日本食品低温保蔵学会誌
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18 巻, 4 号
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  • 永井 耕介, 澤 正樹, 吉川 年彦, 岸本 基男, 山田 正敏, 中川 裕八郎, 伊佐 定夫
    1992 年 18 巻 4 号 p. 141-147
    発行日: 1992/12/22
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    品質の良いタマネギ加工品の周年安定供給をはかる目的で, 淡路産タマネギの貯蔵中の外観並びに内容成分の変化を調査した。さらに, 淡路産貯蔵タマネギを中心に妙め加工適性を調べた。
    1. 淡路産5品種の中では6, 8, 9月にショ糖含量の最も高かった'もみじ3号'において肩落ち球・腐敗球の発生が最も少なかった。
    2. タマネギの全糖, ショ糖は収穫後のつり玉及び冷蔵期間中に減少したが, 特にショ糖の減少は著しかった。還元糖は逆に冷蔵中に増加する傾向にあった。還元糖の増加はショ糖から果糖・ブドウ糖への転化が生じたものと考えられる。
    3. 炒めタマネギの3回の官能評価の結果, 淡路産の4品種が味・香り・硬さに関して比較的高い評価を得た。
    4. 品質の良い炒めタマネギの素材として貯蔵期間を通じて長期間使用するには貯蔵性や加工適性から判断して淡路産の'もみじ3号'が最も適していた。
  • 阿部 一博, 〓 紅, 矢野 昌充, 長谷川 美典, 岩田 隆
    1992 年 18 巻 4 号 p. 148-154
    発行日: 1992/12/22
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    5℃で2か月もしくは3か月間貯蔵した“清見”果実を個別にポリエチレン袋で密封あるいは有孔包装し20℃および8℃に保持してこはん症の発生と生理・化学的変化を調べた。対照は無包装とした。
    20℃保持では8℃に比べこはん症の発生が顕著であった。ポリエチレン袋個装によって無包装に比べこはん症の発生が明らかに軽減された。密封区は有孔区に比べ効果が大きかった。フィルムの厚さ (20μm, 50μm) による違いには一定の傾向がみられなかった。
    こはん症の発生率が高い20℃無包装区は包装区より果実空隙中のCO2ならびにエチレン濃度は高い傾向がみられ, 酸素濃度も保持30日の無包装区の障害発生果以外では無包装区が包装区より高かった。障害果では健全果より, 果実空隙中のCO2, エチレン濃度が高く, O2濃度が低い傾向がみられた。障害果のCO2排出量は健全果より高かった。
    果皮中の遊離アミノ酸含量は, 障害発生に伴い増加する傾向があり, 増加の程度はこはん症発生程度の高い果実で大きかった。こはん症の発生した果実の果皮にはフェノール類物質の蓄積が観察された。
    官能検査では, こはん症が発生した果実の外観の評点は明らかに低かったが, 果肉品質の評点は大きく変化しなかった。
  • パーボイルドライスに関する研究(第3報)
    佐藤 広顕, 山崎 雅夫, 高野 克己, 永島 俊夫, 馬場 俊郎, 鴨居 郁三
    1992 年 18 巻 4 号 p. 155-161
    発行日: 1992/12/22
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    ジャポニカ種玄米より調製したパーボイルドライスの貯蔵試験を行い, 貯蔵温度および包材, 脱酸素剤添加が脂質の変化およびその米飯のテクスチャー, 糊化度に及ぼす影響について, 精白米を対照とし検討を行った。
    (1) パーボイルドライスおよび精白米の貯蔵中における水分は, 4℃貯蔵では包材の種類にかかわらずほとんど変化しなかった。37℃貯蔵では, 両試料は共にアルミ蒸着フィルム包装の場合, 水分の変化は見られなかったが, ポリエチレン包装では, 6ヵ月間の貯蔵によって初期水分値の77%に減少した。
    (2) 貯蔵中における脂質変化は, パーボイルドライスおよび精白米は共に, 37℃貯蔵で過酸化物価およびカルボニル価が大きく増加した。しかし, 4℃貯蔵ではこれらの変化は小さくなり, さらに脱酸素剤の使用によって, その変化はほぼ完全に抑制することが出来た。また, パーボイルドライスでは, 貯蔵中の酸価の増加は見られなかった。
