澱粉工業学会誌
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15 巻, 1 号
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  • 成熟によるエンドウ澱粉の物理的および化学的性質の変化
    多田 稔
    1967 年 15 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1967/12/20
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     エンドウ種子の成熟に伴う澱粉の物性の変化を検討した。試料は1か月の間6区分に分別採取した。豆の絶乾重量は成熟にしたがい34,47,125,204,および273mg/粒に増加した。また澱粉含量は3.2,5 .5.12.7,54.4,80.2,63.0mg/粒と増加した。成熟中の澱粉粒の顕微鏡観察,粒数分布によるとエンドウマメでは大部分の澱粉粒が豆の成長の初期にできて成熟と共にこれが大きくなることから,BADENHUIZENや吉田,二国の説と同様に澱粉粒の生成は付加的なものと考えた。澱粉のヨード呈色度およびヨード結合量は成熟するにしたがって増加した。また分別したアミロースのヨード結合量も成熟するにつれて増加した。これらのことから一般に成熟にしたがって澱粉中のアミロース量が増加し,アミロースの平均分子量が増加していると考えられる。澱粉の加熱時の透光度の測定から成熟初期のノリ化開始温度は55℃で成熟後期になると64℃ となった。X線回折では澱粉の結晶形は成熟度による差はなくC形であった。
  • 廃液の貯蔵
    高桑 正義
    1967 年 15 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 1967/12/20
    公開日: 2011/02/23
    ジャーナル フリー
     甘藷澱粉製造廃液は汚染し易く大量の廃液を簡易に経済的に貯蔵することが困難であった。tolueneを廃液の上部に数mmの層となるよう添加して貯蔵するとき,6ケ月後もパン酵母の培養基として適当であることを認めたので,甘藷汁についてtoluene添加貯蔵における変化を室温で検討した。 1.貯蔵中還元糖量は次第に増加し,20日後全糖量とほぼ等しくなった。 2.2日間の貯蔵で,浮遊物の除去が容易となり,濾過が迅速となった。 3.貯蔵後もパン酵母培養における対消費糖収率は変らず,市販酵母製造における収率に匹敵した。
  • (第3報)オートアナライザーによるフラクトースの分別定量の自動化
    貝沼 圭二, 田所 克子, 菅原 敬子, 鈴木 繁男
    1967 年 15 巻 1 号 p. 10-13
    発行日: 1967/12/20
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     オートアナライザー(Technicon Co.USA)を用い,システィンーカルバゾール法によるフラクトースの自動測定法を確立した。 本法を用いグルコース,フラクトース溶液を測定したところ,従来用いられているレゾルシンーチオウレア法,システィンーカルバゾール原法に比較して,遜色ない精度を示すことを明らかにした。 ここに設定したフローダイヤグラムを用いた場合には,フラクトースの測定濃度は,600μg/mlと原法の10~15倍程度まで優れた直線性を示した。フラクトースの発色度はグルコースの約40倍で,毎時20点の試料を連続的に分析出来る。 本法は,連続的に加熱発色を行なうので,一連の実験から採取した多数の試料を分析する場合に,従来のバッチ法に見られたようなバッチ間のバラツキのない測定値を得ることができる。
  • オートアナライーザによる総還元糖定量の自動化
    貝沼 圭二, 田所 克子, 菅原 敬子, 鈴木 繁男
    1967 年 15 巻 1 号 p. 14-17
    発行日: 1967/12/20
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     オートアナライザー(Technicon Co.USA)を用い,フェリシアン化カリウム法による還元糖の定量を行なうフローダイヤグラムを作製し,測定条件を検討した。 本法によれば0.5~2.0mg/mlの濃度範囲で,糖含量と透光度は,片対数グラフ上で優れた直線性を示す。測定速度は毎時30点のものを自動定量することが可能である。 グルコース,フラクトースのフェリシァン化カリウムに対する還元力は,各濃度において約6%の差があった。しかしグルコース,フラクトース,グルコース/フラクトース=1/1の三種の検量線を作製すると,いかなる組成のグルコース・フラクトース混合溶液の総還元糖含量をも,比色法のもつ精度限界内で±1.5%の精度で測定することが可能である。
  • 前田 清一
    1967 年 15 巻 1 号 p. 18-25
    発行日: 1967/12/20
    公開日: 2011/02/23
    ジャーナル フリー
     葛根より製造される葛粉の詳細な歴史は明らかでないが,かなり古い時代から日本人の生活に直結していたことは,自家用または救荒食糧の形で文献にも明示され,現在に至るも特殊な地域で手工業的に少量生産され高価ではあるが,製菓,材料などの特殊用途向となり,賞賛を博しているが,葛粉の特性に関する研究は甚だ僅少で進歩した食品化学的手法を駆使して葛粉の特性を研究すべきで,斯くすることによって新しい澱粉の開発も進められることであろう。 終りに本調査に当り御懇切なる御指示を賜わった吉野葛本舗黒川重太郎氏並びに葛粉などのアミログラム及び顕微鏡写真を作成して頂いた味の素K.K.川崎工場高橋礼治氏に謝意を表します。
  • 日本応用糖質科学会
    1967 年 15 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 1967/12/20
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
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