中国で栽培された桑の葉より熱水抽出エキスを調製し, その成分について分析を行った結果, クロロゲン酸, 1-デオキシノジリマイシン, ルチン, イソクエルシトリン, アストラガリン, コーヒー酸, クエルセチン, クエルシトリンの存在が確認できた。これら成分の定量を行った結果, クロロゲン酸含量は1.17%と比較的高い含有量であった。
次に, 熱水抽出エキスの糖質酵素に対する阻害作用について検討を行った。その結果, マルターゼ, スクラーゼ阻害作用だけでなく, α-アミラーゼ阻害活性も認められた。エキスのα-アミラーゼ阻害活性の48%はクロロゲン酸に由来するものであった。また, マルターゼおよびスクラーゼ阻害活性のほとんどは, 1-デオキシノジリマイシンに由来しており, ポリフェノール成分のこれら阻害活性への寄与は少ないものと考えられた。
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