    (3) 貯蔵米の米飯のテクスチャーを測定した結果, 37℃では貯蔵に伴いパーボイルドライスの硬さは増加し, 凝集性および付着性は低下した。これらの変化は, 同温度にて貯蔵した精白米に比べ大きかった。しかし, 4℃で貯蔵したパーボイルドライスの場合, 米飯のテクスチャーは精白米と同様, 変化は見られなかった。
    (4) 米飯の糊化度は, パーボイルドライスおよび精白米共に貯蔵によって低下し, その傾向はパーボイルドライスの方がやや大きかった。なお, 米飯の糊化度に対する米の貯蔵温度および包材の影響は少なかった。
  • 小宮山 美弘, 辻 政雄
    1992 年 18 巻 4 号 p. 162-166
    発行日: 1992/12/22
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    “太陽” スモモを3, 10, 20及び30℃に30日間貯蔵して, その生理化学的変化を調べた。
    (1) 果実の呼吸量は貯蔵温度が高くなるのに伴い増大したが, その量は少なく, わずかながらクライマクテリックライズも観察された。
    (2) 外観色は10℃の変化が量も大きく, L, a, b値いずれも低下し, 貯蔵後は赤黒色を呈した。3℃と30℃の外額色は変化が少なかった。
    (3) 果実は軟化したが, 10℃が最も激しく, 他の温度ではその程度は小さく, 温度間の差もなかった。
    (4) 糖組成は, 収穫期に比較して10℃のスクロース含量が高く, 組成比も他に比較して最も高かった。また, 遊離アミノ酸は3℃では増加し, 10℃では減少した。
    (5) 30日貯蔵後の官能品質は, 10℃<30℃<20℃<3℃の順序で, 10℃と30℃の商品価値はなかった。
    なお, 本研究の概要は日本食品低温保蔵学会第32回大会 (1990年9月, 大阪) で発表した。
  • 山内 直樹, 橋永 文男
    1992 年 18 巻 4 号 p. 167-172
    発行日: 1992/12/22
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    エチレン処理された温州ミカン (Citrus unshiu Marc.) 果実のクロロフィル分解経路を明らかにするため, 貯蔵に伴うクロロフィル含量, フラボノイド, クロロフィル分解活性, ペルオキシダーゼならびにクロロフィラーゼ活性の変化について検討を行った。
    エチレン処理果は20℃貯蔵に伴い脱緑がみられたが, 無処理果では貯蔵4日までほとんど変化がみられなかった。クロロフィル含量についてみたところ, エチレン処理中に減少し, 処理後貯蔵に伴い急減した。処理果のフラボノイドは増大がみられ, 貯蔵2日で最大値を示し, その後処理前の値に減少した。クロロフィル分解活性 (ペルオキシダーゼによるクロロフィル分解に関与するフェノール化合物量) は, フラボノイドの変化と同様の傾向を示し, その変化割合はより顕著であった。温州ミカンに含まれるフラボノイド・アグリコソであるナリンゲニン, ヘスペレチン, アピゲニンおよびヘスペレチンと同じB環構造を持つフラボンのジオスメチン存在下でのペルオキシダーゼによるクロロフィル分解を調べたところ, クロロフィルはすべてのフラボノイドにより分解され, 特にナリンゲニンとアピゲニンの効果が顕著であった。ペルオキシダーゼならびにクロロフィラーゼ活性についてみたところ, 両活性ともエチレン処理中に増大がみられ, ペルオキシダーゼ活性は貯蔵2日から減少したが, クロロフィラーゼは貯蔵中, 高活性を維持した。
    以上の結果より, エチレン処理された温州ミカンのクロロフィル分解は, クロロフィルがクロロフィラーゼにより分解され, その後生成したクロロフィリッドがフラボノイド存在下でペルオキシダーゼにより無色の物質に分解されるものと推察された。
  • 阿部 一博
    1992 年 18 巻 4 号 p. 180-185
    発行日: 1992/12/22
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 大和 弥寿
    1992 年 18 巻 4 号 p. 186-188
    発行日: 1992/12/22
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
  • 森 光國
    1992 年 18 巻 4 号 p. 189-190
    発行日: 1992/12/22
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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