本研究は, イチゴ, トマト, ブロッコリーを供試材料とし, 収穫直後の短期間の低温処理が, その後の常温流通過程における鮮度保持に及ぼす影響を調べるととも
(1) イチゴ : 果実A (90-100%着色果), 果実B (60-80%), 果実C (30-50%) を20℃で貯蔵するとそれぞれ貯蔵4日, 5日, 6日で商品性の限界に達した。一方, 20℃貯蔵前に, 2℃で20時間低温処理を行うと, 果実Aは貯蔵6日, 果実Bは7日, 果実Cは8日で商品性の限界に達し, 短期低温処理により, 20℃貯蔵での商品性保持時間を延長させることができた。しかし, 果実Cにおける市場価値の最高値は, 20℃一定の果実のそれに及ばない。
(2) トマト : Light Pink (LP) のトマト果実を20℃貯蔵すると, 18日で商品性の限界に達し, 短期低温処理を行った果実は, 20日で限界に達し, しかも高品質の期間が長かった。
Breaker (Br), Mature green (MG), Small green (SG) の果実では, 短期低温処理により, 20℃貯蔵より追熟の開始は遅れた。Br, MGの果実は, 商品性保持期間の延長効果は少ないが, 高品質の期間は無処理の果実より長かった。
(3) ブロッコリー : 2℃貯蔵を行うと, 頂花蕾より側花蕾の方が商品性保持期間は長かったが, 20℃貯蔵では差はみられなかった。短期低温処理の効果は2℃4時間ではみられなかったが, 24時間処理で少しみられた。
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