市販の半調理冷凍食品を用いて油温解凍を行い,油温別に揚げ油の性状,揚げ種の内部温度,嗜好品質評価を検討し,次の結果を得た。
1. 油温解凍の際,加工過程で調味料,小麦粉,動物性食品の使用量の多い種類またはドリップの溶出しやすい素材を含む種類は揚げ油の劣化が著しい。これらの傾向は揚げ物の仕上がりの色,外観,歯ざわりの官能値に影響を与える。
2. 揚げ油の内部温度の関係は冷凍食品の各種類間で成形は類似していても,素材のちがいで温度差を生じ,さらに同じ種類でも油温差によって内部温度の上昇曲線の傾向が異なる。
3. 望ましい揚げ温度と揚げ時間は次のように判断した。
(1) ハンバーグカツ:油温150℃で約4分間揚げ,焦げ目をつけるために油温180℃で約1分間の二度揚げ。
(2) チキンボール:油温150℃で約3分間。
(3) コロッケ:油温180℃で約4分間。
(4) ギョウザ:油温180℃で約3分間。
(5) チーズロールエッグ:油温150℃で約6分間。
(6) 魚フライ:油温180℃で約2分間。
(7) 竜田揚:油温180℃で約4分間。
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