日本食品保蔵科学会誌
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33 巻, 6 号
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  • 村松 良樹, 田川 彰男, 坂口 栄一郎, 笠井 孝正
    2007 年 33 巻 6 号 p. 295-302
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    2種類のインゲン豆 (オオテボウ, タイショウキントキ) の薄層乾燥特性を数段階の温度, 相対湿度条件下においてそれぞれ測定した。5種類の乾燥モデルに各試料の含水率測定データを, 測定条件ごとにそれぞれあてはめ, 測定値と各式との適合性を比較した。その結果, オオテボウの含水率変化は球モデル, タイショウキントキの含水率変化は無限平板モデルにより精度よく推定できることがわかった。乾燥速度定数から算出された試料の水分拡散係数の温度依存性はArrhenius型の式によく従った。
  • 山崎 雅夫
    2007 年 33 巻 6 号 p. 303-306
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    SHSによる魚油の加熱に際し, 脂質の過酸化物価は抑制され抗酸化的な加熱であると推察した。また, ササ葉抽出液の添加により魚油酸価の上昇を抑制し, この結果は濃度に依存していた。植物バイオマス抽出液を添加し, 製造した魚粉の脂質はエトキシキンと同程度に安定であった。しかし, 植物バイオマスの粉末を添加した場合, 酸化が亢進し, 添加形態によって効果に差異がみられた。SHSによる加熱では魚粉に褐変を生じやすい傾向がみられた。油脂の酸化防止という観点から, 過熱水蒸気と植物バイオマスを組み合わせた場合, 魚粉, 魚油の加熱に対して有効であることがわかった。
  • 八木 昌平, 乙黒 親男, 角野 猛, 枝川 正樹, 滝田 聖親, 金子 憲太郎
    2007 年 33 巻 6 号 p. 307-313
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    (1) 水洗・殺菌後に60℃の蒸気で5分間加熱してから15℃で5日間保存したキャベツとキュウリは, 一般生菌数と大腸菌群数が300CFU/g以下であった。
    (2) 水洗・殺菌後に60℃の蒸気で5分間加熱してから10℃で5日間保存したネギは, 一般生菌数がやや増加したが大腸菌群数は300CFU/g以下であった。
    (3) 野菜工場で製造した温カット野菜 (キャベツ, カリフラワー, ニンジン, カボチャ, ジャガイモ) は, 10℃で5日間, 大腸菌群が300CFU/g以下であった。一般生菌数は3.5log CFU/g (ジャガイモ) -4.3log CFU/g (キャベツ) であった。
    (4) 野菜工場で製造した温カット野菜は, 25℃で48時間, 大腸菌群が300CFU/g以下であった。一般生菌数は4.5log CFU/g (キャベツ) -7.8log CFU/g (カボチャ) であった。
  • 前橋 健二, 山本 泰
    2007 年 33 巻 6 号 p. 315-321
    発行日: 2007/11/30
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    醤油酵母Zygosaccharomyces rouxiiを利用した低食塩魚醤油の製造について検討を行った。10%食塩魚醤油諸味中では腐敗細菌は108cfu/g以上に増殖したが, 5%エタノールを添加することによりそれらの生育は発酵期間中102cfu/gにまで抑制されていた。醤油酵母による生成エタノールで低食塩魚醤油諸味の腐敗を防止することを目的とし, 醤油諸味から10%食塩含有培地中で良好な生育と高い発酵力を示すZ. rouxii A-9株を分離した。A-9株106cells/gを用い, 発酵基質としてグルコースまたは小麦麹を添加した低食塩魚醤油の製造を行った。添加した酵母は低食塩魚醤油諸味中で増殖し, 糖を消費しながらアルコールを生成し細菌の増殖を抑制した。発酵は60日間で終了し製品とした。グルコース添加低食塩魚醤油と麹添加低食塩魚醤油には成分の差はほとんどみられず, どちらも市販の伝統的魚醤油と比較して食塩濃度は半分であり, 官能的に市販伝統的魚醤油のような特有の臭気はなく好ましい発酵香が得られた。
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