冷凍貯蔵による化学的変化と栄養価への影響を,脂質含量の低い代表的な冷凍水産物であるスルメイカ,マダラについて検討し,次のような結果を得た。
1. イカは-20℃に18カ月間貯蔵中,蛋白質変性や脂質の加水分解はほとんどみられなかったが,TBA価は上昇した。
2. タラは-20℃に11カ月間貯蔵中,蛋白質変性の進行が著しく,脂質の加水分解もみられた。しかし,TBA価の変化はほとんどみられなかった。
3. イカは貯蔵9カ月目と18カ月目に凍結乾燥粉末としてラットに投与し,その栄養価をみた。体重増加率,飼料効率,蛋白質の消化吸収率,窒素体内保留率に貯蔵の影響はみとめられなかった。
4. タラは貯蔵1カ月目,7カ月目,11カ月目にイカの場合と同様の実験を行い,貯蔵の影響はみとめられなかった。
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