シュガータイプのスイートコーン “ハニー・バンタム・早生200” の性状と貯蔵に伴う品質変化を調べたところ, 次のような結果を得た。
(1) 穂の各部位ごとの粒の性状を調べたところ, 頂部, 中央部および基部の3部位で, デンプン含量に差はなかったが, 水分は頂部に向う程多く, AISも頂部が多かった。1粒重は基部が最も大きく, ついで中央部であったが両部部位の差は余りなく, 頂部は両者の約1/2で小さかった。全糖は中央部が多かった。
(2) 20個体を用いて, 水分, 全糖およびデンプン含量を測定し, これら3者間の相関を検定したところ, お互の間に有意の相関が認められなかった。
(3) 午前6時, 12時および午後6時の3回に分けて収穫し, 全糖デンプン, AIS, 水分や硬度などを分析したところ, 収穫時間による差はほとんどなかった。
(4) 貯蔵温度が低いと貯蔵中におけるデンプンの増加や全糖の減少は少なかったが, 室温 (25-30℃) でも1日後1%, 2日で1.5%程度の全糖の減少しかなく, 本品種は収穫後品質が劣化しにくい品種であることが分った。
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