種をグループBとした。購入時のサラダの一般生菌数は, 全体的には気温ならびに食中毒事故件数と関係が深かった。それらサラダを強酸性電解水により殺菌処理を行ったところ, Aグループでは減菌効果は低かったが, Bグループの2種では高かった。購入時のサラダの菌数が高かったことと殺菌処理による減菌効果から, Bグループの2種では盛りつけ時の二次汚染が示唆された。低温流通, 低温保存に加え, 作業者への衛生管理教育まで徹底させなければ微生物汚染は防止できないということが示された。
  • 畠 修一
    2004 年 30 巻 4 号 p. 191-193
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    オリーブ (Olea europea L.) 葉を25-150℃で乾燥あるいは凍結乾燥し, オリーブ葉のオーレユーロペン含量に対する乾燥温度の影響を調べた。65-80℃にかけて葉中のオーレユーロペン含量の低下する特異的な乾燥温度領域を見い出した。オリーブ葉を熱水で処理し乾燥することで, オーレユーロペンの含量は復帰した。この特異的な減少には, 酵素活性が関与しているのかもしれない。
  • 内野 昌孝, 野口 智弘, 高野 克己
    2004 年 30 巻 4 号 p. 195-198
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    食品に含まれるDNAの熱安定性に関する研究は少ない。そこで, 私たちは加熱食品から抽出したDNAの安定度についての試験を行った。対象遺伝子として18SrDNAを用い, そのPCR増幅性によりDNAの安定性を考察した。その結果, 130℃を超える熱履歴をもつ食品から抽出したDNAはこの遺伝子領域がPCR増幅しないことが明らかとなり, これは熱によりDNAが分解していくと考えられた。しかし, 加熱時において食品の内部は表面ほど熱の影響を受けることはないことが流通食品を用いた結果から推察された。このことから食品内部の熱履歴が食品中のDNAの安定性に大きくかかわることが明らかとなった。
  • 大和 弥寿
    2004 年 30 巻 4 号 p. 199-201
    発行日: 2004/07/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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