ブドウ糖-食塩-水の3成分系より複塩 (C
6H
12O
6)
2 NaCl・H
2Oの生成およびこの複塩分解による結晶ブドウ糖C
6H
12O
6・H
2Oの生成機構について物理化学的検討を行なった。
1. 複塩生成については, 生成理論め考察を行ない, 実験室的せん糖方式を決定した。
2. 複塩分解については, 結晶ブドウ糖生成に至るまでの物理化学的検討を行ない, α-グルコースの溶解速度の測定を行なうと共に, 複塩溶解速度および結晶ブドウ糖の晶出速度についても物理化学的考察を進めた。 かくして複塩分解条件を総合的に検討し, シード添加, 温水使用およびマスキット冷却等の操作を新たに加えることによって, 複塩法による結晶ブドウ糖の製造法を著しく改善した。
3. 上記の複塩分解工程の物理化学的考察の結果, α-グルコース-β-グルコース-食塩-水の4成分系四面体座標の提案を行なった。
本研究は主に昭和34~35年に行なったもので, 当時の北海道立林業指導所員および北海道木材化学KK社員多数の御指導と御協力を受けた, 記して感謝の意を表します。
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