日本食品保蔵科学会誌
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30 巻, 5 号
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  • 阿武 尚彦, 田村 幸一, 大野 弘美, 富 裕孝
    2004 年 30 巻 5 号 p. 223-229
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    中国で栽培された桑の葉より熱水抽出エキスを調製し, その成分について分析を行った結果, クロロゲン酸, 1-デオキシノジリマイシン, ルチン, イソクエルシトリン, アストラガリン, コーヒー酸, クエルセチン, クエルシトリンの存在が確認できた。これら成分の定量を行った結果, クロロゲン酸含量は1.17%と比較的高い含有量であった。
    次に, 熱水抽出エキスの糖質酵素に対する阻害作用について検討を行った。その結果, マルターゼ, スクラーゼ阻害作用だけでなく, α-アミラーゼ阻害活性も認められた。エキスのα-アミラーゼ阻害活性の48%はクロロゲン酸に由来するものであった。また, マルターゼおよびスクラーゼ阻害活性のほとんどは, 1-デオキシノジリマイシンに由来しており, ポリフェノール成分のこれら阻害活性への寄与は少ないものと考えられた。
  • 塩見 慎次郎, 丁野 久美, 中村 怜之輔
    2004 年 30 巻 5 号 p. 231-234
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ノンクライマクテリック型果実に分類されるパイナップル果実の追熟性を, 異なる熟度で収穫した果実の貯蔵中の糖含量, 有機酸含量およびアミノ酸含量の変化の点から調べた。収穫後, 未熟果においてはブドウ糖と果糖が減少しショ糖が多少増加したが, 未熟果および緑熟果におけるトータルの糖含量 (ショ糖+果糖+ブドウ糖) は増加しなかった。樹上での成熟に伴う総有機酸含量 (クエン酸+リンゴ酸) は未熟果から緑熟果へ急増したのち, 適熟果ではやや減少した。この変化はクエン酸含量の増減を反映していた。貯蔵中は, 未熟果と緑熟果において樹上と同様の有機酸含量の変化が観察された。パイナップルの主要な遊離アミノ酸であるアスパラギンは樹上での成熟に伴って蓄積され, 貯蔵中には未熟果と緑熟果において含量が増加した。この変化は有機酸と同様に樹上での変化のパターンと一致した。以上の結果より, パイナップル果実は内容成分としての有機酸と遊離アミノ酸含量が樹上成熟に伴う変化と同様のパターンで収穫後も変化することが明らかとなり, 一部追熟する特性が再確認された。
  • 波多野 和樹, 大西 章博, 藤本 尚志, 中西 載慶, 鈴木 昌治
    2004 年 30 巻 5 号 p. 235-241
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    Mycelia sterilia M 1株の廃糖蜜に対する脱色活性と粘質物生産に適した培養条件について検討した。10%濃度廃糖蜜溶液において効率的な脱色と粘質物生産が確認された。また, グルコースの添加や, 廃糖蜜中のスクロースを塩酸により加水分解することにより脱色性および粘質物生産性が促進された。塩酸による加水分解液を用いてM. sterilia M 1株を10日間培養した培養液からメタノール添加により粘質物を析出させた。粘質物は培養液100mlあたり0.86g回収された。一方, 粘質物を回収した後の残液の脱色率は77.4%を示し, またスクロースの残存量が多く, 91%の残存率を示した。また, 得られた粘質物は六炭糖を主要構成糖とする多糖類であった。
  • 杉山 薫, 三村 優, 尾原 宏美, 冨岡 和子
    2004 年 30 巻 5 号 p. 243-246
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    葛水および葛葉の乾燥粉末, およびこれらを添加したクッキーにおけるAwと抗酸化能の関係を検討した。
    (1) セルロース粉末 (対照) では, いずれのAw領域においても保温開始4日以内に大きなPVピークが出現した。これに対し, 50%葛水乾燥粉末では低Aw領域においてPVの上昇がみられたが, 100%葛水乾燥粉末ではPVの上昇はみられなかった。また, 50%および100%葛葉乾燥粉末ではほとんどPVの上昇はみられず安定した抗酸化能が認められた。
    (2) 無添加クッキー (対照) はいずれのAw領域においても保温開始6日以内にPVの著しい上昇がみられた。これに対し, 葛水乾燥粉末添加クッキーでは低Aw領域において保温開始6日以内に対照のPVピークの60-80%に達したが, 中間-高Aw領域ではPVの上昇はほとんどみられなかった。また, 葛葉乾燥粉末添加クッキーでは大きなピークはみられず, 安定した抗酸化能が認められた。
  • 大和 弥寿
    2004 年 30 巻 5 号 p. 247-249
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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