日本食品保蔵科学会誌
Online ISSN : 2186-1277
Print ISSN : 1344-1213
ISSN-L : 1344-1213
34 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 池田 浩暢, 藤瀬 朋子, 宮城 一菜, 茨木 俊行, 太田 英明
    2008 年 34 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 2008/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ブロッコリーの収穫時期ごとの品質と鮮度保持期間を明らかにするために, 11月 (秋期), 1月 (冬期) および4月 (春期) に収穫したものの温度別の呼吸速度を調査し, 室温および15℃の恒温庫内に出荷容器ごとに保存し, 鮮度保持に及ぼす影響を調査した。
    (1) いずれの時期に収穫したブロッコリーにおいても, 品温と呼吸速度の関係は二次式に近似できた。同じ品温であれば, 呼吸速度は冬期収穫のもので最も高く, 秋期収穫のもので最も低かった。これとは逆に, 収穫時における呼吸速度は秋期のもので最も高く, 冬期のもので最も低かった。
    (2) 室温に保存した場合, 秋期収穫のブロッコリーではアスコルビン酸含量が早くから低下し, 総クロロフィル含量の低下も他の時期に収穫したものに比べて速く, 鮮度保持期間が短くなった。冬期収穫のものでは成分含量の保持に優れ, 外観品質の低下も緩やかで, 鮮度保持期間も長かった。
    (3) 15℃に保存した場合, 秋期収穫や春期収穫のブロッコリーではアスコルビン酸含量が早くから低下し, 総クロロフィル含量の低下も冬期収穫したものに比べて速く, 鮮度保持期間が短くなった。冬期収穫のものでは成分含量の保持に優れ, 外観品質の低下も緩やかで, 鮮度保持期間も長かった。
    (4) ブロッコリーの鮮度保持は呼吸速度よりも全糖含量と良く一致し, 全糖含量が高いほど鮮度保持期間が長かった。
  • 村松 良樹, 坂口 栄一郎, 永島 俊夫, 田川 彰男
    2008 年 34 巻 1 号 p. 11-18
    発行日: 2008/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    非定常プローブ法により食品の3種の熱物性値 (熱伝導率, 熱拡散率, 比熱) を同時に, かつ容易に推算することができる方法を提案した。その推算方法は, プローブの温度変化を熱伝導方程式の近似解析解にあてはめて, その解析解におけるパラメータA, Bの値と, プローブ定数Pc, 温度補正係数Icの値を用いて熱伝導率および熱拡散率を求め, さらに熱伝導率と熱拡散率の値と密度の値を熱拡散率の定義式に代入して試料比熱を決定する方法である。
    Δθ=A・ln t+B
    A=qPc/4πλ, B+Ic=qPc/4πλ(ln4xβ/r2)=A(ln4xβ/r2)
  • 北澤 裕明, 石川 豊, 中村 宣貴, 椎名 武夫
    2008 年 34 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 2008/01/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    包装形態の違いがイチゴの損傷発生に及ぼす影響について検討した。通常包装では, 加振により短時間で果托の広範囲に損傷が発生した。また, 通常包装と比較して損傷を軽減するとされる平詰め包装においても, 損傷は短時間で発生し, 発生割合および損傷面積についても通常包装とほとんど変わらなかった。一方, 縦詰め包装では損傷の発生割合は加振時間とともに緩やかに増加し, 通常包装と比較し, 損傷の発生が減少する傾向がみられた。特に, 損傷面積は通常包装の3割程度であった。したがって, 果托同士の接触を回避し, 緩衝材やパックとの接触を最低限に抑えることができる縦詰め包装は, イチゴの輸送中の損傷を回避する包装方法として有効であると考えられた。また, 縦詰め包装において損傷部位は果托の赤道付近から萼部位に集中することが明らかとなったことから, これらの部位における損傷を軽減するために, 果托の支持に用いる底面緩衝材の材質について検討した。その結果, 密度8.7×10-2g・cm-3および25%圧縮応力2.69×10-2MPaをもつゴムスポンジを用いた場合, 損傷の発生割合および損傷面積が最小となった。
  • 辻井 良政, 福本 育夫, 矢冨 伸治, 高野 克己
    2008 年 34 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2008/01/31
    公開日: 2011/08/17
    ジャーナル フリー
    Plant sterols are natural dietary components whose lowering effect on serum cholesterol level has been well documented. The purpose of this study was to determine the effects of plant-sterol-supplemented processed rice on serum of cholesterol level. In the determination, a double-blind, placebo-controlled study was conducted using a 3-group parallel protocol. The subjects comprised 33 healthy Japanese males and females with a total cholesterol level of 234. 6± 24.6 (mean±SD, mg/ml). They were given a daily ration of rice balls prepared from plant-sterol-supplemented rice containing 1.46 and 2.25 g of plant sterol for 4 weeks. Serum total cholesterol was reduced by 4.6% in the 2.25 g/day plant-sterol (as β-sitosterol of about 968 mg/day) group (p<0.05). As for LDL cholesterol level, such reduction was observed in 4.3%. In all the groups, no significant change in the level of HDL-cholesterol, triacylglycerol, RLP-cholesterol, VLD-lipoprotein, LD-lipoprotein or other kinds of apolipoprtein and biochemical parameters. In addition, no remarkable abnormality was observed in the subjective and objective examination of what symptoms. These results indicate that plant-sterol-supplemented processed rice is useful in supporting healthy eating habits for reducing serum total cholesterol level.
feedback
Top